<京都>情勢一変で「カオス」状態…3陣営の“泥仕合”が激化 2022参院選 激戦区ルポ(日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/22/senkyo287/msg/177.html 2022 年 7 月 06 日

【京都】情勢一変で「カオス」状態…3陣営の“泥仕合”が激化 2022参院選 激戦区ルポ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/307803
2022/07/06 日刊ゲンダイ

京都(改選数2)  


険しい表情を浮かべる立憲民主の福山哲郎候補(C)日刊ゲンダイ

○当選圏内、△拮抗でやや優勢、▲拮抗でやや劣勢。左印は政治評論家・野上忠興氏、右印は政治ジャーナリスト・泉宏氏の予想。

 ◇  ◇  ◇

「どうか皆さん……福山哲郎を助けて下さい!」

 気温35度超えの猛暑日だった2日夕、京都タワー前で険しい表情を浮かべて福山が訴えていた。声はかれ、顔は日焼けして真っ黒。スーツに身を固め、額は汗でグッショリだ。

 東京選挙区から出馬中の蓮舫参院議員、比例出馬の辻元前衆院議員、枝野前代表が応援に駆けつける中、約1000人の聴衆を沸かせたのは、福山の維新批判だ。維新の松井代表の「ぬるま湯の自民をピリッとさせる」という得意のフレーズを引き合いに出し、こう絶叫した。

「ピリッとさせるって、何やねんそれ! ワケ分からんやろッ! そんな生半可なこと言ってるから野党か与党か分からないんですよ!」

 さらに、「大阪の改革を京都で」と訴える楠井陣営を念頭に「京都のことは京都で決めましょう!」と声を張り上げた。

 改選数2の京都は、序盤こそ自民の元京都市議・吉井が優勢で、残る1議席を福山と楠井が争う構図だったが、中盤に情勢は一変。楠井が支持を伸ばす一方、吉井が沈み始めた。3陣営が横一線となり、“泥仕合”が激化している。

「自民大慌て」「維新ケンカ腰」  


オラつく吉村洋文大阪府知事が前に出すぎ(後方が、日本維新の会・楠井祐子候補)/(C)日刊ゲンダイ

 福山の演説の約2時間前、同じ場所には岸田首相が吉井の応援に駆けつけた。“台本通り”の岸田演説はともかく、約1200人の聴衆をどよめかせたのは、急に「維新批判」を始めた参院議員の西田昌司府連会長だ。

「維新はさかんに大阪での改革を京都でも実現すると言っている。しかし、彼らがやったことの中身は人減らし。その結果、コロナ禍で死亡者が一番多かったのは大阪じゃないですか! 京都を維新の手に渡していいんですか!? なんで間違った改革を京都でやろうとするのか。断じて京都人として許すことができませんッ!」

 そして、福山の決めゼリフをパクるかのように「京都のことは京都で決めよう」と語気を強めると、聴衆から「その通りだ!」と声が上がった。陣営が維新批判を始めたのには理由がある。

「自民の調査では、公明支持層の約4割が維新に流れている。どうやら公明は劣勢の兵庫選挙区で維新に支援してもらう見返りに、京都では票を分ける“密約”を結んだようだ。自民陣営は大慌てです」(地元関係者)

 立憲、自民両陣営からディスられる維新もケンカ腰。公務そっちのけで吉村大阪府知事が頻繁に楠井の応援に入り、2陣営を猛批判だ。

 雨が降りしきる3日昼、京都市内の商業施設入り口で、吉村はガラス張りの街宣車の窓から身を乗り出す“箱乗り”状態で「自民はぬるま湯」「立憲は批判だけ」と言いたい放題。

 オラついた表情で語る吉村に「かっこいいー」「吉村さーん」と黄色い声援が上がったが、肝心の楠井本人は終始、後ろで手を振っているだけ。タスキがなければウグイス嬢と見まがうほどだ。維新関係者からも「投票用紙に『吉村』と書く人が出てきそう」と不安の声が上がる。

 3位に沈むのは誰か。情勢は混沌としている。

(取材・文=小幡元太/日刊ゲンダイ)

 

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