帰省の記事がまだまだ続きますが、特に古参読者さんは??と思っておられるはず。
そうです、ここに至るまでグルメ記事がありません。爆
一応グルメ記事は卒業したつもりですが、たまにはいいでしょう。
卒業とかいいながら、はい、しっかり撮ってますよ。w
島根県庁にもほど近い宍道湖大橋の北詰にある「吉日庵 魚一」さん。
昨年は晩御飯の記事で紹介しましたね。
創業110年、松江の味といえばここ魚一さんか皆美さんというぐらいの老舗の名店ですな。
特にこれが食べたい!というのはなかったのですが、幸運にも新メニューに出会えました。
タイトルにもある「アゴのときくずし」。はて?「ときくずし?」初めて聞く名前ですな。
ちなみに「アゴ」以外はたぶん出雲弁ではありません。笑
七代藩主治郷公が考案したといわれます。
七代藩主治郷公は不昧流という茶道の元祖となったほどの茶人大名。
自らを不昧と号したので不昧公とも呼ばれます。
今日の松江の文化のほとんどが「不昧公お好み」といわれる松江中興の祖。
六代藩主宗衍公の治世には「出雲様ご滅亡か?」と江戸で噂されるほど財政はひっ迫。
責任をとって隠居した宗衍公のあとを継いだのが次男の治郷公です。
治郷公は商品作物栽培の奨励や倹約令、借金の棒引き、藩札の廃止など財政改革に取り組みます。
その甲斐あって空だった藩の御金蔵には数十万両という金が蓄えられ改革は成功します。
しかし、茶人大名治郷公はその蓄えをすべて茶器などの天下の名物に散財。(`・ω・´)ナニィ??
実はとんでもないお殿様だったのです。爆
な、なんでグルメ記事が歴史に...ゴホゴホ。
漬物や海苔などをご飯の上に盛り、熱々の鯛でとった出汁をかけていただきます。
松江の名物といえば宍道湖七珍とこの鯛めしが有名ですね。
殿様の考案が鯛めしなら、庶民の食べ物はぼてぼて茶。
ぼてぼて茶は不昧公時代から伝わる庶民のおやつ。
殿様のおかげで茶の湯は松江の庶民にも広まりました。
茶筅で泡立てた番茶に、おこわや煮豆、高野豆腐、漬物などを入れたもの。
番茶を茶筅で泡立てる音がぼてぼてというからぼてぼて茶。w
松江の人はご飯に何かをかけて食べるのが好きなようですな。
そんな松江の新しい名物にと魚一さんをはじめとする「松江美味店会(まいもんかい)」。
こちらで新しく取扱いがはじまったのが「アゴのときくずし」
考案したのは魚一さんの社長だそうですが。
島根県の県魚「飛魚(アゴ)」のすり身を揚げたものを熱々の御飯にトッピング。
薬味ネギや漬物、海苔などをのせてとろろをかけていただきます。
とろろにはアゴのすり身とアゴ出汁で味付けされ非常に風味豊かですな。
一番豪華な「松」には出雲蕎麦と宍道湖七珍のひとつ鰻の蒲焼もつきます。
こちらも同じようにアゴのすり身揚げをトッピングして、とろろをかける。めっちゃ美味!
お店の方曰く、かるく混ぜる=ときくずすように食べるんだそうです。
お出汁やお茶がとろろに代わってるのですが、漬物や海苔、薬味ねぎは鯛めしやぼてぼて茶がヒントなのでしょう。
アゴのすり身とアゴ出汁のとろろが名物をより意識してるというわけ。
当然名物あご野焼にしじみのおすましもついています。
梅に出雲蕎麦がつく竹が1470円。
さらに出雲蕎麦と鰻の蒲焼がつく松が1995円です。
実はこれ皆美さんの名物鯛めしに対抗するメニューなのでは??爆
ごはんだけの鯛めしと違ってこちらはお蕎麦、鰻とバラエティに富んでますな。
新しい松江の名物になるとよいですね。^^ ごちそうさまでした。
■吉日庵 魚一
島根県松江市片原町78番地 0852-22-2935
山陰本線 松江駅から車で7分
山陰本線 松江駅から市営バス・一畑バス「京橋」下車3分
一畑電車 松江しんじ湖温泉駅から車で5分
山陰自動車道 松江中央ICから20分