このところ、かけ算九九も終盤戦のようで、「はっぱーろくじゅうしー」あたりが盛んに聞こえてきます。
毎日の「歯みがきBGM九九の歌」、恐るべし!
「しちくーろくじゅうさん♪~♪」などと、鼻歌交じりに給食の後始末をしている給食当番も。
さて、今日は、この二年生が勉強している図形のお話。
皆さんは、「長方形って、どんな図形ですか?」と聞かれたら、どう答えますか。
いえ、その前に、「四角形って、どんな図形ですか?」
「四本の直線で囲まれた形を四角形といいます。」
これが、四角形の定義です。
一年生の時は、「かたち遊び」や「かたち作り」で箱や積み木の面を写し取ったり、点と点をつないで形をかいたりする経験をしています。
この経験は、三角形や四角形が直線で囲まれていることや、頂点を意識することにつながるものです。
この時は、まだ図形に対する明確な名称や定義などは与えません。
「さんかく」や「しかく」といった表現のまま、これに近い図形をそう呼ぶのを認め、感覚的なとらえ方をできるだけ大切にしていくのです。
しかし、二年生では、「かたち」を数学的な「図形」として扱うようになります。
そして、「へん」、「ちょう点」といった用語が登場します。
さて、それでは先ほどの「長方形」です。どんな図形ですか?
「えーと、長四角で。」。
それは長方形の「かたち」時代の呼び名。「図形」に成長すると?
「二本の辺が長くてえ・・・。」
ちょっと違うみたい。
長方形の定義は、こうです。
「四つの角が、みな直角になっている四角形を長方形といいます。」
そして、ここに「性質」というのが登場します。
「長方形の向かい合っている辺の長さは同じです。」
「定義」?、「性質」?
「定義」とは、数学上用語の意味をはっきりと規定するための文章や式のことを示します。
「性質」とは、そのものを特徴づける固有の性能のことです。
小学校の段階では、これらを無理に区別せず、「定義」については、「長方形とはどんな形か」が言えればよく、「性質」については、実際に操作を交えながら実感していく。といった意識で進めます。
長方形を弁別するにあたっては、定義と性質のどちらを根拠として考えても、差し支えありません。
いかがですか?二年生の、「長方形」一つとっても、学問的にはこんなふうにとらえられていくわけです。
「へー、そうだったんだ。」と思われたママ・パパは、お子さんの教科書をちょっと覗いてみて下さいね。
親御さんが、子どもたちの教科書の内容をしっかり捉えておくことの利点 は、以前お伝えしたとおりですから、ぜひどうぞ。