「日本学術会議の新会員任命拒否」に抗議する声明が、次々と出されています。

日本学術会議はもちろんの事、様々な団体個人から発せられている「国民の声」です。

今回の任命拒否から、日本がニーメラーの警告のようになってはいけないという危機感のあらわれだと思います。

 

津田大介さんがそのうち500余りの声明を読んで思うことを『論壇時評』(朝日新聞 10月29日)に寄稿していました。

 

 

 

又三郎も、自分の勉強のために各団体の声明を読み始めて見ました。

そして、紹介していこうと思います。

引用は、それぞれの団体の声明の重要な部分というよりは、又三郎個人の心に響いた部分の抜き書きですので、

是非原文を読んでください。

 

《現代歌人協会と日本歌人クラブ》声明より

 

 

 

このような、非合理かつ不誠実な政治の言葉が許されるならば、日本語ひいては国民相互の信頼性が大きく毀損されます。私たち、短歌という日本古来の言語芸術に関わる表現者は、こうした言葉を看過できません。物事の道理にそった言葉を尊重する政治を、私たちは切実に求めてきました。

 

心を「言葉」に託す歌人たちの,「言葉」に対する思いは重い。

それは、歴史から学んだからです。

 

短歌の世界でも、昭和15年(1940年)に大日本歌人協会が、国家に協力的でない会員がいると非難されて解散に追い込まれる事件がありました。

より良い政治を求めることは、学問や文化を発展させることにもなるのだというのです。

今回の任命拒否をきっかけにして、政府に逆らう学者や研究者は排除すべきだ、という短絡的な言説も出てきましたここから、政府に逆らう表現者(歌人を含む)は排除すべきだ、という風潮までは、わずかな距離しかありません。それは、日本ばかりでなく、世界の歴史を振り返れば明らかです。すなわち国の健全な学問や文化の発展を根本から瓦解させるものとなります。