第12話はこちら
「京二―!何―?」
大きな声で聞いてみる。
爆音はまだ止まらない。
このあとが寂しさに包まれるからか、最後だけは華やかに。
京二が花火を背にして大きな声でこう言った。
「俺はー!初めてここで音々湖ちゃんを好きだって思ったー!!!」
音々湖が京二の作った影にすっぽりと収まる形で黙り込む。
緊張が解けたのに、何もない夜のはずだったのに、これじゃキラーパスじゃないか!
彼女が黙ってしまうというシチュエーションを予測していたのか、彼は花火が終わらないうちにこう言った。
「だーかーらー!結婚してくださーい!!」
目の前に出された小さな指輪。
お世辞にも高そうとは言えない。
というか祭りの露店で買ったというのが見え見え。
大きく赤く光る子どもの宝石はちょうど最後に打ちあがった花火の色と一緒だった。
こうなったら悩む暇なんてなかった。
気を抜いた瞬間のキラーパス。
春太郎の差し金かとも思った。
花火が終わって、明かりが一層暗くなる。
そんな中でもわかるくらい、京二は一生懸命な、真っ赤な顔をしていた。
それを見たときには、もう答えは決まっていた。
彼女は左手を彼の前にゆっくりと差し出した。
~Fin.~
ヘタレ作品過ぎて公開をためらいました。