こんばんは

 

毎週月曜夜7時からBS日テレで放送され、コーラスグループ・フォレスタさんが熱唱するBS日本「こころの歌」、昨晩の回は2016年の公開収録を1回の放送に再編集(これまでの放送では2回の枠を使って放映)して総集編と銘打ったものでした。この公演について、毎晩フォレスタさんについて投稿されている夢成之介さんのブログにおける最近のレビューは以下の通りです。

 

 

上記には、全曲目列記といった公演全体についてのレビューが中心ですが、今回の総集編ではどのように縮められるか気になるといったご意見もみられます。私も正直、本来二回の放送枠を一回に縮めるので、聴く前からかなり無理が出そうだと気になる所があり、番組制作の意図が垣間見えると思われたので、注意して聴いてみました。以下、概要を記載の上で感じたことを綴ってみたいと思います。

 

まず、念のため当時の体制を記した上で、曲目・歌い手(敬称略)を記します。

 

<当時の体制>

女声:内海・上沼・白石・中安・小笠原・吉田(静)

男声:澤田・榛葉・横山・塩入・今井・川村・大野

ピアノ:南雲・吉野・山元

 

<放送された曲目>

〇第一部:追憶

・荒城の月(男女総動員重唱)

・ほたるこい(女声アカペラ)

・女声・ピアニスト自己紹介

・まっかな秋(女声総動員重唱→白石・中安重唱のち女声総動員重唱→小笠原・吉田重唱のち女声総動員重唱)

・若者たち(男声アカペラ:総動員重唱→主旋律を榛葉独唱と他メンバーのハモリ→総動員重唱)

・男声自己紹介

・国境の町(大野独唱のち男声総動員重唱→川村独唱のち男声総動員重唱→今井独唱のち男声総動員重唱)

・心の瞳(男女総動員重唱)

*上記夢さん記事と放送を照合して判明する、放送から割愛された曲目

「ちいさい秋みつけた」「赤とんぼ」「同期の桜」「麦と兵隊」「群青」「大きな古時計」「上を向いて歩こう(全体合唱)」

 

〇第二部:躍動

・星のフラメンコ(塩入独唱のち男声総動員重唱と女声総動員ハモリ→川村独唱のち男声総動員重唱と女声総動員ハモリ)

・恋のバカンス(女声総動員重唱)

・ビューティフル・ネーム(男声総動員重唱)

・見上げてごらん夜の星を (演者・聴衆合同合唱)

・あの鐘を鳴らすのはあなた(内海・上沼・白石ユニゾンのち澤田・榛葉・横山ユニゾンのち男女声総動員重唱→中安・小笠原・吉田ユニゾンのち塩入・今井・川村・大野ユニゾンのち男女声総動員重唱)

*上記夢さん記事と放送を照合して判明する、放送から割愛された曲目

「別れの一本杉」「酒は涙か溜息か」「影を慕いて」(以上三曲は堀口のりゆき氏によるギター伴奏付)「愛の讃歌」「桃色吐息」「ロコモーション」「愛のフィナーレ」「 乾杯の歌」

 

上記夢さん記事でも言及されている通り、この公開収録は、白石さんが出演された最後の年でもあります。その時の体制の特徴としては、メンバーの出入りに2年以上の間隔があってその時々で残った全メンバーがそれまでに3年以上在籍されていた状態でした。ですので、土壌の大幅な変質はなく、熟成が続いていった感があります。そうした背景もあってか、当時のことが印象深いとするみかたもあり、現体制を悪いとは言わないまでも、当時の自然と息が合っている、現体制ではみられない様子ありとの見解があります。

 

それ故に、たとえ切り出しであったとしても、当時の体制のよさを改めて味わうことができたのは今宵の放送の一面と言えるでしょう。

 

ただ、恐らく私だけでない視聴者として、

 

本来二回の放送枠を無理に一回に縮めたがために単なる継ぎ接ぎである

 

との想いが今頃胸の内を占めていることも容易に想像されます。

男女のアカペラを入れるといった当時の特色を出すのは理解できるとして、秋の盛りの収録でも今宵は九月上旬という時期を考慮したといっても姿勢に一貫性を見出しにくい、第二部から特色あったギター伴奏付の古賀メロディーをごっそり外す(これはギター奏者の出演承諾の問題もあるか)、アンコール定番の「乾杯の歌」も割愛…、等視聴者それぞれの好みもあるにせよ、違和感を生む編集版を見せられたという声が聞えそうです。

 

一つ勘繰りたくなることとして、今宵や少し前の2015年の公開収録ダイジェストも、テレビ局のやっつけ仕事で枠にはめ込んだ、というものだとしたら、歌を愛する者として悲しいものです。この番組について前から気になっていたのが、

 

かつてコンサートにも出演されていた方々の番組出演枠をなくさないために、4年以内に加入された方々のうち少数での歌唱を意図的に減らしているのではないか、その結果として4年以内に加入された方々の個性がなかなか浸透しないのではないか

 

ということを以前綴りましたが、

 

この頃の公開収録ダイジェストを視ると、今年度収録分が来月から徐々に組み込まれるのを前に、中途半端に空いた枠を本来二回の放送枠を一回に縮めて公開収録ダイジェストとして複数年度分使いながら苦し紛れに繋いでいるような感が拭えません。無理な切り出しは邪推を招くように思います。

 

無理な切り出しをするに至ったのは、目先の視聴率に囚われて、4年以内に加入された方々の個性発揮の機会を奪い続け、浸透を妨げて旧メンバー出演枠の不自然な温存に走った結果に思えてなりません。公開収録ダイジェストでは流せない曲を現メンバーに委ねるといった取り組みが乏しいままではレパートリーも豊かなものにならず、本来強化されるべき「歌い継ぎ」の機能の向上が妨げられ、グループや番組の目的達成が遠のくようになる、今宵の放送はそうした大局的視点を欠いた番組制作を続けてきたことの産物を感じさせるものでもありました。