マキノのメタセコイア並木から車を走らせること15分ほど.....道はどんどん人里を離れていきます。
ボク以外誰も通りません....真っ赤になった山を独り占めですな。
離合困難なところを何ヶ所か通り過ぎると、やがて小さな集落にでます。
滋賀県高島市マキノ町在原、名前からお察しのとおり歌人在原業平ゆかりの地とされます。
在原業平は平城天皇の孫、桓武天皇の曾孫というやんごとなき血筋、のちに臣籍降下し在原氏を名乗る。
六歌仙および三十六歌仙の1人で....
世の中に たえて櫻の なかりせば 春の心は のどけからまし (古今和歌集)
ちはやぶる 神代もきかず 龍田川 からくれなゐに 水くくるとは (小倉百人一首)
この歌は特に有名ですね。
ここ在原は業平が晩年に隠遁した場所とされ、その墓と伝えられる塔も建っているそうです。。
今回は雨が激しくてあえなく断念.....
路傍には六地蔵さん.....こういうところにこそ似合いますな。しばし合掌。
冬には完全に雪に閉ざされて、町との行き来もままならなくなるほどの近畿有数の豪雪地帯。
ひょっとして、笠子地蔵だったりして。笑
業平の墓所はこの先にあります。
この在原の集落は戸数20戸あまり、未だに茅葺屋根の民家が残っています。
山深い、市街地から遠く離れた隠里のような集落には、茅葺屋根がごくごく自然に溶け込んでおります。
住民の方々が静かに暮らしていらっしゃいますので、ご迷惑にならないよう写真は最小限で遠慮して
おきましょう。
ここにやってきたのは、お蕎麦をいただきに。
こんな山深いところに1軒のお蕎麦屋さんがあります。「在原の里 業平園」さん。
なんちゅ-か...ものすごいビジュアルですな。どう表現したら....あぅ
看板には10月から新蕎麦の文字が....やった-!!ヽ(゚◇゚ )ノシンソバーッ
今シーズン初めての新蕎麦がいただけそうです。土砂降りの中やってきた甲斐がありました。
お店の中も概観とたがわずインパクト大です。
入口をはいって正面にはドラム缶で作ったストーブが赤々と燃えております。
最近こんなストーブないですよね....しかし、この建物にはこれが一番しっくりきますな。笑
しかも....はっきり言って暑い!!まだ11月だってば。
そして、テーブルというか.....これ!!
巨大な一枚岩がそのままテーブルになってます。
どうやって搬入したんでしょうねぇ....それを考えると夜も眠れなくなっちゃいますね-。(古っ)
ちなみに湯飲みの向こうに見えてるやかんには蕎麦湯が入ってます....やかんに蕎麦湯って。笑
岩の周りにはズラリと椅子が車座になっております。
ご主人はもともとが猟師だそうで、猟師小屋のイメージなんでしょうか?
壁には四季折々の在原の里の風景の絵葉書が飾ってあります。
春の桜の頃、緑まぶしい夏、雪深い冬、どれも実際に見てみたい美しい景色ですな。
注目のお蕎麦、業平蕎麦とお品書きにはありますが、お皿にのってきました。無造作に!!
一番上の写真を見て...太いんちやう??と思ったそこのアナタ!!正解です。
割り箸と同じぐらいの太さ。笑 しかもなんやもうざく切りというか.....
出てきた瞬間......一瞬引きます。笑
芳しいお蕎麦の香りはぷんぷんしますが、食べた感じはまるでうどん。
当然のことながら太さはまちまちであります。
いや-こんなお蕎麦ははじめてです。越前蕎麦の蕎麦打ち体験でmizzが切ったのよりもまだ太いっす。
(福井県池田町ふるさとふれあい蕎麦道場の記事はコチラ→★★★ )
蕎麦つゆもかわってます。
椎茸の香り?砂糖の甘さじゃなくて多分椎茸の甘味。すごくすっきりした印象深い蕎麦つゆですな。
サイドメニューには季節の天ぷら(今はわかさぎや山菜など。)、鹿肉のステーキ!!
ご主人が猟師なので自分で仕留めてくるのでしょうか?
そういえば.....鯖街道にも鹿はたくさんいますね。知ってるだけに食べるには忍びない。
うそです。食べたいに決まってます。笑
魅力的なのですが....巻き添え....もとい1人でいただくのはもったいないのでまたの機会に。
しかし、もう少ししたら雪に閉ざされて近寄ることすらままならなくなるんでしょうね。
雪の季節までに再訪がかなうかどうか....
■在原の里 業平園
滋賀県高島市マキノ町在原624番地
★JR湖西線マキノ駅から車で20分
open.11:00 ~ 16:00