京都蹴上の南禅寺境内にある水路閣、レンガ造りのアーチ橋は南禅寺自体よりも有名かもしれません。
京都に琵琶湖の水を引く明治の国家プロジェクト的大事業、琵琶湖疏水。
その琵琶湖疎水の一部として1890年に建設された水路橋です。
東海道本線東山隧道と逢坂山隧道の貫通から11年後のことです。
琵琶湖疎水は1人の若き日本人技師、若干21歳の田邊朔朗の設計・監督により建設されました。
ちなみにこの田邊朔朗、大学で疎水の理論と設計を論文にまとめただけ。土木工事の経験はまったくなしという無謀すぎる人選。汗
てことは、水路閣ぐらいなら案外大臣。さん
なんか造ってしまうかも。爆
しかし論文だけとは思えない完成度の高さ、単なる水路橋というだけでなくローマの水道橋を思わせる姿の美しさですな。
美しい建造物は田邊朔朗のポリシーだそうです。
ちなみにデザインにこだわりすぎて施工性を考えない設計は嫌...ゴホゴホ。
1983年に「疏水運河のうち水路閣及びインクライン」として京都市指定史跡(現在は国の史跡)となっています。
延長93.17m・幅4.06m・水路幅2.42m・毎秒2tの水が流れていて、京都では唯一南から北へ流れることでも有名。
サスペンスドラマのクライマックスシーンの場所とよく言われますが...
私はここで犯人が捕まったところを見たことありません。
水路閣の周辺のあちこちで、片平なぎさが~とか、船越栄一郎が~とかいう会話が聞こえてきましたが...
それ、テレビの見すぎですよ!!笑
というよりも私がサスペンスドラマなんてほとんど見たことがないだけか。
大本山南禅寺、有数の大寺院の境内にある西欧風の異質な建造物ですが、不思議とまわりの風景に溶け込んでますね。
優美なアーチ構造に渋いレンガ積み、もちろん橋梁マニアな私にはもうたまらん風景ですな。
滋賀県民が琵琶湖の取水口を閉鎖して、水路閣が干上がったときを思うと...大好きな風景です。爆
なるべくありがちなアングルを廃して撮ってみようといろいろ試してみましたが...難しい。
でもこの3枚目の写真、連続するアーチだけは外せません。
はじめて上に上がって疎水が水路閣上を流れていくのを目にしましたが、まちがいなくちゃんと流れてます。
毎秒2tってけっこうな急流ですな。
■臨済宗大本山 南禅寺 / 水路閣
京都市左京区南禅寺福地町86番地
名神高速 京都東ICから20分
地下鉄東西線 蹴上駅下車 徒歩5分
市バス5系統 南禅寺永観堂道下車 徒歩3分