スカウトされた事を喜んでいたママ。

パパにも嬉しそうに話してた。

パパは、

「やってみれば?スーパーモデルの父親なんて、俺かっこよくない?」


なんて言っちゃって。
「そんなのなんないから」


なのに、今では、

モデルという仕事をしている。

私は、パパとママが18才の時の子だから、
スカウトされた時、2人は35才。

若い。

しかも、2人は私を産んだ時、大学生だったから、

きっと私を育てるのは、

金銭的にも、

精神的にも大変だったと思う。


まったくなるつもりがなかった私だったが、
ママが、スカウトされたうちの1社に連絡をしてしまった。
私がモデルになったきっかけは、

スカウトだった。

話に聞いたことはあったけど、

まさか、自分がスカウトされるとは思ってもみなかった。

高校2年生の夏休み。
ママと渋谷へ買い物へ行った時、

5社からスカウトされた。

ママも知っているモデル事務所からのスカウトがあったから、

ママ「すごいじゃ~ん」なんて嬉しそうだったな。


でも、私はなんの興味もなかった。

長身というだけでスカウトされたんだと思っていたし。

ファッション誌にもなんの興味もなかった。

17才からモデルをはじめて、今年で10年。


ファッション誌の表紙を飾れるようになった。





でも、


私は、


仕事関係の人間が、みな苦手。


おしゃれなつもりのスタイリスト。


美に対する執着心に、恐怖を感じるメイキャップアーチスト。


ただただ、えらそうで媚びるだけの編集者。


うわっつらな付き合いしかできない、同業者。


今のカメラなら、素人にだって撮れるほど技術のないカメラマン。


私をお金としか見てない、商社やメーカーのプレス担当者。


おしゃれの最前線に、自分達がいることに優越感を持っている、


自分大好きな人たち。


本当に苦手だ。



なのに、なんで、この仕事してるんだろう。


私。



そんな事を頭の中で考えながら、


撮影の照明に照らされながら、


カメラのシャッター音と、


耳障りなBGMを聞きながら、


私は、カメラのレンズの円だけに、気持ちを寄せて、


笑顔を作って、


ポーズを決めて、


ただただ、写真を撮られていく。



きっと、こんな事考えているなんて、


みんな知らない。