80歳の新人小説家 田中照通のブログ

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コメント下さった方、いいねして下さった方、誠にありがとうございます。

長らくご無沙汰してしまい、大変心苦しく思っております。


誠に勝手ながら、今回は私、著者の娘が代執させていただきますm(_ _)m

と申しますのも、

実は、現在父の7作目の小説が、大変有難い事に、なんと全国出版させて頂く事になりました‼️✨

書名は『慕情の罪』と申します。

全国の有隣堂、紀伊国屋、または個人経営の本屋さん等で、文芸社より2015年11月15日(日)に発売されます。

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また、インターネットからもご購入頂けます。

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父は、まさか80歳を迎えてから若い頃に諦めた夢が叶うとは、想像もしていなかったと申しております。


北海道小樽で母子家庭の一人っ子として育った父は、お小遣いを貰えばその殆んどが映画鑑賞に消えていた程、映画が大好きだったそうです。

そして劇曲の書ける俳優を目指し上京、老いた母を養いながら俳優の勉強をし、舞台俳優として主役を多数任せて頂けるようになるも、家族を養って行けるまでにはならず30歳で断念したそうです。

会社員となり結婚、離婚を経験し、再婚した後、私が産まれ育ててくれました。


私の知る父は、時々会社の部下を家に呼びもてなしている姿や、定年後も新たな職に着き働いているイメージが強いのですが、私もまさか、また新たな、しかも、こんな特殊な素晴らしい仕事に就くとは思いもしませんでした。



妻に先立たれ、子供達は自立し、ゆっくりと年金暮らしをしていた折、今月で傘寿を迎えたと共に、父の第3の人生が始まろうとしているかのようです


小説家としては、まだまだ未熟で支えられてやっと立つ事ができたような状態だと思います。

これから歩いて行く事ができるのか、はたまた転んでしまうのか、そこからまた起き上がる事ができるのか、未知数ではございますが、もう後戻りはせず、残りの人生はただ一心にこの道を歩んで、人生を全うしたいと申しております。


何卒80歳の新人小説家、田中照通をどうぞ宜しくお願い申し上げますm(_ _)m


少しでも興味持って下さる方がおられましたら大変光栄です。


そして、父の小説を通して、また生き様を通して、少しでも多くの方に最後まで生き抜く希望を持ってもらえたら嬉しいです。





『私の心意気?』『俺にはは良く解かる、君の優しさがだよ!』絹子は中杉を見詰めて微笑した。

『忠さん、貴方は私を本当に慰めて呉れている見たいだわね、私はとても嬉しいわよ。・・・だけど私は貴方が思っている様な立派な心意気なぞ有る、そんな女ではないの!貧乏が嫌で、嫌でね。大河原大造の妾に成って暮らして居る様な女、そんなつまらない女なんだよ、私を余り買い被らないで、でも忠さんがねそんなに私の事を褒めて呉れるんなら、大河原が貴方から逃げようとした時・・・私が思わず『あ!』と大声を出して貴方に知らたでしよう・・・あの時の私の気持を話したく成ったわ、だって考えて見れば私達は此れから先、どう成る解からない間柄な、んだよね・・・そんな身の上の二人なのよ!何も心の中のモヤモヤを隠す必要はないじゃないか、其れはつまらない事だよ・・・お互い寂しいのにさぁ・・・そうでしようねぇ、『ああ、然し俺はあの時の君の気持ヲ、あの時の真実を知りたいな』 『そう、解かったわ・・・忠さん!私はね大河原が貴方に刺される前から私の心はすでに貴方に味方していた、あの大河原に向かって必死に話す貴方の言葉にはとても荒っぽいが強く心に迫って来る真実感が有った。私は其れで大河原大造と言う人間を憎らしく成って来たんだ!許せない男だと言う事が、其の時に始めて私は解かったんだ!最低の人間・・・人間のクズだって事が解かった!だから私は大河原大造が一寸の隙を見付けて貴方から逃げようとした、あの時には私は堪らず夢中で大声を出して貴方に知らせた。あの時の私は命がけだったわ、どう思われようと、何と世間から言われようともね、大河原大造と云う男をあの場から外へは逃がしたくなかったんだ!此れがあの時の私の気持よ、此れが貴方が知りたがっている真実なのよ』

『うん、良く分かった.感謝する。若しもあの時に大河原に逃げられた事を考えると・・・俺はぞっとするんだ俺はもう諦めて其の場で自害したかもしれないんだよ、君は俺の命を救ってくれた・・・感謝してる』

『そんなに感謝されてもね・・・私は馬鹿な女だと思うわよ、貴方には本当に悪いとは思うけど、然し貴方とは此れで別れ別れに成る身だから言わして貰うけど・・・怒らないで』『ああ、俺に言いたい事が有るんなら遠慮うは要らないよ、怒らない君は命の恩人なんだ』『じゃ、その言葉に甘えて云わして貰うけれど・・・

貴方は此の先、何にも先の見えない真っ暗闇の男だよ、そんな先の見えない真っ暗闇の男を命を掛けて私は真剣に庇ったんだ。・・・親が生きて居たら私はどう仕様もない、親に心配をかける、親不幸者の馬鹿娘さ、だってそうでしよう・・・・庇ったところで庇いがいの何も無い男をさ、命がけで私はね、私は庇ったんだ』絹子はコップにビールを並々注ぎ一息に飲み込んだ。そうして大きく息を吐き捨て、又先程と同じ様に己を嘲笑うのだった。中杉は絹子見て何事も承知の上で庇った、女のやり切れない哀れさを感じたのである。『うん、親が生きて居ればね、こんな俺なんかには見向きもしない俺をし、まして庇うなんて事は出来なかった筈だよ,解かる良く解かる、其れは辛いだろう』

其の仲杉の慰めの言葉に絹子はハッとやけくそに成っている自分に気が付き一寸言い過ぎたと己を反省するのだった。・・・・・・・第七 話 につづく

中杉は其の絹子の態度を見て己の張詰めていた気持が一寸和らぎ何故か?絹子に何とも言い様の無い親近感を不思議と感じて来たのである。 『あんたは・・・似てるな』 『何がさ』 『俺と同じだ…身の上がだよ』 『ふん…そうかい、お兄さんも親はもう此の世には居ないのかい』 『ああ、そうだよ…お姉さんよ』 『何だい』 『此れじゃ、寝れないよな』 『当たり前でしよう』 『要し、分かったよ,命がけで俺を助けてくれた御礼に片付けてやるよ,其の替わり俺との貸し借りは此れで帳消しにして貰うぜ』 『ああ、其れで良いよ綺麗に片付けてさえ呉れればね』 『分かったよ、お姉さんもひっこいな、片付けるから後は何も云うなよ』其の後二人は何も言葉を交わそうとはせず無言で大河原の死体を綺麗にしてパジャマを着せて押し入れの中に隠したのだった。 其れから二人は汗をびっしょり都かき乍ら念入りに二時間余りの時間を費やして何事も無かったかのように玄関口を元通りに綺麗にしたのである、絹子はびっしりと汗のかいた自分の上着を脱ぎ捨てて洗濯機の中入れると始めて中杉に話しかけたのだ。

 『お兄さんの名前、未だ聞いてないわね、誰にも言わないから私に教えて呉れない、名前くらい良いでしよう』 『 ああ、俺は仲杉忠雄だ』 『そう、、分かった…安心しな誰にも話さないから…私は田代絹子、それじゃね、早速貴方の名前を呼ぶわよ,良いt』 『ああ、俺は仲か忠で良い』 『そう、、じゃ忠さんって云うわね、上着脱いで洗濯して上げるから、此の儘じゃどう仕様もないでしよう』 『済まない』 『良いわよ、早く脱いで』 絹子は洋服箪笥を開けて男女の新品の下着を用意するとお互いの汗臭い衣類を残らず洗濯機に入れて洗い始めたのだ、その間に交代で風呂場に行きシャワーを浴びて身体の汗を流しお互いがさっぱりとしたのである。…時計の針は朝の五時を指していた、絹子は冷蔵庫を開けて冷たいビールを持って来てコップに注いで仲杉に差し出した。 『喉が渇いたでしよう、、どうぞ 』 『ああ、有り難う』 絹子が先に飲むと仲杉も飲み、お互いに渇いた喉元を潤したのである。一息入れると仲杉は無言で目の前に有る金の入った黒いビニール袋を開いて金を数え始めたのだ、数え終った仲杉爬ふと呟いた。

『大河原の云った通り丁度一億円有るな』 『一億円…そんな大金を一体何に?』『分からん、大河原と其の場のやり取りで言ってしまった事だよ、俺は金目当で大河原を殺しに東戸塚まで来たんじゃないんだ』『ええ、其れは直ぐ解かったわよ』 『そうかい、解かったのかい、あんた』 『ええ、何よ』 『そう、然し…あんたは俺と似てる、餓鬼の頃の環境もお互い似てるんじゃないか、そんな気がするよ、あんたの気持が俺には良く解かる様な気がするんだよ』 『そう、だけど私にね、…さんずけはいいから、あんたなんて云わないで、君とか、絹子とかと言ってよ私は忠さんと言って貴方の名前を呼んでいるんだからさ、解かる』『ああ、解かった』 『もう、あんたとか、其処の妾なんて云う呼び方はしないでね、お姉さんではなく、君とか絹子と云って、呼び捨てで良いんだからさ』 『うん、解かったよ、其の事はね』 『其の事、別に何か有るのかい』 『うん、有るんだ、其れはあんたのね』 『あんたではないでしよう 『ああ、失礼した御免よ。

実は君のね、君の飾りっけの無い心意気が堪らなく本当に俺は好きだな、気に入ったよ、嘘じゃない』

仲杉は絹子の外見の美しさもあるが,其れよりも絹子の心根に強く魅せられたのである。 第六話に続くく、く

要し!おい!其処の金庫の中に一億円あると言ったな、其処に座っている大河原の妾!金庫から有るだけの金を袋に入れて俺の前に持って来い!此の金は母親の慰謝料として全部息子の俺が貰って行く、文句あるか、どうなんだ、俺の母親は手前から病院にかかった費用は貰ったが慰謝料としては何も貰ってないんだ!そうだろう、直ぐ答えろ!おい!早く答えろ、糞!』

『分かった』

『分かった!おう、物分かりがいいじゃないか、じゃ、此処で一筆書いて貰うか、慰謝料として支払ったという書類を、金額は金庫の中にある金、そっくり一億円だ!肝心な事は名前の下に認印を押すのを忘れちゃ困るぜ、国会議員さんよ、分かったか!分かったら、早速金庫の開け方を側に居るお前の妾に教えろ!便箋と認印のあり場所も一緒にな、手前は此処から一歩も動くな!いいか!早く教えろ!おい、妾!開け方を間違うな!』            その場にじっと座っていた絹子は直ぐ大河原から金庫の開け方と認印、便箋のある所を聞いて教わると直ぐに金庫を開けて大金を大きな黒いゴミ袋に詰め込んだ、其の後に便箋とボールペン、認印を持って来て仲杉の指示通りに大河原の前に置くと直ぐに又、仲杉の側に座ったのである。

眉間に皺を寄せて大河原はボールペンを持って便箋に書き始めた、そして書き終ると認印を押して仲杉に手渡したのだ。受け取った、慰謝料と書き記してある其の書証を仲杉は顔を顰めて注意深く見ていた其の時だった。

大河原は其の隙を見て畳に突き刺さっているジヤックナイフを素早く抜き取り、外へ逃げ様としたのだ、絹子は「あ!」と大きく声を出して何故か?それは一体どうしてなのかは解らぬが仲杉に知らせたのである。

其の為に大河原は玄関口のドアーに手が掛かったと同時に仲杉の右手が大河原の襟首に届いていたのだった、大河原は振り返えるなり『くそ!』と声を出して力任せに仲杉の右手を振り払い『此れは正当防衛だ』と吐き捨て強力な武器と成ったジャクナイフを右手に握りしめると大河原の本来持っている本性が此処でむき出しに成って現れて来たのである。

鬼の様な形相をして先ず絹子に噛み付いた。

『絹子!貴様は!出て行け、もういらん!』

と怒鳴り、直ぐに刃先を仲杉に向け勢い良く向かって来たのである、仲杉は素早く身体を交わして大河原の右手を強く蹴り上げてジャックナイフを真下へ落として取り上げる事が出来たのだった。すると大河原は怯んでズルズルと後退をしだしたのだ、仲杉はじわじわと追いかけて行き虫けらを刺し殺す様に無表情で心臓を目掛けて思い切り突き刺したのである。玄関口のドアーの前は大河原の血で見る見る内に真っ赤に染まった、やがて大河原はその場で悶え死にしたのだ。

仲杉はゆっくりと立ち上がり棒立ちの儘『此の次は東恒夫だ!』と呟いた。

そして此の有様を始めから目の前でじっと見ていた、絹子に問うたのである。

『おい、声を出して俺に知らしてくれたな、どうしてだ?妾!お前に借りをつくったな』

『そうかい、そう思うのかい、ふん、お兄さん、今はそんな事より此処を早く何とかしなくては見苦しいじゃないか、私の事は其れからでも遅くはないよ、早く此処を綺麗にして此の下らない男を何処かに移動しない事にはどう仕様もないわね、一時の間は押し入れの中にでも放り込んで置いとくしかないわ』

『無言』

『お兄さん!私の事も少しは考えてよ、私は未だ此処に寝泊まりしている女なんだよ、此れじゃどう仕様も無いじゃないか』

『今更じたばたしたって始まらないんだ』

『取り敢えずだよ』

『だけど、どうして俺をそんなに庇うのだ』

『そんな事は後でと云った筈よ』

『然し、俺に手を貸す様な事をしたらな、お前も一緒の仲間と見られるぞ、そう成ったらどうするんだ、馬鹿らしいだろう』

『ふん、いいのよ、どうせ私もお兄さんと同じね、どう仕様もない身の上なんだよ、私が死んだって泣いてくれる様な、そんな気のきいた人間は誰も居ない、どう生きようと、例え死のうとさ、一人ぽっちさ、だから此処はね、私の好きにさせて貰いますよ、お兄さんが私に恩を着る事は何もないんだ、私がね、どう云う風の吹き回しか知らないが、風の吹き様うが一寸変っただけだよ、それだけの事さ、私の事なんかを、お兄さん、何も心配しなくたっていいんだよ、そんな事を、だからね、安心しな』

絹子はそう云うと、涙がこぼれ落ちて来るのを上を向いて隠す様なそぶりをして己を嘲笑うのであった。
第5話へ続く

『おいーお前の故郷山梨で昔な・・・お前さんのだ、選挙応援を宣伝カーに乗ってやっていた仲杉美津子の息子だよ』

『中杉美津子』

『何だその顔、驚いたのか・・・思い出したか、お前は選挙中に俺の母親を犯したろうーどうだ違うか、違わないだろう、気が付いた時には妊娠3カ月だ、どう仕様もなく掻爬して流した、お前の言う通りにな・・・殺してしまったんだよー自分の腹の中の児をだ。ええ、聞いているのか大河原ー其れはお前の子だろう、生きて居れば俺とは種違いの児だ・・・其れからだ母親の身体が弱って一年も経たない内に天国へ逝ってしまったんだ。・・・お陰様で俺の人生はめちゃめちゃー大河原,手めいにはまだある。俺が餓鬼の頃に親身に成って可愛がってくれていた渋谷道玄坂のスナック「峰」のママ須田峰子も俺の母親と同様に犯してるなー然も男二人でだよ・・・睡眠薬を飲まして無抵抗にして置いてから交互に東恒夫と言う男と二人でなーどうだ違うなら違うと言って見ろ・・・どうしたんだよ・・・云えー云えないのか、東恒夫は自首して二年間は刑に服し刑務所から出て来たが手めいは無実かよー嘘付けー警察を舐めやがって東恒夫の居所も調べて有るんだ、何とか云えよー答えられないのか・・・獣・・・そう言うのを四足って云うんだ、人間じゃない動物だと言っているんだよーお前には永久に解らない言葉だよなー此れからお前は一体どれだけの女を騙して泣かせれば気が済むんだよー其処に座って居る女はお前の妾か、此れもいずれは飽きて捨てるんだろう、お前さんのやりそうな事だーお前の故郷の山梨県ではな・・・お前の居ない家を何も云わずに守っ居るお前の女房は馬鹿か、ええー其れとも都合の良い仏様かよー山梨県ではお前の女たらしは誰もが知っていて目をつぶって知らぬ振りをしているだけなんだ、貧乏人は金の力には弱いーだからお前みたいな人間が平気で害毒を弱い所へ流しやがる・・・糞・・・土地と金ばかり矢鱈に持ちやがってーおい、大河原・・・俺は児童施設に預けられて育った男だよ、二十歳に成って社会に出てからはなー俺は刑務を何度も出たり入ったりして来た男だー今更真面目に生きる気は更々ないがお前見たいに卑劣な手を使ってまでして女を騙す、お前の様なそんな悪党じゃないんだ。いいか、お前見たいな真似はしなかったと言って居るんだ、此の野郎ー馬の耳に念仏かーもう良い、言いたい事が有るか、有るなら言って見ろ、一応聞いてやろうじゃないか、ええー』

仲杉は此処で大河原大造の口から一体どんな言葉が返って来るのか問い質して見たいと思ったのである。

『君は歳・・・幾つだ』

『うん、其れがどうした』

『未だ若そうじゃないか、君のお母さんには悪い事をした.謝るー許してくれんか』

『泣き落としかよ』

『いや、違うー墓は何処だ』

『そんなもんあるか』

『お寺に預けた儘か』

『ああ、そうだよ、其れがどうした』

『要し、其れではわしにも良心が有る。若気の居たりだった、わしは今六十二歳二成ったーわしが墓を建ててやる。スナックのママも一緒になーだから後で後悔する様な馬鹿な事は起こすなー君は未だ若い、わしが此れから先の面倒を』色々と見てやっても良いんだぞ』

『笑はせるなー悪党のくせに往生際が悪いじゃないか、俺がそんな甘い言葉に乗るとでも思っているのかー馬鹿野郎ーお前見たいな奴に甘い顔を一寸でも見せられないと言う事が此れで良く解ったよ。

第4話へと続く


『要し、心変りしたら其の場で殺すぞ、どうせお前も真面な人間じゃないのだろう、俺は見れば直ぐ解る、おい 、いいな、従うか其れとも早く死にたいか』

『解ったわよ』

『要し、大河原大造の居る部屋に俺を連れて行くんだ、そうしたらなお前の命は助けてやる、お前には何の関係もないからだ、そうだろう。可愛い顔をしやがって此の擦れ枯らしが』

絹子はその言葉を聞いて密かにせせら笑いを浮かべた…が、直ぐに真顔に成って頷いたのである。その態度を横目でチラと見た仲杉は、要し此の女を徹底的に利用してやろうと言う気に成ったのだ、此の女をどうこう考えるのは先の先で十分だと思ったのである。

仲杉は絹子に指示した、絹子は頷き無言で指示通りに大河原大造の居る部屋の前へ連れて行くと此処だと指で指示して教えたのだ。

『馬鹿野郎、お前が先に入るんだ、入ったら其の場に座った儘、其処を動くな、変な気持を持って動いたら其の場で殺すぞ』

絹子は無表情で頷き部屋の襖をゆっくりと開けた、大河原大造は振り返って絹子を見ると直ぐに尋ねた。

『絹子、宅急便の品物は何だ?』

『宅急便の品物は此の俺だよ』と叫んで顔をみせた。

『何、何だ、お前は』

『悪党、舐めるな』と怒鳴るやジャックナイフを懐から出していきなり大河原大造の胸元に突き付けたのである。…そして暫しの間・・・仲杉は一歩も動かずにじっと大河原大造を睨み付けていた、その異常な程の殺気に大河原大造は己の身の危険を感じるのだった。

『目的は何だ、金か、金ならその金庫の中にある、現金を銀行から下ろして来たばかりの政治資金だが欲しければ持って行け、俺の命と引換えに全部くれてやる。・・・一億円だぞ。其れで良いんだろう、用が済んだら早く帰ってくれ、俺は忙しいんだ、目的は金何だろう、金が欲しいんだろう、君は』

『おい、俺を舐める。単なる金欲しさの強盗とは訳が違うんだ』

『何?』

『それが知りたいのか、国会議員の代議士、偉そうに成りやがって糞たれ、知りたければ冥土の土産に教えてやろうか…ええ、此の野郎』と仲杉は罵声を浴びせ、そしてジヤックナイフを畳に突き刺したのだ。

第3話へと続く・・・・

真夏で夜の九時過ぎに土砂降りの雨の中を仲杉忠雄は東戸塚駅を下車して東口の方に向かう途中コンビニに立ちよりワンカッブの酒を買って外に出るなり其の場でいきなり、ぐいと一気に飲み干し空の瓶をゴミ箱目がげて無造作に放り投げたのである。  

そして『要し、此れからだ』と呟いたのだ。其の表情の鋭さは人を寄せ付けない程の異常差を感じさせるものがあった。何故なのか? 

其れは今から二十何前に山梨県の代代続いている大地主の一人息子である、大河原大造に母親の仲杉美津子が力尽くで強引に犯されたのである。 

そして其の後に母親が妊娠した事を知った大河原大造は人工妊娠中絶と言う子宮腔内面を器具を使って元気に生育している児の骨を掻き毟り粉々にして血液と一緒に除去して流してしまう掻爬と言う手術を仕方なく認めたのであった。

その大河原大造は現在国会議員で山梨県では名を知られた人物に成っていたのだった。

其の大河原大造を殺害する為に東京渋谷の道玄坂から電車に乗り東戸塚駅に来たのである。東口駅前の一寸先の高台には大河原大造の住んでいる高級マンシヨンは聳え立っていた。中杉忠雄は其の高級マンシヨンのエレベーターを利用して十二階迄上がって行ったのだ、そして大河原大造の居る部屋のドアーをノックしたのである。

『立川急便です。大河原大造さんは御在宅ですか』

『はい、はい』

『居られますか』

『はい、居りますが一寸お待ち下さい』

愛人の田代絹子は言葉が一方的なので一寸首を傾けながらも大河原大造の部屋に行き宅急便が来ている事を知らせに行ったのだ。大河原大造から『うん、分かった』と言う返事が返って来たので絹子は玄関のドアーを静かに開けた。すると同時に仲杉忠雄はずかずかと土足で部屋に入り絹子の首元にいきなりジャツクナイフを突き付けたのである。

 『声を出すな、黙って俺に従えばお前の命だけは取らない。早く答えろ、従うのか従わないのかどつちだ』

『息が苦しい、苦しいの、だったら一寸私からはなれてよ』

続く

私は現在78歳で年金暮らしでどうやら生活が出来ていられる身分で御座います。 


年寄りの趣味として2,3年前から小説を書いて居りますが、幾ら書いても然るべく大手出版社からは未だ に相手にされておりませんのですが好きな己の道なので馬鹿だなぁと思ってもやめられません。

何方かは私の小説を真剣に読んで下さる人が此の広い世界中に一人位は居らっしゃるのではないかと言う夢を捨て切れないのです。其の為に浮世の辛さ、又楽しさを味わいながら生きております。

 

私が、 今書いている小説、此れからも書き続けるテーマはどれも同じであります。 小説の中に登場する 

一人の人間が人生のどん底から立ちあがる、其の生き様をリアルに描き表現しようと思うのであります。 

若しご興味を頂けるなら誠に嬉しく幸甚と思う次第で御座います。 一人でも居られれば私は今執筆中の小説の初めから少しずつですが最後までをブログに載せるつもりですので御知らせを頂ければ天にも登るが如き私の喜びとなります。