よもやま雑記噺

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著者が趣味の範囲内で思いのままに語る、ゆる~いブログです。

前回の投稿から随分と時間が経ってしまいました。その間には色々な事がありました。世界情勢が緊迫する中で開催されたパリオリンピックも無事閉幕し、日本のアスリート達の感動シーンを沢山観る事が出来ました。

先週には九州を震源とする大きな地震が発生し、初めてとなる南海トラフ巨大地震注意が発表されました。緊張状況の中、今度は神奈川西部を震源とする大きな地震も発生しました。こちらは自分が東京で暮らしていた際の活動圏内だっただけに驚きは大きかったです。

そして何より耐え難いこの暑さ💦🥵もうたまりません😭。名古屋では20日連続で猛暑日が続いており家に籠っていても熱中症になりそうなので、避暑がてら現在中日ホールで開催されているブラック・ジャック展を観に行く事にしました!

昨年、連載開始50周年を記念して六本木ヒルズ(だったかな?💦)で開催され好評を博した展示会の巡回展です。

今回の売りは何といっても500枚以上に及ぶ生原稿の展示にあります。ブラック・ジャックという作品または手塚治虫作品が好きだという方は勿論、将来漫画家になりたいと思っている方にも是非とも観て頂きたいです。現在の漫画原稿はデジタル製作されるものが大半かもしれませんが漫画の神様が手掛けた、まさに手作りの漫画原稿は観ているだけで様々な感情が生まれて来ます。

このブラック・ジャック展。実は今日2度目の訪問なんです。開催期間1ヶ月という事もあり、出来るだけ時間がある時に繰り返し訪問したいと思わされる、そんな展示会です。















ロビー展示物のみ撮影可となっており、館内は一切撮影禁止ですが、じっくり館内を楽しむためにもこれは当然といえましょう。生原稿保護の意味合いも勿論あるとは思いますが。

館内に入ると当時の編集者、手塚プロダクション社長、手塚眞さん、手塚るみ子さんのインタビュー動画が流れ、いよいよブラック・ジャックの世界に入ります。まずは記念すべき第1話・医者はどこだの生原稿が全ページズラリと展示されています。

この生原稿版第1話は昨年、立東舎さんから出版された、ブラック・ジャック ミッシングピーシズにも収録されています。




出典 出版社・立東舎 ブラック・ジャック ミッシングピーシズ 2023年発売


出典 出版社・秋田書店 週刊少年チャンピオン1973年48号 作品名・ブラック・ジャック 著者・手塚治虫


生原稿版と雑誌掲載版の表紙を較べてみると非常に面白いです。また実際に生原稿を間近で観ると、その緻密なタッチやホワイトの使い方など非常に勉強になる点が多く見られました。感動!😊

第2話から第4話まではトップスペースに纏めて展示されていました。第3話・ミユキとベンのオペシーンの生原稿はまさに涙モノでした😭第4話・アナフィラキシーのカラー原稿も色褪せる事なく保管されている事に感動しました😆。

展示形態は各エピソード事に額装された生原稿を中心にエピソード説明、主要なコマがパネル化されたもので構成され、生原稿もエピソード毎に1枚から6枚位まで幅広く展示されていました。

1回目に観に行った際はあまりにじっくり見過ぎて全部観るのに5時間位時間を費やしてしまいました。

全てのエピソードを紹介しているとキリがありませんが、今日2回目の訪問で注目したのはカラー原稿と改変原稿の状態確認でした。

改変原稿としてまず注目したのが、作品名・刻印です。これは第28話・指の原稿をコラージュ再構成し、新しいストーリーに直したものです。現在、指は刻印を作る際に原稿をバラバラにしてしまっているので指としての原稿が残っておらず、各出版物でも未収録となっている作品です。






出典 出版社・秋田書店 週刊少年チャンピオン1973年27号 作品名・ブラック・ジャック 著者・手塚治虫

国会図書館複写サービス使用


まず刻印の生原稿をじっくり観ているとコマを丸ごと切り貼りしているもの、コマ自体を改変する為に絵を細かく切り離し再構成したもの、吹き出し以外の部分を切り出し、新しく吹き出しを加えたもの、新たに描き加えらたものが渾然一体となっている事がよく分かりました。指は刻印に生まれ変わった為に収録されないんだとの見方も出来ますが内容的には随分と差異があります。しかし個人的には指のエピソードはあまりに救いのない進行や差別的表現も含まれている為、手塚プロダクションが今後も発表の意思がないと言い切っている以上、日の目を見る事はないんでしょうね。

その他には、ふたりのピノコの生原稿もしっかり確認して来ました。これもブラック・ジャック ミッシングピーシズに雑誌掲載版と単行本収録版が比較掲載されていますが、生原稿でもしっかりと切り貼りされている事が認められました。

カラー原稿として注目したのは第36話・しずむ女です。この話は新装版ではない、少年チャンピオンコミックス第4巻とブラック・ジャック大全集3巻のみに掲載されています。題材として公害による身体汚染を扱っているので、どちらかと言えば封印作品に近い位置付けの話かもしれません。ですが、この話に当時するヒロイン ヨーコがあまりに可愛く可憐なため1度読んで、すっかり魅了されてしまいました。




出典 出版社・秋田書店 週刊少年チャンピオン1974年35号 作品名・ブラック・ジャック 著者・手塚治虫


ブラック・ジャックの中でも数少ない巻頭オールカラー作品なので、もっと注目されても良いと思うんですがねぇ。雑誌表紙のヨーコと思われる女性を抱き上げるブラック・ジャックの絵も全く取り上げられる事がないのが残念です。とても素敵な絵なんですけど。




出典 出版社・秋田書店 週刊少年チャンピオン1974年8・25号 作品名・ブラック・ジャック 著者・手塚治虫


展示会にはナダレの表紙の生原稿も展示されていました。色使いが本当に素晴らしかったです。

以前ブラック・ジャック掲載誌を集めている時、友人に送ったスクラップブックの画像を近頃送ってくれたので、パク船長のカラー表紙も載せておきます。

最後に完全封印状態の第58話・快楽の座と第41話・植物人間から支障がない程度の画像をアップしたいと思います。






出典 出版社・秋田書店 週刊少年チャンピオン1975年4号 作品名・ブラック・ジャック 著者・手塚治虫

国会図書館複写サービス使用









出典 出版社・秋田書店 週刊少年チャンピオン1974年40号 作品名・ブラック・ジャック 著者・手塚治虫


これらの生原稿は果たして現存しているのか、非常に気になります💦😅。ブラック・ジャック展でも当然の事ながら展示される事はありませんでした。





名古屋展限定かは分かりませんが、コラボカステラも発売されていました。

最後に余談となりますが、第57話・ブラッククイーンに登場する桑田このみ女医。1980年放送のTVドラマ 加山雄三のブラック・ジャックでも実写化されていました。先日YouTubeを観ていると予告編集なる動画の中にブラッククイーンの予告編も収録されていました。



ブラッククイーンは江波杏子さんが演じられていましたが、何と!当ブログにも、いいね👍を頂いている北村総一朗さんもご出演されておられるようでした。(間違っていたら御免なさい)最近はめっきり再放送される事もないのですが、何処かで再放送してくれないかなぁなんて思っちゃいました💦😅。

ブラック・ジャック やはり素晴らしい作品です。