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純鉄・・・。
鉄ですね。それも、99％鉄だけの鉄。
鉄そのものです。ま、漢字のとおりです。
一般的には鉄の中にほんの少しずつ、炭素やマンガンなんかが入っているもんです。
その、少しずつ入っている成分で硬さや粘り、削りやすさなんかもかわってくるんです。
純鉄。
これがね、切削加工では本当に性質が悪い。
やわらかすぎるんだよぁ。
銅やアルミなんかに近いような硬さだもん。
やわらかければ加工し安いってわけじゃないのが
金属加工の難しいところだよなぁ。
小さな製品でも１０個も加工すれば刃先が痛んでしまう。
そんな純鉄の製品が量産加工しなければならない・・・。
工具代だけで売値と同じ位の金額になっている今の現状・・・。
まだまだ頭を抱える日々が続きそうだ・・・。
この仕事で儲けがでるようになったら特別ボーナスでもくれないかな。
お願いしますよ！社長 o(TωT )
ときどき、無理な納期で試作の仕事が飛び込んでくる。
今日も、そんな試作品の図面が机の上に置かれてた。
『５０個を最短納期でお願いします』だそうな。
納期を指定してくれたほうがありがたいんだけど。
「最短納期」って何が何でもすぐ作れって言われてるような…。
俺が今の会社に入社したのは、そんな試作製品や、
新規立ち上げ品の旋盤加工の準備をする人がほしかったからだそうで。
今の会社に入社して１年と９カ月、
その前には、一品加工屋で車やバイクの試作部品や、
航空宇宙機器の部品などを加工していたんだよね。
だから、試作品加工は割と得意なんだな。
量産品を朝から晩まで作っているよりずっといいね。
ただ、その材料は今一番苦労している例の金属…。
柔らかすぎる金属って、ほんとに削りにくいんです…。
でも、きっちり作り上げてきましたよ！！
１／１０００ミリの単位の寸法をきっちり出してね。