台風14号の被害額、速報値で390億円 百億円単位で増加も2022/10/01

大規模な土砂崩れで路肩が崩落した国道327号=2022年9月21日午後1時14分、宮崎県諸塚村七ツ山、平塚学撮影

© 朝日新聞社 大規模な土砂崩れで路肩が崩落した国道327号=2022年9月21日午後1時14分、宮崎県諸塚村七ツ山、平塚学撮影

 台風14号による宮崎県内の影響について、県は30日、農林水産業や公共土木施設などの被害額が390億8500万円に上ると発表した。県内の被害額が発表されるのは初めて。現時点は速報値で、調査はいまも続いている。県によると、最終的な被害額はさらに百億円単位で増える見込みという。

 被害額が最も大きいのは道路や河川の護岸など土木関係で計254億6千万円。道路・橋関係が686カ所、河川・砂防関係が269カ所など計967カ所が被害に遭った。

 道路関係の被害は、国や県が管理する国道・県道のみで、市町村が管理する市町村道は含まれていないという。県の担当者は「市町村はまだ道路の応急復旧作業に追われている。道路関係の被害額はもっと増えるだろう」とみている。

 農業関係の被害は約70億1200万円。ビニールハウスの倒壊など農地・農業用施設関連が40億4200万円で、野菜や水稲、果実などの農作物は29億7千万円。水産関係は6億3600万円。林地や林道などの森林関係は44億3400万円で、512カ所で倒木や山腹崩壊などが起きた。

 過去20年の県内の台風関係の被害額は、2005年の台風14号が1288億5400万円で最も大きかった。当時の速報段階の被害額は800億円程度だったため、県は「今回の台風は05年に次ぐ規模の甚大な被害になる。そう思って被害の把握と復旧作業にあたりたい」としている。(平塚学)