昔の食事の回数
2食主義がいいとか、3食主義がいいとか
いわれているが、これについては
一方的に決め付けるべきではないと考える。
要は食べる総量が問題になるのだ。
元来野生の動物の多くは、
規則正しい食事の時間や回数は決まっていない。
いうまでもなく、これは食物を得る手段や方法
が不規則であり、不自由だからである。
これは決して好ましいことではない。
それにひきかえ、人間はその意志によってある程度、
自由にそれが出来るために、
却ってそれが禍のもとになるのである。
歴史家の記述によると、上古時代にも朝食と夕食
という言葉があるところから、
当時は朝夕の2回だけの食事だったようである。
源平時代にも僧侶は1日1食、一般人は2食、
武士は3食という習慣が一般庶民の間にも広がり、
それが今日に及んだものと言われている。
しかし、肉体労働が激しい農夫や職人などでは、
食事の回数が4―5だったようだ。
岩手県のある農村ではアサナラス(午前4時)
とアシヤエ(午前7時)の朝食、コビリ(午前10時)
とオヒル(午後1時)、アトコビリ(午後4時)、
そしてユーハン(午後8時)と1日に6回の食事
をとっていたという記録(瀬川氏・食生活の歴史)もある。
『生命と気血』、千島喜久男博士の「おもしろ随筆集」より
新生命医学会 http://www.chishima.ac/