いろんな要素がつまった映画ですね。
一口にラブ・ストーリーとは言い切れない奥深さがあります。
まず、アンダーグラウンドの世界がいかにコミュニティとして機能しているかよく分かります。
フアンは思いやりにあふれ、面倒見のいい、まさに「ボス」。
成功者ではあるものの、自分の仕事に負い目を感じているところに、善良さが表れています。
「ぼく、オカマなの?」と聞くシャロンに、「いや。お前はゲイかもしれない。でも絶対オカマとは呼ばすんじゃねえ」と返すシーンはじーんときました。
幼いシャロンにとっての「大人」はフアンしかいなかったのだから、同じ道に進んでしまうのもうなずけます。
また、学校でのいじめも非常にリアルに描かれています。
同調圧力と見栄。
1対1の関係では起こりえないことが起こってしまう構造が浮き彫りになります。
そして、演技もすばらしい。
何よりナオミ・ハリスの怪演が光りますね。
なお、『ムーンライト』はこの年のアカデミー賞作品賞を受賞しましたが、授賞式では同じくノミネートしていた『ラ・ラ・ランド』の名前が読み上げられるというハプニング発生。
主演女優賞の「ラ・ラ・ランド エマ・ストーン」と書かれた紙の入った予備の封筒が誤ってプレゼンターに手渡されたそうです。
なんで予備なんて作るんでしょうね…。
授賞式のホストを務めていたコメディアンのジミー・キンメルもステージに上がり、事態の収束を図りましたが、会場は一時騒然となりました。