手のひらが

いつでも冷たく冷えていた頃



こころがあたたかいひとだと

言ってくれるひとが

いました


そのひとは

こころが荒ぶっているから

わたしの手はいつも熱いと


手を握って

温めてと

うつむきながら


あなたを

わたしが守る

あなたの適温はわたし



いつだって

寒い時は手をつないでと



腕を痛めて

冷えてつらい夜

熱に震える夜



そうやってつないだ手




あなたのこころには

どんな鬼を棲まわせていたのですか



わたしが必要としていた以上に

あの頃のあなた

わたしを必要としていたことを



お互いに

お互いを必要としなくても

大丈夫だと

確かめあった頃には

気づいていましたが



あなたはそれでも


遠く離れた彗星同士

刹那にすれ違い

遠く離れても


同じ周期でまた巡り合う

きっと