すべてを閉じた 小さなガラス玉の世界で
何からも傷つけられない
何をも傷つけずに済む世界で
わたしは静かに生きているのに
なぜ あなたはノックするの?
『こちらへおいで』と 懲りもせず
『ただ君に会いたいんだ』と 誘い続ける
「でも私 このガラス玉の出方がわからない」
「どうやって出るのか 忘れてしまった」
そう うそぶいたけれど
本当は知っている
ただ この手を伸ばすだけだけだと
ただ 一歩踏みだすだけだと
ガラス玉なんて はじめからどこにも無いってことを
