■米量的緩和観測の推移に連れ売り買い、80円37銭に下落
10/25-29のドル・円は、G20財務相・中銀総裁会議声明は想定の範囲内、
影響 は限定的などの見方となり、また、日本の大手輸出企業が社内レートの円高方向修正や、
一段の円高に備えた経営体制を構築する姿勢をみせ始めたこともあり、
米量的緩和観測によるドル売りの流れが継続、81円46銭から80円41銭へ下落。
本邦通貨当局による円売り介入警戒感から反発、81円超えでストップ・ ロスの買いが強まり、
予想を上回る米・10月消費者信頼感指数やインフレ期待を受けた債券利回り上昇、
米紙ウォールストリート・ジャーナル報道
「米FRB は、11月に数千億ドル規模の国債買い入れ計画を発表する公算」
を受けた積極的な追加量的緩和期待の後退に81円99銭まで上昇。
だが、82円以上の本邦 実需筋のドル売りオーダーに伸び悩み反転、
米量的緩和第2弾の国債買い入れ金額が予想の上限になるとの憶測、
米7-9月期GDPの成長ペースは十分ではな いとの見方やコアPCE価格指数の低下、
1年ぶりの低水準に落ち込んだ米10月ミシガン大学消費者信頼感指数確定値による債券利回り低下、
米国のテロ懸念 で80円37銭まで下落。
■米追加量的緩和実施を受けてドル続落か反発か注目
11/1-5のドル・円は、
11/2-3の米連邦公開市場委員会(FOMC)で実施が決定される追加量的緩和の国債買い入れ金額が、
大規模であればドル売りが継続、小規模にとどまればドルの買い戻しが強まる展開になる。
ドル売り継続ならドル史上最安値79円75銭の更新の可能性が高まり、
日本のドル買い・円売り介入にも警戒が必要になる。
引き続き米国の主 要経済指標の発表が重要な材料となるが、
FOMC声明発表前になる10月ISM製造業景気指数、10月ADP全米雇用報告、
10月ISM非製造業景気指数 (総合)などへの反応は控え目になるかもしれない。
その反動もあるというわけではないが、FOMC後の発表になる10月雇用統計には
いつも以上の注目が集 まる可能性も考えられる。4-5日に日銀金融政策決定会合がある。
米国の金融政策については、11月2-3日の連邦公開市場委員会 (FOMC)において、
追加量的緩和の実施決定が確実視されている。
量的緩和の最終的な規模のイメージは、
「十分な効果が期待できる規模で、具体的には月 額1000億ドル規模の国債買い取りを想定」
(ロックハート米アトランタ連銀総裁)、
「米FRBは6カ月間で5000億ドル規模の国債買い入れを計画、一 段の買い入れもあり得る」(
メドレー・レポート)のほか、
「向こう6か月の間に2兆ドル程度」との観測がある一方、
「会合ごとに1000億ドルの資産購入 し、物価・経済次第で追加購入を検討」
(ブラード米セントルイス連銀総裁)、
「今後数カ月にわたって数千億ドル規模の国債買い入れ計画を発表する見通 し」
(米ウォールストリート・ジャーナル紙)との見方もあり、どの程度になるのかが注目される。
2日には米中間選挙が行われる。
上院 100議席中の37議席と下院435議席全議席が改選される。
上院の議席数は現在、民主党が59(民主党寄り無所属議員2人含む)で改選は19、
共和党が 41で改選は18となる。
下院は民主党が255、共和が178、欠員2。
上院、下院とも共和党が優勢で、下院では共和党が多数となる可能性もある状況。
そのような結果になれば、オバマ大統領にとっては今後の2年間、
厳しい政権運営を迫られることになるが、マーケットは現時点では織り込みの様子。
日本の金融政策ついては、10/28の日銀金融政策決定会合で、
政策金利の据え置きを全員一致で決定し、資産買い入れの概要を発表(限度額は、
長期国債 1.5兆円、国庫短期証券2兆円、CP0.5兆円、社債0.5兆円、
ETF指数連動型上場投資信託0.45兆円、REIT不動産投資信託0.05兆円)。
また、「経済・物価情勢の展望」(展望レポート)をまとめ、
実質GDP見通し中央値(前年比)は、
2010年度が+2.1%(7月時点+2.6%)、
2011年度が+1.8%(同+1.9%)となり、それぞれ7月中間評価から下方修正。
2012年度は+2.1%。CPI見通し中央値(前年比)は、
2010年度が-0.4%、2011年度が+0.1%で、
それぞれ7月中間評価と同水準。2012年度は+0.6%となった。
次回の日銀 会合は、11/4-5に開催される。
当初11/15-16の予定だったが、10/28の会合で、
資産買入時期を早めるためとの理由で前倒しが決定された。
白川日銀総裁はこれについて、「FOMCのスケジュールは意識していない」としている。
また、「展望レポートの経済・物価情勢見通しを前提に実質ゼロ金利 政策を継続」、
「11月の決定会合では金融政策も議論」、
「経済・物価見通し変化すれば、基金増額も有力な選択肢」と述べている。
11/1-5 の主な予定は、
1日(月):(米)9月個人所得・消費支出、10月ISM製造業景気指数、9月建設支出、
2日(火):(日)日銀金融政策決定会合議事要旨 (10/4-5)、
(米)連邦公開市場委員会(FOMC、3日まで)、中間選挙、
3日(水):(日)文化の日で休場、(米)10月ADP全米雇用報告、
10月ISM非製造業景気指数(総合)、9月製造業受注、FOMC声明発表、
5日(金):APEC財務相会合(京都、6日迄)、
(米)10月雇用統計、9 月消費者信用残高、9月中古住宅販売成約指数。
[予想レンジ]
ドル・円79円00銭-83円00銭