新シリーズです。

今までに経験した症例で、個人情報が分からないカタチで、守秘義務違反にひっかからない範囲のお話をします。

 

「経験」というのは、ケーススタディの積み重ねです。

良いケースも悪いケースもどれだけの事例を知り、対処法を持っているか。これが「経験」です。

 

学術知識や教科書に載っているレベルの話は、新卒のセラピストでもできると思います。

優秀な学生であれば、教科書を丸暗記するという事も可能だと思います。

現実的にはそういう事はコンピューターにでも任せれば良いのです。既に人間の頭脳が対応できる規模ではなくなってきていますので。

 

ネット上の検索と同じですよね。

 

データはそれこそ天文学的な数字で蓄積されています。

これが「知識がある」という状態です。

しかし、必要としている情報を的確に導き出すのは技術が必要です。

キーワードの選択と、検索結果の取捨選択をする判断です。

これを的確に行う事ができ、必要な情報を引き出す事ができるのが「経験がある」という状態です。

 

こんなケースがあった。どういう原因があって、どう対応すれば、どんな結果が得られた。

ひたすら、この蓄積です。

例えば、時間に余裕があって、状況が許すのであれば患者さんの症状と様々な情報をネット検索する事ができるかもしれません。

学術論文やガイドライン。企業や専門機関のホームページなどソースには事欠きませんし、最近では症状から病気を推察するシステムもあるくらいです。

ですから、多くの事例を知って引き出しを増やす事が成長への近道と言うことができます。

 

50台後半女性、主婦。

基礎疾患は特に無し。薬剤の常用無し。全身プロフィールは年相応。

軽いギックリ腰状の腰痛で来院。

年末の片付けで、スタッドレスタイヤに交換した自家用車のタイヤを自宅2階のベランダに運び、だんだん腰が痛くなってきたとのこと。

以前から軽い腰痛があり、過去にレントゲン写真で軽い椎間板変性を指摘された事がある。

痛みが出た部位は、左横っぱら(側腹部)。熱感はなし。

殿部と腰部を干渉派と手技で軽くほぐしてみるが、それほど大きく変わらない。

 

あ、じゃあアレだ。

 

という事で、思いついたのが右の腕から肩にかけて。

思ったとおりパンパンだったので、軽く筋膜リリースをかけてみる。

あら不思議。腰の痛みが取れました。

 

あるんですよ。そういう事が。

まず、痛くなった経緯と、その先の身体の動きを考えましょう。

右手で重いタイヤを抱えて4往復階段を上がりました。

だんだん腰が痛くなって来ました。

もちろん、側腹部に負担もかかりますがそれ以上に頑張ったのは右手でした。

ですから、右手をいたわってあげれば腰のつっぱりが取れるわけですよ。

 

どんなきっかけで痛みが出たのか。何をしていたのか。

どこに原因があるのか。

答えは患者さんの言葉にあります。

 

「横浜市菊名駅前の慢性腰痛専門整体院 一宇~ITIU~」

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