彼(現・香港人夫)と出会って数ヶ月たった頃、彼は週末には荷物を持ってお泊りに来るようになっていた。
最初は土曜日に来て日曜には帰って行ったのが、金曜に来て日曜に帰り、いつの間にか月曜日に私の家から出勤するようになっていった。
少しづつ少しづつ、さりげな~く自分の荷物を持ってきて、置いて帰る彼。タオルとか、DVDとか微妙なモノ。
歯ブラシとか下着は持って帰った。なぜか。
当たり前だけど、思いっきり気が付いてましたよ。
「毎週末うちに来てて、ご両親は何も言わないの?」と聞いたら、「う~ん、気が付いてると思うけど・・」という返事。
心配してるだろうし、一度ちゃんとご挨拶に行こうと言う事になった。
彼は「挨拶だけだし、家に遊びにおいでよ」ぐらいの感じだったけど、日本人的に緊張した。
彼の実家はお金持ちでも貧乏でもないごくごく一般家庭で、ちょっと安心。
夏の暑い日だったか、お義理父さんは上半身裸に短パン、お義理母さんは思いっきり家着だった。
こんなにラフ?!
お義理父は、その後一応気にしてくれて(?)ランニングを着用。
連れて来た彼女が日本人だとかそんな事も関係なく、「ネイホウア~!(広東語:こんにっちは~♪)」くらいの軽さで「さぁ座って、土足で良いから。さぁお茶飲んで。」
※さすが、香港の家庭。土足でも良いみたいだけど、彼のおうちは家に入ったところで、スリッパに履き替えていた。
お客さんにはそのまま土足であがってもらって、後で掃除しているらしかった。
他、友人のおうちに行った時も土足の家庭もあった。※
挨拶もそこそこに彼の部屋に通された。
3人兄弟の真ん中の彼は、弟と部屋をシェアしていて、2段ベッドの上が彼の居場所らしかったけど、
下の弟のベッドに座るように言われて驚いた。他にスペースが無いから。
狭い土地に世界一の人口密度で暮らす香港人にとって、一人に一つの部屋を与えられる事は珍しかったし、
3世代で同じ家に暮らしていた彼の実家も同じだった。
お父さんお母さんが仕事に出て、おばあちゃんが3人を育ててくれたそう。
彼は、日本での留学経験があり日本語もネイティブ級。会話は今も99%日本語。
弟さんも日本が大好きなようで、勉強机の周りは日本のDVDや、漫画、CDなどであふれかえっていた。
男女を問わず香港人に人気の「ぬいぐるみ」もたくさんあった。
弟⇒私にも興味あり、ときどき日本語で話しかけてくれる。
でも、お兄ちゃんは日本には興味が無いらしく、いつも分厚い英語の小説を読んでいた。
兄⇒私には全く興味なし、話す事もほとんど無いけどあえて話すとしたら英語か広東語。
たったの1時間程度の滞在の後、帰宅しようと頂いたお茶のコップを台所に運ぼうとしたら、
彼&彼の義理父に激しく阻止された。
「お客様はそんな事しなくても良い!」らしい。彼いわく、義理父が洗うのだとか
「うちでは、アイロンがけとお皿洗いは親父の仕事だよ」
「え~!」
じゃあという事で甘えて(その後今まで甘えっぱなし)、帰ろうとしたらお義理母が、「ちょっと待って。これプレゼント」と、水晶のネックレスをくれた。
どういう意図かは分からなかったけど、わざわざ宝石屋さんで購入してくれたようだった。
驚きと嬉しさで、涙が出そうだった。
彼もプレゼントを用意しているなんて知らなかったようで、驚いていた。
水色のキレイな水晶のネックレスは、今もお出かけの時によくつけているお気に入り。