奈良市議会3月定例会閉会後にお伝えした、奈良市の学校給食の現状のその後です。


【これまでの経緯】

令和6年度の新年度予算審査を経た結果、公明党・新正の会・日本維新、そして自民党(※山本所属)の4会派共同で10項目約3億3,000万円を減額する修正案を提出し、修正案提出の趣旨説明において市長に対し、削減した一般財源分について奈良市の子どもたちの健康と食育を守るために学校給食の食材調達費への活用を求めていました!本会議採決では共産党と複数の無所属及び自民系の1人を含む31人が賛成し可決しました。

この議会提出の修正予算案は、次代を担う子どもたちに栄養価を満たした美味しい給食を提供するための要望であり、財源(一般会計)を確保してはじめて実現します。議論に議論を重ねてまとめあげることができた減額修正案でした。なお、賛同は5会派(※共産党含む)であり、「自民党・無所属の会」6名及び一部無所属議員の賛同は得られませんでしたその後、30名の連盟で議長を通じて市に提出した要望書では、3月定例会で可決された新年度予算案の修正で、貯金にあたる財政調整基金に積み立てられたおよそ1億円を給食費に充てることで栄養価の高い給食を提供できるとしています。


【全国的な問題】

長く続く物価高で、学校給食の量が少ない問題や栄養価不足の問題は全国的な問題であり、国に対策を求める声は全国に広がっています。

※ カンテレ「newsランナー」2024年6月12日放送


【奈良市議会6月定例会】

奈良市議会6月定例会では、教育委員会より、学校給食の栄養基準を満たすための食材購入等の増額予算となる1億2232万円(内一般財源1億1010万9千円)の補正予算が提出され)の補正予算が提出され、20日の本会議で可決されました。

資料1 : 6月定例会提出の一般会計補正予算概要


上記資料のマーカー部分で確認できますが、給食食材調達経費1億2,232万円の内一般財源1億1,010万9千円と、ほぼ同額の1億232万円が財政調整基金積立経費から減額補正されています。これは先にのべた、栄養価の高い給食を提供するための財源となる、議会提出の新年度予算案の可決により、貯金にあたる財政調整基金に積み立てらた約1億円になります。


NHKニュース(令和6年6月20日放送)


【食材費が増額された学校給食】

画像は、令和6年6月21日に小学校で提供された学校給食です。資料2の献立表とあわせてご確認ください。美味しそうですよね♪

画像1 : 令和6年6月21日の小学校の学校給食


資料2 : 令和6年6月21日 B地域小学校献立表


見た目の美味しさとともに、栄養価不足(カロリー)も解消され、文部科学省が定める基準を満たすことができました(資料3)

資料3 : 6月分平均栄養量


栄養価不足(カロリー)が続いていた奈良市の学校給食でしたが、ようやく解消された文部科学省が定める基準を満たすことができました(資料3)


【学校給食法】

学校給食法第一条は「学校給食が児童の心身の健全な発達に資し、かつ、国民の食生活の改善に寄与するものであることにかんがみ、学校給食の実施に関し必要な事項を定め、もつて学校給食の普及充実を図ることを目的とする」と定めています。栄養価を満たした給食を提供することは、学校設置者となる奈良市の義務です。物価高が最大の理由ではありますが、これまで基準栄養価を下回る給食を提供していたことについては、市としても反省が必要です。今後はこのようなことが起こらないよう、議会としても努力を続けます!