今日は読売交響楽団の演奏会を聴いてきました。指揮は
シルヴァン・カンブルラン。曲目は
モーツアルト アイネ・クライネ・ナハトムジーク
マーラー 交響曲第7番「夜の歌」マーラーを演奏するときは1曲だけのプログラムが多いですが、今日はナハトムジーク(夜の音楽)つながりでモーツァルト付きでした。
アイネクは有名な曲ですが、なかなかオケで聴く機会はありません。
モーツァルトにあまり興味ない筆者は、4曲もあることを知りませんでした。
最初の曲以外も聴いたことあるなー、と思いながら聴いていました。
カンブルランの演奏はクレッシェンド、ディミヌエンドをハッキリ聴かせる演奏で、かなり引き付けられました。
休憩終わってマーラーです。
カンブルランの演奏は、去年のトリスタンとイゾルデを聴きました。
その時は、わりとあっさりめで思い入れが控えめな印象でした。
今日の演奏もそんな感じかなと思っていましたが、期待は裏切られたのです。
1楽章の導入部はけっこう速いなと思いました。
でも歌う部分ではかなり思い入れたっぷりで、粘りのある演奏でした。
テナーホルン(今日はユーフォニウムでしたが)のソロは外囿さん。
とても上手い!
ハッキリ言ってこのソロは、この楽章ではかなり重要です。
マラ7を聴くのは今日で4回目になります。
そのうち2回が、このユーフォニウムソロが外しまくりのボロボロの演奏でした。
それだけで萎えます。
オケが良かったとしても、全体の印象としては台無しになってしまいました。
今日と前回聴いた演奏は、外囿さんでしたのでどちらも素晴らしかった!
前回聴いた時は、指定通りテナーホルンを使っていました。
しかし、テナーホルンの音程が酷かったのはよく覚えています。
まあ楽器のせいなのでしょうがないですが。
とにかく外囿さんが素晴らしかったです。
1楽章はトランペットのソロもたくさんあります。
ソロトランペットは東フィルから移籍してきた辻本さん。
少し傷はありましたが、とても堂々とした良い音を聴かせてくれました。
この曲の金管楽器のソロはとても難しいんです。
マーラーの交響曲の中でも、テクニック的には1番難しいんじゃないかと思います。
その理由は、跳躍のメロディが多いからです。
しかも、ハイトーンからロートーンまで1フレーズで吹かなければいけません。
金管楽器で跳躍というのはとても難しいので、音を外す確率が高くなります。
また、他のマーラーの交響曲ではトランペットやホルンは5~8人くらいいるので、吹くところも分散されます。
マラ7では、ホルン4人、トランペット3人と普通の編成なので個人の負担が大きいんです。
その点でも大変な曲だということがわかります。
しかし、読響の金管奏者はとてもレベルが高いので、あまり気になるところはありませんでした。
個人的にマラ7の第1楽章は好きです。
あの狂気的な暗さ、中間部の美しさは他のマーラーの交響曲でもなかなか聴けません。
カンブルランの演奏は、楽器のバランスも特徴的で新たに発見することも多かったです。
2楽章以降はわりとオーソドックスなテンポ設定で聴きやすかったです。
2楽章の頭はホルンのどソロ。
今日のホルン首席は日橋さんでした。
彼は1年前まで日フィルに在籍してたんです。
その頃、インキネン指揮のマラ7を聴きに行きましたが、その時もソロを吹いたのは日橋さんでした。
このホルンソロも前述のようにとても難しいんですが、前回も今回も完璧に吹き切りました。
彼ほどのホルン奏者は、今日本にはいないんじゃないでしょうか。
それほど上手いです。
さて、4楽章まではわりと夜の雰囲気を感じさせる音楽なのですが、第5楽章は急にどんちゃん騒ぎになります。
この楽章は勢いに任せる演奏が多いですが、カンブルランはかなり客観的です。
テンポも重厚でマエストーソ感を出していました。
ちなみに最初のトランペットとホルンのコラールは、マイスタージンガーのテーマのパロディです。
それも意識してなのか、堂々とした演奏でした。
さらに面白かったのは、途中のトロンボーンのメロディをかなり抑えて、ホルンのマイスタージンガーのテーマを聴かせたことです。
普通の演奏ではトロンボーンしか聴こえないところですが、ホルンはこんなことやってるんだ!という発見がありました。
筆者としては全体的にトロンボーンが抑えめだったので、ちょっと物足りない部分はありました。
しかし、カンブルランはもともとトロンボーン奏者で、フランスのリヨン国立管などで吹いてたんです。
トロンボーン奏者としての、カンブルランのこだわりがあったのかもしれません。
この5楽章だけ言えば、かなり異質な演奏です。
しかし、全体としてはとても面白く聴けました。
80分がとても短く感じるくらい。
読響もかなりレベルの高いオケなので、安心して聴けますし。
マラ7もマイナーな曲と言われますが、毎年のようにどこかのオケが演奏しています。
3年前には、二つのオケが同じ日にマラ7を演奏するなんてこともあったぐらいです。
もはやマーラーの中でマイナーとは言えないですね。
マラ7好きとしては嬉しいです。
これからも素晴らしいマーラーが聴けることを期待しています。
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