人生を過ごす上でお金というものは色々なところで必要になってきますが、その中でも特に大きな支出になると言われる《人生の5大支出》というものがあります。

その5つとは『老後』『住宅』『教育』『車』『保険』です。

今朝の日経新聞に老後資金についての記事がありましたので、本日は五大支出の中の老後資金について書いてみようと思います。

最近では「老後資金に夫婦二人で1億」とか「下流老人」というような怖くなる言葉を耳にする機会も増えてきましたが、実際のところどうなのでしょうか。

結論から言うと当然ですが『人によって全く違います』。

メディアや金融業界は商売のために不安を煽ってきますが、冷静に各々の状況に当てはめて正しく計算することが大切です。

一つずつ見ていくとまず『一億円』と言われている根拠は生命保険文化センターの生活保障に関する調査による、ゆとりある老後生活費35.4万円×25年間(65歳~90歳)から来ています。

この月に約35万円という金額を見ていかがでしょうか?

住んでいる地域や家族構成、持ち家の有無、収入等によって多いと思うか少ないと思うか違うと思います。

ですのでまずはみなさま自分のライフスタイルで将来ひと月におよそいくらかかるだろうかを考えてみてください。

次に仮に『一億円』必要だという算出結果になってもこれを丸々用意する必要はありません。

それは基本的に老後の生活資金は『公的年金』『退職金』『自己準備』の3本柱から成り立つためです。

ただ年金と退職金に関しても人によって全く違うと思いますのでこちらも各自一度調べてみてください。

参考までに総務省及び厚生労働省が出している高齢夫婦2人世帯の平均データを見てみると、

ひと月の支出:268,907円
ひと月の収入(年金・その他収入):207,347円
平均寿命:男性80.21歳、女性86.61歳

という感じです。
仮にこの平均値で計算してみると

(支出268,907円-収入207,347円)×12ヶ月×定年から寿命まで18.41年=約1360万円
が年金以外に自分で用意する必要のある額となります。

内閣府の調査によると65歳以上世帯の平均貯蓄額は2209万円(ちなみに大卒の定年退職金の平均は1941万円)のようです。

つまり平均くらいの方であれば老後生活は成り立つだろうということがわかります。

しかし先ほどの内閣府の出しているデータで気になる点として貯蓄1000万円以下の高齢世帯が37.3%、100万円未満世帯も6.4%いるため、この約4割の世帯は厳しい生活を送っているだろうということです。

今後は少子高齢化の影響で年金はますます苦しくなることが予想されますし、平均退職金額も減少傾向にあるので収入面は今より下がる可能性が高いです。
加えて物価の上昇、消費税のアップの影響等により支出は増える可能性が高いです。

老後になってお金が足りないことに気がついてもそこから雇ってもらうことはかなり厳しいですし、アルバイトをするにしても体力面を考えると若い頃と違い思ったようには働けなくなってくるのではないでしょうか。
そんな状況では本当に下流老人になりかねませんので若い頃からきちんと計画を立ててみてください。

ちなみに今回老後の話をずっとしていましたが、当然若い頃に楽しむこともとても大切ですので老後のみに目を向けるのではなく今と将来のバランスを考えながら戦略を立てていくことが重要です。

もしご質問等あればお答えもしますし、プランを一緒に考えることもできますので何かあればお気軽におっしゃってください。