幻 | 手が知っている異界の彩~絵師・緋呂 展示館~

手が知っている異界の彩~絵師・緋呂 展示館~

神・仏・天使。そして、「あなた」の光を、緋呂が描きます。陰陽併せ持つ「人間」の中に、すべては在る。
描くべきもの、進むべき道。すべては、手が知っています。

離れたい、離れたいと言いながら。

実際に離れられる機会を得ても、一向に離れない。


…そんな人は、いる。



心身共に疲れ果て、そこから離れなければもうダメ…


その言葉に、ウソはない。
少なくとも、それを人に訴えている時には。


けれども。

実際に解決に手を差し伸べ得る相手のところには行かず。

そのように見せかけているだけの人のところをジプシーしてみたり。

助けられる確信を持った人を誰かから紹介されても、スルー。



相談を持ちかけた相手が親身になると。
喜んで、安心できたもう大丈夫、と、言う。

それなのに。

ほんのちょっと過ぎれば、また、自分から、その離れたい先に寄っていってしまう。



実は…
相手は、その人のことなど知りもせず。
知っていたとしても、気に留めるほどの関わりでもなく。

「離れたい」という理由は、ただ、その人の心の中にだけ存在する幻の関係。
「離れたい」と切に願っているのも、その人の心の中にだけ存在する幻の関係。



「そこに留まること」が、その人にとってどういう意味を持つのだろう。


そういう人が、いかに容易く幻の世界に戻っていくか、ということを。
その幻に、第三者を多く引きこもうとするか、ということを。
非常なる虚しさをもって実感した今朝でした。