「余命一年、男をかう」吉川トリコ(講談社文庫)
タイトルに「余命○○」とつくとなんとなく敬遠してしまう天邪鬼ですが
今作はその「タイトル」で手に取ってしまいましたw
うまいな~、このタイトル
女が1人で生きていくために
お金をためて資産を作って老後に備える
世間一般の「楽しみ」とか「生き甲斐」とかがなくても
他人に迷惑をかけずに生きていければそれでいい
まさに「生きてるかぎり、生きなくちゃいけない。」から
それがどんなにうんざりするような日々の繰り返しでも
その人生はずっと先まで続くのだと思っていた
そんなとき、「がん」と宣告されて
治療をしなければ「余命1年、もっても2~3年」と言われたら?
たぶん、大多数の人は
がんになったらまず治療することを考える
まだ生きていたいと思うから
死にたくないと思うから
でも、がんになったら治療はしない、と決めていた主人公は
そこで張りつめていた糸がプツンと切れて
思考(理性)が吹っ飛んで
そしてちょっとした弾みで
「男」を買ってしまったwww
主人公(唯)は中年女子、取り立てて美人というわけではない
買われた男(瀬名)は年下のホスト、結構イケメン
奇妙な出会いから奇妙な関係性を築きながら
いつしかお互いにお互いの人生に深く介入していくことになる2人
自分自身の人生に冷めているようで、どこかジタバタしている唯と
チャラそうに見えて家族や唯のことを真剣に考えている瀬名
その取り合わせが絶妙で、どういうわけか微笑ましい
そして3年後ーー
「お幸せに」なんて言ったら、唯はへそを曲げそうですがww
余命1年のつもりで男を買ったら、それが「大当たり」だった
というお話でした(ーー違う?)
カルガモ親子のお通りです