先日、大学の図書館で昔読んでいた資料をふと手に取る機会がありました。
ページをめくっていると、そこに見覚えのある付箋が残っていることに気づきました。大学院時代、指導教員の先生が付けてくださっていたものです。
当時の私は、「あまり直接的な指導を受けていないのではないか」と、どこかで思っていた気がします。研究について詳しく説明を受けた記憶も、はっきりとは残っていませんでした。
けれども、その付箋を見た瞬間に思い出しました。
先生は、私が調べた資料の中で重要な箇所に印を付け、さりげなく付箋を貼りながら、次に考えるべき方向を示してくださっていたのです。言葉で強く指示するのではなく、私自身が考えながら研究の道を見つけていくように、静かに導いてくださっていたのだと思います。
図書館の静かな空間の中で、その付箋を見つけたとき、胸の奥にじんわりと恩師のありがたさが広がりました。
あの頃は気づかなかった先生の思いを、今になってようやく少し理解できた気がします。
恩師という存在は、本当にありがたいものですね。私は大学院で今、教えていますが、恩師のような研究者でありたいです。