あるイベントの席で、参加者一人一人に違った問いが手渡された。
上は、私がもらった問い。
この質問をもらった時。
内心、非常に困った。
思い出って、何?
過去の経験なら、そりゃあこのトシだから、それなりにある。
でも。
思い出?
それも、「超うれしかった思い出」
普通ならね。
結婚式のこととか。
子ども産んだ時のこととか。
思うのだろうな、と思うのだけど。
私は、過去のことって、それぞれ等し並みに「通ってきたこと」と捉えているので。
とても、返答に困った。
人生の節目はいくつもあった。
確かに、嬉しかったことは、いろいろある。
でも…私は、「思い出」という概念を、特に持っていないのだ。
写真も、ブログを書くようになってよく撮るようになったが。
思い出のためではない。
昔も、写真を撮ることは割と好きだったけど。
思い出のためではない。
子ども達の写真も、私は…ダンナもそういう感じの人だったから、ほんの赤ちゃんの頃に撮っていたけど、特に熱心でもないし。
なんせ整理もしていないくらいだ。
結婚式?
親戚が写真の会社にいたこともあって、すごく立派なアルバムを作ってもらったけど。
私が望んだことではなかったし、ダンナもそうだったので。
私達自身が自分でそれを開いたことは、一度もない。
学生時代のことも。
写真を見て懐かしむようなことも一度もない。
思い出話ってのなら、よくするかも知れない。
が、それも…。
「思い出を語る」が目的ではなく、現在の何かを説明するために過去を比較に出す、という感覚。
大事な思い出…。
超うれしかった思い出…。
それは、とても、難しい問いだ。
そのイベントの席では、どうしても答えなくてはならなかったので。
まだ「思い出」などには収まっていない、現在進行形のとある出来事の、「発端」というべき出来事を解答としてお話したのだが。
思い出とは、記憶と、どう、違うのだろう。