足利の町と渡良瀬川は、森高千里の名曲「渡良瀬橋」の歌詞に歌われた舞台。市街の南側を流れる渡良瀬川に、くだんの橋は架かっていて、織姫神社から堤防沿いの道に出たところから見渡すことができる。

シンプルなつくりのトラス橋で、中ほどまで渡ってみると、流れの向こうに広い空と遠くの山々。河川敷に降りて流れを見ていると、北風が冷たく風邪をひいてしまいそうに、と、歌詞の世界観にどっぷり浸ってしまえた。ちなみにあなたのことを今でも祈る八雲神社は、織姫神社の向かい。

橋のたもと付近には「渡良瀬橋」の歌碑もあり、歌詞をたどると改めて深い。地方都市で生まれ育った女性と、その街を好きになりつつも結局そこでは共に暮らせない男性。でも女性はそれを責めることなく、今も同じ街で男性を思う。街の佇まいと渡良瀬川の風景だけは、当時も今も変わらない。

そんな物語を思うと、思いつきで何となくやってきたこの街を歩いて見た風景の中にも、住む人たちの色々なドラマがあるのだと奥行が感じられた思いが。東武足利市駅の渡良瀬橋コーナーで、森高さんのサインを眺めて、足利さんぽの締めくくりにしましょう。