ひとくちに『痛み』と言っても、種類も原因も多岐に渡ります。
筋肉や関節などに由来するものが主で全てをフォローできている訳ではありませんが、おおまかに以下に分類記載しておきます。
少しでもお役立ていただければ幸いです。
【拍動痛-はくどうつう】
原因と直結しやすく、発見しやすい痛みとして拍動痛という痛みがあります。
脈拍にあわせて周期的にズキズキ、ズーンズーンと痛むのが特徴で、捻挫や骨折など「炎症症状」が伴うことが多いため「ぶつけた」「くじいた」など原因に思い当たる節も多いですが慢性的な関節周囲の炎症や臓器の炎症などでは原因に心当たりがない場合もあります。
他の特徴として手で直接触れられる部位では痛む場所に発熱を伴う事が多く、発熱箇所を指で押したときの痛みの増強や運動に伴う痛みがあります。
【局所圧痛-きょくょあっつう】
指で押したときなどに押した箇所で瞬間的に増強する痛みです。
骨折のある場所、捻挫や肉離れで損傷した箇所などでみられます。
組織損傷に伴って発生することが多く、ケガが原因の場合は5~20分ほど時間をおいてから先に説明した拍動痛が発生する事も多いです。
【放散痛-ほうさんつう】
ある部分の圧迫や、関節の運動に伴って「圧迫した部分」「運動させた関節」などを中心に周りに広がる痛み方です。
例えば首を傾けたときに腕~指先に痛みが広がったり、腰をかがめたときに太もも~足先に痛みが広がるなどが代表的な発生の仕方です。
神経組織への刺激で発生する事が多く、私が過去に診た中では虫歯治療を続けていた方が痛みが解消しなかったのが三叉神経痛だったと言う例も数例ありました。
画像検査で判定できない場合に原因が特定されにくく悩まれる方も多い痛みです。
【触圧痛-しょくあつつう】
主に皮膚表面への軽めの刺激で発生する痛みを私はここに定義する事にしています。
「軽く押さえたり、さする程度の刺激」でも強い痛みを感じる状態で体質的なものもあれば、皮膚表面の感覚受容体の過剰反応または炎症や浮腫などによる広い範囲での神経圧迫によるものもあります。
痛みを感じる部分より先端に極度の冷えや皮膚の蒼白がある場合はコンパートメント症候群という緊急を要する病変の場合もあります。
【深部痛-しんぶつう】
関節周囲や皮膚表面ではなく、奥の方に感じる痛みで感覚受容体の関与が大きい痛みです。
先に説明した拍動痛・局所圧痛・放散痛・触圧痛以上に特定されにくい痛みで、関節や筋肉への負担に伴うものは経緯や関連性を考察する際に経験を要するため原因不明の痛みの代表格で、私が最も判定に注力している痛みの種類になります。
代表的な痛みの出方としては『立ち上がる時だけ腰や膝が痛むのに、動いているうちに治まる』というような場合が多いです。
痛み出現頻度の進行は緩慢ですが時間経過と共に確実に悪化する場合が多く、早めの対処や予防が非常に大事になります。
その他、内臓や腫瘍に関連した痛みもなどありますのでまずは医療機関による診察をお勧めしますが、それでも不明な関節の痛みなどはメールでも結構ですので以下まで遠慮なくご相談ください。
kazu-labo.2018@ezweb.ne.jp
物理的に可能な限り返信させていただいております。
次回からは肩や腰など、各部位ごとにお話ししていきたいと思っております。