映画『のぼうの城』



13分特別映像『でくのぼうの奇策篇』


http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=A3NV6wxP0PU


のぼうの城』(のぼうのしろ)は、


和田竜による日本歴史小説


和田竜の小説家デビュー作であり、第29城戸賞2003)

を受賞した脚本『忍ぶの城』を、映画作品を前提としたノベライズ

として自ら執筆したもの。

表紙イラストはオノ・ナツメが担当している。


139直木賞2008年上半期)ノミネート、2009

6本屋大賞2位。

201010月時点で累計発行部数70万部を突破。


 周囲を湖に囲まれ、浮城とも呼ばれる忍城(おしじょう)

領主・成田氏一門の成田長親は、領民から「でくのぼう」を略して

のぼう様」と呼ばれ、親しまれる人物であった。


  天下統一目前の豊臣秀吉は、関東最大の勢力北条氏


小田原城を落城させんとしていた(小田原征伐)。

  豊臣側に抵抗するべく、北条氏政は関東各地の支城

城主に籠城に参加するよう通達した。

  支城の一つであった忍城主の氏長は、

北条氏に従うように見せかけ、裏で豊臣側への降伏を内通し、

籠城作戦に参加していた。


 「武州・忍城を討ち、武功を立てよ」秀吉にそう命じられ、石田三成

成田氏が既に降伏を決めているとは露知らず、戦を仕掛けんとする。

  城はすぐに落ちるはずだった。

  だが、軍使 長束正家の傲慢な振る舞いに怒った総大将・長親は

「戦」を選択した。当主・氏長より降伏を知らされていた重臣たちは、

初め混乱するが覚悟を決め、かくて忍城戦は幕を開けた。


  三成率いる2万超の軍勢に、農民らを含めても2千強の成田勢。

  総大将たる長親は、将に求められる武勇も智謀も持たない、

その名の通りでくのぼうのような男。だがこの男にはただ一つ、

他人に好かれる才能、特に異常なほどの民からの「人気」があった。


 地の利と士気の高さから、緒戦は忍城側の圧勝であった。

 三成は、近くを流れる利根川を利用した水攻めを行うことを決定する。

総延長28キロメートルに及ぶ石田堤を建設し、忍城は本丸を除いては

城下を含めて水に沈む。この水攻めに対する長親の策は、

城を囲む湖に船を出して、敵兵の前で田楽踊りを披露することであった。

三成の指示で雑賀衆が、田楽踊りを踊る長親を狙撃する。

長親は一命を取り留めるが、城に入らず場外で堤作りに雇われていた

百姓の中から、長親が撃たれたことと耕していた水田を台無しにされた

怒りから石田堤を壊す者が現れ、水攻めは失敗する。

三成軍が総攻撃を行おうとする矢先、小田原城が落城したとの知らせがもたらされ、

忍城も開城する。

小田原城落城時までもちこたえた支城は忍城だけだった。