タバコをスモーク系から、電子系のiQOSに変えて随分とたつ。電子タバコなのに、煙草の様なスモーク感が味わえるので、これはこれで、充分吸った気になり、もうスモーク系はちょっと煙いと思う、身体になってしまった。愛煙家の中には、吸うなら吸う、吸わないなら吸わない!と思う方もいる様で、まだまだ、市民権ならぬ、吸民権を得ていないなぁと。個人的には将来的にはこっちになるのではと思っている。

  タバコの煙と言えば思い出すのが「ハーヴェイ・カイテル」という渋い役者さん。主演の「スモーク」でのタバコの吸い方がメチャクチャカッコ良くて、随分と真似したものだ。

  ゲームで言えば「探偵 神宮寺三郎」シリーズ。ハードボイルドアドベンチャーとして、ファミコンディスクシステムで発売された「探偵 神宮寺三郎 新宿中央公園殺人事件」が最初の作品。

  大人の推理もので、兄がプレイしているのを横で観ていたが、小学5年生には少し難しかった。劇画タッチの挿絵で、タバコを吸う神宮寺三郎が、とにかくカッコ良かったと記憶している。

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  オーソドックスなコマンド選択式のだが、難易度が結構高く、大人の兄でも行き詰まる事がしばしば。
ゲームの神宮寺三郎と共に、兄の吸うタバコの量も増えていった。

  推理ものアドベンチャーゲームをやるにあたり「コマンド総当たりは、推理を放棄した真逆のやり方」というのが兄の自論。そんな、推理してナンボ、というよくわからないストイックさを持った兄でも行き詰まる難易度に、タバコとシビレを切らして、総当たりし始める。

  そんなコマンドの中の「タバコ すう」を選択。するとタバコを吸った神宮寺三郎が何かを閃き、独り言を呟く。

  その瞬間「そうだったのかー!」と吠える兄。どうやらタバコを吸う事で、何かヒントをくれる仕組みらしく、そのヒントを基に捜査は進展していった。

  それ以降、兄は頑なに「タバコ すう」を選んだら負けだと言い、行き詰まると自分でタバコを吸い、頭を整理して捜査するという、リアリズムを勝手に導入。横で観ている少年は、猫の手以下の戦力の無さに兄の「タバコ すう」ばかりが増えていった。

  全然タバコを吸えない神宮寺三郎がなんだか可哀想で、1人でやった時に、好きなだけ吸わせてやろうと思い、なんでもない時でも「タバコ すう」で吸わせてやったら「ゲホ、タバコのすいすぎだ」と言われ「しばらくすうのはやめよう」って断られて、少しショックだった記憶があるが、兄の副流煙による影響で、勝手に頭の中で捏造した可能性もあるのでその辺はご愛嬌。(刑事や探偵ではないので、裏どりとか面倒だし)

  最近は、何かと喫煙しにくいご時世なだけに、神宮寺三郎も捜査以上に苦労しているに違いない。

  ヒントが欲しくて「タバコすう」を選択したら「くっ、喫煙所か見当たらない」とか「くっ、iQOSだけOKな喫煙所だ!」とかになったら、ハードボイルドな世界観が台無しになるだろう。

  最後に、iQOSの愚痴をひとつ。吸う時は、喫煙所で吸わなければならない為、喫煙所の副流煙に悩まされながら、iQOSを吸っているときの本末転倒な虚無感は、なかなかのダメージ。