やはり一度傾いてしまったものというのは、そう簡単に軌道修正は出来ないようだ。




融資を受けてから半年後にはまた支払いが滞る様になった。




この頃になるとかつてのビックマウスは完全に影をひそめ、自信を喪失し、周りの人達に申し訳ないという気持ちが常に付き纏い、考え方や、信じているもの等全てがマイナスの方向に転じた。




最初に出資をしてくれた先輩は、ロイヤリティを毎月支払っていたがそれも出来なくなった。




ある日その先輩から呼ばれて事務所に行くと、自分の記憶に無い念書のようなものを出された。




良く読むと




「月々売上の○%を支払います。もしも支払い金額が出資金よりも少ない場合は、不足分を返済致します」




ん?なんだコレ



これって俺大半の出資金を返済しなきゃいけないじゃん。てか出資だろ?これ融資やん




こんなもの記憶に無いが、確かに自分の署名と捺印がされている。




恐らく最初に出資を受ける際に、色々書類にサインしたり捺印したりしていたから、上手い事紛れさせられて自筆でサインと捺印してしまったんだと思う。




今では考えられないようなずさんさだが、当初は早く開業したいがあまりに良く確認もしなかったのだ。




法的にはどうなんだろうとか、その先輩に対する怒りとか、悲しみとか、絶望とか色々な感情が渦巻いてはいたが、昔から世話になっている事は確かだし月々無理の無い金額で良いとの事なので渋々分かりましたとその場を後にした。




この先輩と、友人の紹介してもらった方の借金は合わせて600万



それに健康保険料や市民税の滞納分、それから家賃滞納分、消費者金融の借入金。

 









ハハハ、終わったよーウインク