時間が1997年の10月に戻ります。

現在シリアは旅行できない国の1つとなっています。

内乱とイスラム国と名乗るテロリストがシリアを悲劇の国にしてしまったようです。

そんな中で、シリア人の芸術家が国から命からがら逃げて、

他国に住んでいるという状況で、とても胸の痛い話を聞かされることがあります。

昨年、知り合いの女優さんがシリア人の戯曲家の作品を舞台で上演しました。

その時にシリアについて聞かれたことが有ります。

勿論、私はシリアにちょっとだけ観光に行っただけで、住んでいた訳ではありませんので、

説明するのがとても難しかったのですが、人が優しかったことが特に印象に残っています。

その優しかった人たちが今はどんな生活をしているのか、

それこそ生きているのか?という暗い発想までしてしまいます。

世界は今コロナウィルスの流行で、シリアの話どころではありませんが、

今もまだ病気以上に変わってしまった祖国を悲しむ国民がいると言う事を思い、

23年前にタイムマシンで戻ってみようかと思います。

 

 

成田空港から乗った飛行機はパキスタンエアー。

当時は面白い事にチケットの名前は男性の名前(笑)。

座りたい席はチケットを交換してという、何と言うアバウトな航空会社です。

予約を入れた段階で席を埋めて行くというシステムなのかどうかはわかりませんが・・・。

と言う事で、このPIA(パキスタンエアー)に乗ってパキスタン経由でシリアに向かいました。

 

 

先ず最初に訪れたのは、首都のダマスカス国立博物館。

地元の学生が、勉強の為に博物館を訪れていました。

しっかりした生地の制服?兵士の軍服に近い服を皆さんが来ていました。

 

 

中学生くらいだと思うのですが、既に私の身長も超えそうな位、皆背が高かったです^^;。

 

 

中での写真撮影は禁止されていましたので、外側から撮影を。

 

 

アゼム宮殿です。

1749-1752年オスマン朝ダマスカス知事のアル・アゼム氏が建てられました。

現在、民族博物館として一般に公開されています。

トルコ風建築で内部はアラブの寺子屋やメッカへの巡礼の様子や、

寄木細工の楽器やシリアの工芸品全般など多岐にわたる品々が展示されていました。

 

 

次に訪れたのは、ウマイヤドモスク。

世界最古のモスクだそうです。

ウマイヤ朝第6代カリフのワリード1世によって、705年に建設されました。

 

 

こちらはモスクの正面になります。

楽園というモザイク画が建物の壁面に大きく描かれています。
モザイク画が多用されているのも特徴の一つですね。

 

 

奥に見えるのがイエスのミナレットです。
高さが77mあり、3本のうちで一番高いミナレットになります。
モスクでイエスの名が出てくるのも変な感じがするのですが、
キリスト、ユダヤ、イスラムは伝説が重なる部分も多い為なのだそうです。

尚、入場する際に女性は黒い長衣アバヤを借りて着用しなければ中に入れません。

入り口の所で借りる事になります。

 

 

流石にとっても広い中庭ですね。

 

 

中庭の真ん中に有るのが水場です。

イスラム教徒は日本の神社以上に手だけではなく足などあっちこっちを洗ってから、

祈るためにモスクに入ります。

この付近は大理石の床に模様が入っていて美しい景観が見られます。

 

 

モスクでありながら、ステンドグラスが綺麗に見られます。

 

 

スークの中、奥行き137mととても長く、床には赤い絨毯が敷かれています。

若干見難い写真になってしまっていましたね。