お弁当アーカイブ ☆彡(0028) 枸杞の実

枸杞の実を入れたご飯を炊きました。

枸杞の実は、漢方薬ブームで頻繁に採取されて数が少なくなってしまいました。栽培は韓国が多く、沢山の栽培品種があり、土地の環境に適した品種がそれぞれあります。日本では各地に自生はしています。

北アメリカなどにも移入され、分布を広げています。ウルフベリー、ゴジベリーと呼ばれています。和名の「くこ」は、漢名の「枸杞」に由来し、中国の古書に「枸橘(カラタチ)のような刺があり、杞柳(コリヤナギ)のように枝がしなやかに伸びるので、枸杞と名付けられた」という記述があります。地方によっては、カラスナンバン、カワラホウズキ、ノナンバンなどと呼ばれています。英名のゴジベリーの名が逆輸入されて日本の園芸店でゴジベリーの名で流通するようになりました。

中国の寧夏回族自治区に大規模な枸杞の実の産地があり、青海省から山西省にかけてナガバクコ(Lycium barbarum L.)が自生しています。中国産はクコ(Lycium chinense Miller)とナガバクコ(Lycium barbarum L.)で、韓国産はクコ(Lycium chinense Miller)が枸杞の実(枸杞子(クコシ))の原料となるが、見た目や味で枸杞の実の産地や種類を見分けるのは難しいでしょう。

私が初めて枸杞の実のふさふさとなっているのを間近に見たのも、寧夏回族自治区の宿舎の庭でした。現地の人たちの生活の場にはいつも枸杞の実が置いてありました。1981年、中国の歴史時代に発生した大規模地震の遺蹟を調査するために、私は寧夏回族自治区を訪れました。回族はイスラム教徒です。草原で育てられた羊の肉がとても香ばしくて美味しいと思いました。その食事の後には枸杞の実や枸杞茶がありました。

枸杞の実は杏仁豆腐やヨーグルトのトッピングに使われることが多く、薬膳として粥の具にもなります。有用植物で、葉や果実は食用、茶料、果実酒などになり、果実、根皮、葉は漢方薬に用いられます。枸杞の果実は枸杞子(クコシ)、根皮は地骨皮(ジコッピ)、葉は枸杞葉(クコヨウ)と呼ばれる生薬です。日本薬局方では枸杞子(クコシ)(乾燥した果実)と地骨皮(ジコッピ)(乾燥した根皮)の2品が医薬品として収載されています。主要成分はアルカロイドのベタインです。


枸杞垣の似たるに迷ふ都人          蕪村
枸杞の芽や童駈け来る磯の糶       羽田岳水
枸杞飯やわれに養生訓はなく       山口青邨
枸杞青む日に日に利根のみなとかな    加藤楸邨

枸杞の実を三粒載せたるヨーグルト    かずモン
枸杞摘むや買物帰りの土手の道