関節リウマチのアンカードラッグ&第一選択薬である

葉酸代謝拮抗薬のメトトレキサート(MTX)について。

 

MTXは30-50%が消化管から吸収され、

血中濃度は1-2時間でピークとなり、

24時間後には測定限界感度以下に。

そして80-90%は、24時間以内に尿中から排出。

経口摂取されたMTXは、ほとんど直接腎臓から排泄されるため、

腎機能が低下すると容易に血中濃度が上がってしまうので、

注意が必要です。

 

作用としては、①でも書きましたが、

まず葉酸代謝を阻害して細胞増殖を抑制すること。

他には抗炎症作用(関節リウマチ含め自己免疫疾患は慢性炎症が原因)、

そしてサイトカイン産生抑制作用があります。

 

サイトカインは低分子のたんぱく質で、

その役割は細胞間の情報伝達です。

800種以上あるとされていますが、

大きく炎症性と抗炎症性に分かれていて、

生物学的製剤(注射や点滴)は

この炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-6など)

をピンポイントで抑制する治療です。

そしてもちろん、

MTXにもこうした炎症因子を抑制する作用があります。

 

その他にも多彩な作用がありますが、

このような疾患活動性抑制効果は、

TNFα阻害薬(生物学的製剤)とほぼ同レベルとも。

薬価を考慮するとMTXのほうがずっと安価であり、

こちらで効果があるならベターですね。

 

 

続く