2024/07/09

山中伸弥、益川敏英「大発見の思考法」。2011年出版。なんだかちょっと昔の本ばかり読んでる気がするが、忙しい毎日だと、こういった軽めの対談は読みやすくてよい。益川先生が「小林・益川理論」でノーベル賞を取った後で、iPS細胞の山中先生は、まだ受賞前。なんと山中先生はまだ40代。今の私より若いなんて。

ひたすら紳士な山中先生と、豪快な益川先生の対比がまず印象的。どうしたら社会のために役に立てるか、と進路に迷う山中先生と、好きなことしかやらん!という益川先生。でも、お互いをリスペクトしているのが伝わってくる。年齢はずいぶん違うのに、滑らかに話が進む。2人とも本当に研究に真摯だし、大発見を前にすると、熱狂して研究に猛進するところも同じ。研究は仕事ではなくて、趣味に近い。寝ても覚めても考える。まあ、それでないとノーベル賞なんて取れない。

理論物理学と生理学で、2人ともバリバリの理系研究者だけど、科学の基本は国語力だという。とても共感する。社会科学も同じで、国語力の弱い人によい研究はできないと思う。

それにしても、お二人ともずっと研究してるんだな。同じ大学の教員なのに、なんでこんなに違うんだ!私ときたら、この2ヶ月ほど研究は全く手につかず。教育と大学の管理業務と学会の仕事に忙殺されているのにえーん