自民、地方選に危機感…逆風収まる気配なく県議らから「首相退陣論」も

2024/06/08

https://img-s-msn-com.akamaized.net/tenant/amp/entityid/BB1nPHil.img?w=358&h=400&m=6&x=87&y=71&s=133&d=48

首相官邸に入る岸田首相(7日)=川口正峰撮影

首相官邸に入る岸田首相(7日)=川口正峰撮影© 読売新聞

 自民、公明両党が沖縄県議選や東京都知事選などの大型地方選に危機感を強めている。結果が岸田首相(自民総裁)の政権運営に大きく影響するとみられているためだ。これまでも地方選での敗北が続き、自民の地方組織からは首相の退陣論も出始めているため、総裁選でカギを握る党員票の獲得が危ぶまれている。

 「これまで行われた地方選は国政の議論、国民の関心が少なからず反映された」

 公明党の山口代表は7日の党会合でこう述べ、自民派閥の「政治とカネ」の問題などが選挙結果に影響したとの見方を示した。

 自民は4月の衆院3補欠選挙に続き、静岡県知事選や東京都港区長選などの地方選でも連敗しており、逆風が収まる気配はない。

 7日に告示された沖縄県議選では、自民は公明とともに県議会での過半数獲得を目指すが、世論の厳しい目を受けて表立った支援は控えている。3日に現地入りした小渕優子選挙対策委員長も街頭演説などは行わず、企業関係者らとの面会にとどめた。

 7月7日投開票の都知事選では、自民は3選を目指し出馬する意向の小池百合子都知事を支援する方向だ。ただ、小池氏は依然として態度を明らかにしておらず、支援方法を模索している。すでに出馬を表明している立憲民主党の蓮舫参院議員との対決になる見通しで、自民若手は「注目度が高い首都決戦で敗れれば、次期衆院選に向けて大きな痛手となる」と懸念する。

 都知事選に合わせて行われる都議会補欠選挙は、江東、品川両区や八王子市など8選挙区(欠員各1)で争われる。自民はすべての選挙区に候補者を擁立する予定で、都議会での最大会派を維持できるかどうかが焦点となる。

 山口氏は、都知事選と都議補選が「有権者の意思が表れるバロメーター」との見解を示す。

 こうした中、地方からは首相の交代を求める声も出始めている。5日に青森市内で開かれた政治刷新のための「車座対話」では、県議から「今の首相では厳しい。総裁選で(選挙の)顔を替えるべきだ」との意見が出た。4日の横浜市内の会合でも市議が首相の辞任を求めた。

 秋の総裁選は、国会議員票と同数の党員・党友票などで勝敗が決まる。地方選で負けが続けば党員票の獲得が難しくなり、「再選への道のりは険しくなる」(自民幹部)との指摘も出ている。

 

読売新聞のサイトを見る

移植断念「韓国なら大問題」、あっせん機関トップ語る…人口あたりの臓器提供者数は日本の10倍

自動車産業 下請けへのしわ寄せをやめよ

サイバー防御 インフラを守る体制整えたい