高井 章博さんFBより

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今回の広島の土砂災害は、恐らく人災だと思う。巷では、避難勧告が遅かった、とか、首相がゴルフをしていた、とか、被災地の一部について警戒区域の指定が遅れていた、といった話が飛び交っている。確かに、そういったことも、問題ではあろう。しかし、問題の本質は別のところにあると、私は思っている。災害問題や地質、不動産といった分野に詳しい人たちの話をきくと、どうも今回の被災地の多くは、本来人の住むべき場所ではないらしい。花崗岩が風化した「マサ土」が中心でそもそも崩れやすい地質であり、「土木学会」も土砂災害などの危険性が高いと以前から警告していたという。1999年にも近隣で大きな被害が出ているが、それ以降も、この種の危険な場所で宅地開発が進んでいるという指摘もある。こういった話を前提に、現在、批判の矛先は、そういった宅地開発を防げなかったり、防災対策を講じられなかった「広島市の無策」に向けられている。しかし、よく考えた方がよい。現実問題として、広島市が何かできたであろうか?これほどの大規模な災害は、少々斜面地をコクンリートで固めたぐらいでは防げるものではない。しかも、開発行為で人為的に削り取られた崖が崩れた、というわけでもなく、地質が原因で、普通の樹林地が崩落して土石流の起点となっているのであって、これは防ぎようがない。もし、今回の被害を防ぐ方法があったとしたら、それは、「そこに家を建てさせない」ことだけだっただろう。しかし、そんなことが広島市にできただろうか?わが国では、憲法第29条に規定される「財産権」を金科玉条として、不動産利用の規制をすべて「憲法違反だ」と決めつける風潮が、特に保守層において強い。本来は、災害予防を目的とする規制は、同条第2項の規定により、「当然に受忍されるべき規制」であって違憲ではないとされている。しかし、滋賀県の「流域治水の推進に関する条例」における罰則付き建築規制の条項が、憲法に保障された財産権を著しく侵害するものとして、政権与党に所属する政治家や保守系首長らより猛反発を受け、事実上「骨抜き」にされてしまったことを見ても、この種の規制の実施がいかに困難か、ということは明らかであろう。「先祖伝来の土地」などという言葉が、いかにも正統性を持つように語られるが、歴史を遡っていけば、そもそもの土地所有の始めは、民主的でも何でもない、力での囲い込みである。先祖が切り取った土地で金儲けしたいという人たちが、政治権力を握っている限り、今回のような災害はなくならないのではなかろうか。

「蛇落地悪谷」と呼ばれていた広島・土石流被災地―蛇が降るような大雨たびたび

http://www.j-cast.com/tv/2014/08/26214022.html

2014/8/26 11:03


広島の土砂災害発生から1週間がすぎ、死者は58人となった。行方不明28人の名簿がきのう25日(20148月)に広島市から公表されたが、うち20人が安佐南区八木の人たちだった。八木地区を「とくダネ!」が尋ねると、昔の地名は「蛇落地」、激しい水流を描いた絵も残っていた。災害に対する先人の教えはなぜ消えてしまったのか。

地名が変わり忘れられていった先人の教え


崩れ落ちて形が変わった山を眺める住民たちは「20年住んでいますが、こんなことはとても思わなかった」と話す一方で、山肌を指さしながら「あそこが水の通り道だと聞いていましたね」と語る。一帯は「蛇落地悪谷」(じゃらくじあしだに)とよばれていたという。

不動産価値の思惑


平野孝太郎さん(71)は「昔は蛇が降るような水害が多かったので、悪い谷・悪谷と名がついたそうです。八木蛇落地悪谷が八木上楽地芦谷と改名され、さらにいまは八木だけが残ったようです」という。名前が変わるうちに「土砂崩れ」の教訓も忘れ去られたらしい。 130年つづく浄楽寺の住職によると、竜がいて、その首をはねたところから「蛇落地」とついたという。「竜は水の神で、水害を収めたということかもしれません。記録にはないが、語り継がれてきました」


近くの光廣神社に残る絵には、竜を討伐した武将のかたわらを激流が走る。こうした伝えは水害への警戒を促すと解釈できる。

川の氾濫避けて山側にベッドタウン


不動産業の男性は、川の堤防決壊で水害に見舞われたことで「川を避けて山側に宅地開発が進んだこと」をあげる。やがてベッドタウン化し、これにますます拍車がかかった。「山から水が出ることはあったかとかもしれませんが、あまり認識されず、山より川の方が怖いと考えられてきました」という。100年以上起きなかった土砂災害より、頻発する川の氾濫を目が向いたともいえる。


司会の小倉智昭「地名にはいわれがありますからね。最近は緑とか幸せとかの明るい地名にします」


梅津弥英子アナ「イメージをよくしたい気持ちも理解できますけど…」


菊川怜キャスターは「不動産価値の問題もありますね」と考え込む。


コメンテーターの中江有里(タレント)「先人の伝えを実感をもってつないでいく難しさ。そこは考えないといけませんね」


安田洋祐(経済学者)の「今回の災害で次の災害を防ぐ方向にいってほしい」という言葉がみなの気持ちを語っていた。