すんげー眠い。

隣のドラマの島を見ると、ロケから戻ってきても、

家に帰る前に力尽きて死んでいるスタッフがいっぱい。


来月にはオレも・・・とゾッとする。

はやく出社したはいいけど眠すぎるから寝よー、

とか思うけど、


遠くシリアでは戦友が必死でアラビア語覚えて俺に負けまいとしてる。

この街のどっかでは吐きそうになりながら脚本書いてる友達がいる。

アホなことやりながらプロ的に仕事をこなす素敵な女の子もいる。

桜新町には「インシュアッラー」という呪文を駆使し、大人のお酒を飲む奴もいる(いい奴)。


もったいなくて寝ていられませんよ。



7時間くらい、ほぼ熟睡して飛行機に乗ってたら、着いたのはドバイ。

ドバイで乗り換えをしてからカイロを目指すのだ。
3時間の待ち時間。空港の中だけやけど、完全におのぼりさん。
ふわ~っとして、もう、なんのこっちゃわからない。

ドバイの印象も、“なんか発達してきてる”と“競馬が有名”くらいしか知らん。
新聞とか読んでたらもっとわくわくしたんやろうけど。
軽く買い物しようにも物怖じして両替もできん。
まあドバイには別に用はないからな~…とか言い訳しつつ、出国の時間を待つ。

このとき俺は、後になってこの国が俺に深く関わり、からまりついてくるとは思いもしなかったのだ。

ぽけーっとしてから、ぞろぞろと飛行機に乗り込み、またすぐ寝る。

あっと言う間にカイロ到着。
ここで思ったのは、「ニオイ」が日本とそんなに変わらないってこと。

思い返せば、卒業旅行で単身インドに乗り込んだ4年前。
飛行機から降り立った瞬間、インドが放つ香辛料と体臭と砂埃のニオイに、激しく身の危険を感じたのを覚えている(事実何度も身の危険を感じ、その何倍もの素敵な経験もした)。

エジプトは、まだ俺に何も訴えてこない、そのことが逆に俺を不安にさせた。

カイロ空港からカイロ中心部までは、バスで行かねばならない。
そして当然、そこからサバイバルの旅は始まるわけである。
ドラクエでいうと、街を出て、モンスターのいる地域に分け入っていく感じである。
「地球の歩き方」を持っているとはいえ、とりあえず、数字が読めん。
エジプトでは数字が123では書かれておらず、アラビア数字でしか表記されていない。

偶然仲良くなった韓国人新婚旅行者2人と協力しながら、なんとかカイロ市内へ。
しかしこの時は全然慣れていなくてこの新婚さん2人とあまり絡めず。

時間的には午後の2時くらい。
まず俺がしたことは、鉄道チケットと宿の確保だった。
カイロ中心のタフリール広場から地下鉄で3駅ぐらいのラムセス駅にチケットを買いに来た。
移動手段は当然徒歩。街の雰囲気や地理をつかめるし、間違ってどこか遠くに飛ばされることもない。何よりだまされようがない。

ここでひとつ確認だが、僕は基本的にアジア中東地域に足を踏み入れるとき、
とにかく警戒レベルをマックスにあげる。
インドなどでは100パーセント人を疑ってかからないと速攻でいろいろな物をだまし取られるからだ。
それくらい色々とトラップが仕掛けられている。
インドは逆にそれが楽しいし、半端なくエネルギーに溢れていて大好きなのだが…それはまた別の話。

エジプトも、インドと同レベルくらいの危険度で考えていた。
しかし、街の雰囲気がどうも違う。
なんか平和だ、そんで、人と人との距離感もインドほど近いとは感じない。

今後の方針としては、明日の夜カイロを発ち、南下してルクソールかアスワンに行こうと思っていた。
ルクソールにはツタンカーメンが眠る王家の墓があり、
アスワンにはイシス神殿やアブシンベル神殿がある。

165ポンド(3500円くらい)のチケットで、ルクソールとアスワンどちらでも降りれるよーと教えてもらい、それからホテル探し。
物価は日本の五分の一くらいだなーと認識する。

なんか「さくらホテル」という所が良さそうだという情報をゲットし、さくらホテルに行く。

一泊1000円くらいにしてはかなり綺麗なホテルだった。
軽く腕立てと腹筋をしてから街にくりだす。
海外に来ると、何故か日常的に筋トレをしたくなるのですわたし。

カイロ中心部を5時間ぐらいぐる~っと練り歩く。
途中で名物「コシャリ」を食べたり、カイロ大学を覗いたり、オペラハウスを観たり、オペラハウスにある博物館に行ったり。

ここにあった博物館が当たりで、1時間半くらいいたのだが、ある一カ所に来ると、そこにあるエネルギーで背筋がぞくぞくして怖くなった。そういう絵があるし、そういう空間があの一角にはあった。お薦めです。

ナイル川も初めて見た。
なんか、「さらさらとしている、女性的」な印象だった。
インドのガンジス川とは全く印象が違う。
まだまだ奥が深そうだったが、この夜、カイロ市内では、ナイル川は聡明に見えた。

しかし、相対的にカイロは本当に都会で、人も店もオシャレだった。
なんか、ソウルたすデリーわる2みたいな印象。
漢字であらわすと、『知』かなぁ。
発達していて、聡明な印象。

でも俺は、生意気にもなんか物足りないなぁ…と思ったりしていた。
インドはもっともっとパンチあったぞ~っと。

さくらホテルに帰り、
このやろーエジプトめ、いい顔ばっかしやがって。
本性あらわしてみやがれ!
もっともそんな大層なもん、お前が持ってたらやけどな!
ケッ!!
そんなことを思いながら眠りについた。

そして翌日、27歳になるカツヒコくんのご期待通り、
数千年の歴史を持つエジプトくんは本性をあらわしたのだった。