大津市坂本。お城マニアなら穴太積の石垣普請で知られる穴太衆の本拠地として有名ですな。
穴太積の石垣で知られる滋賀院門跡、山王信仰の総本社日吉大社、明智光秀の菩提寺西教寺などで有名ですな。
日吉大社から坂本ケーブルの方へ坂道を上がり、山麓駅の脇の山道を数分歩いたところに日吉東照宮が鎮座しています。
東照宮と言えば日光東照宮ですが、ここ日吉東照宮はその雛型と言われています。
前日びわこ放送の「おうみをDIGZAG」という番組で原田伸郎さんが坂本一帯を訪れておりました。
穴太衆14代目という粟田建設さんも非常に興味深いのですが、行けそうなのはやはり日吉東照宮。
あ、粟田建設さんは坂本にあって、穴太積の技術を現代に伝えています。
安土城・彦根城・丹波竹田城・高知城など名だたる城郭の石垣修復も手がけています。
そういえば、去年高知城に行ったときに修復中だった石垣は粟田建設さんによるものでしたか。
13代目故万喜三氏、14代目純司氏(現会長)の2代連続で黄綬褒章授章はすごいですな。
若き15代目現社長はプレッシャーかかりますな。笑
ちなみに片江船団の創業者の1人、故渋谷兼八氏も黄綬褒章を...ゴホゴホ。
あ、粟田建設さんは別の番組、「となりの人間国宝」でした。失礼しました。
その急な石段を上がりますと極彩色に彩られた重要文化財の唐門と拝殿が見えてきます。
受付へ行きますと...「ひょっとしてテレビ見られましたか??」と受付のおじさん。
ナイス突っ込みです。爆 現在は日吉大社の末社にあたる日吉東照宮ですが、土日のみの公開です。
しばしテレビ談義のあと...え~おじさんの幼馴染やご親戚が多数出演されてたとか。笑
話も弾みましたので、本殿内部の撮影は??と聞きますと思いがけずご神体にカメラを向けなければOKと。
昼間なのにわざわざ三脚持って来た甲斐がありました。聞いてみるもんですな。
ご神体は金の襖で仕切られて見えませんが、徳川家康・日吉大神・豊臣秀吉となっています。
日吉東照宮は日光東照宮の雛型といわれる建物で、権現造の発祥とされます。
権現造は徳川家康のブレーン、慈眼大師天海僧正の発案によるものです。天海僧正の本拠地はここ坂本。
権現造は拝殿・石の間・本殿からなり、石の間は本殿・拝殿よりも数段低い位置にあります。
石の間は拝殿と本殿に挟まれた位置にあり、祭祀が執り行われます。
拝殿に将軍がいても背を向けて失礼にならないよう、低い位置に作られていると聞きました。
唐門も本殿・石の間・拝殿も一面日光のような極彩色の彫刻で彩られておりますな。石の間から拝殿を写しました。
ごらんのアングルでお分かりのように数段低い位置からの撮影です。↑↑
かなり暗いのですが、息をのむような極彩色。やはり三脚の威力は絶大ですな。
さて、日吉東照宮の内部・外部の至る所に施された極彩色の装飾。
見ていきますと、特に長押の部分にいろいろな彫刻が施されているのに気がつきます。
日光で有名なのは「見ざる・聞かざる・言わざる」ですが、1匹ですが猿の彫刻もちゃんとあります。
たいていは神獣が多いようですな。鳳凰・麒麟・獅子などがよく目立ちます。
猿は日吉大社では神の使いとされる神聖な動物、鹿も春日大社では同じ扱いですな。
★画像はクリックして拡大します。★
さてさて、天海僧正といえば、明智光秀と同一人物説というのが有名ですな。
東照宮だけあって、そこらじゅうびっしり葵の御紋だらけなのですが、次に目立つのが桔梗紋。
桔梗の御紋といえば明智光秀のもの、東照大権現家康公をお祀りする東照宮に桔梗の御紋とは??
しかも、明智光秀の菩提を弔う西教寺は、ここから北へわずか2kmほどの場所にあります。
そんな謎めいた天海僧正の話なども調べながらでかけると、坂本観光はより楽しくなりますよ。笑
ちなみに山王信仰や東照宮については、しあわせ歴史ドライブ(by九段で働くママさん)で大変詳しく紹介されています。→★★
■日吉東照宮
滋賀県大津市4-2-12
京阪石山坂本線 坂本駅下車 徒歩20分
JR湖西線 比叡山坂本駅下車 徒歩35分
西大津バイパス 滋賀里ICから5分
公開は土曜日・日曜日のみです。