昨日、トランプが何の前触れもなく
メタボリック・金正恩と
朝鮮戦争の象徴・板門店
で電撃的に会った(だけ)。
これは、トランプ及び金正恩の利害が一致したから実現した。
トランプの場合、来年2020年11月に迫った米国大統領選挙に備えるため。
当日、敵=米国民主党の大統領候補を選ぶ討論会に関する米国マスメディア報道をつぶすためである。
20人も立候補希望者がおり、白熱した議論が予想されていたから、報道させたくなかったのだ。
選挙は勢いだからである。
20人もいれば、候補者の中から、良きにしろ悪きにしろ「ヒーロー」が生まれる可能性が高い。
トランプは誰よりもそのことを知っている。
彼自身、5年前の共和党候補予備選の際はまったく無名の泡沫候補だったわけで、
貧乏な白人層の感情に訴える問題発言で注目されて勢いがつき大統領になった体験があるからだ。
他方、金正恩は、経済制裁がボディーブローのように効いており、権力基盤に陰りが見始めている。
ベトナムでのトランプとの会談でまったく成果を発揮できなかったため、
側近だった北朝鮮米国外交責任者を処刑することで、引き締めをはかったが、
-次は我が身・・・
と恐れる側近たちの裏切りが気になってならないので、
自己の可能性に希望を与える必要性があった。
可能性とは、
ずばり
若さ
である。
誰もが認めている世界最強の米国の最高権力者と会い、
並んで歩くだけで自分の権威を高めることができる。
なんだかんだと言っても、75歳前後のトランプと30代の金正恩とでは
可視的に、将来の可能性という意味では、金正恩に軍配があがる。
ゆえ会談するだけで得なのである。
(昨年、韓国問題の専門家でTVにかなりの頻度で出演している某氏と会食した際、
我輩が、米ソ核戦争の危険が高かったキューバ危機の際のソ連のフルシュチョフと対峙・会談した
若き米国大統領・ケネディを例に挙げ「金正恩は、朝鮮のケネディを目指している」と発言したら
驚いた顔をしていたな。多分、彼は時期を見て、そういう発言をすると思う)