先輩弁士山崎バニラさんのソロリサイタルに行ってきました。


第一部は短編3本、休憩をはさんで第二部がキートンの長編「キートンの滑稽恋愛三代記」という構成でした。


無声映画時代のアニメーションというテーマで、第一部の3本は、大藤信郎「のろまな爺」、喜劇映画研究会所蔵の「アニメーションはじめて物語」、ポーランド系ロシア人で世界で初めてのパペットアニメーションを作ったといわれるラディスラフ・スタレヴィッチ「不思議な舞踏会」でした。第一部は下手側で、大正琴や笛なども駆使しつつ説明では細かいツッコミを入れるというバニラ弁士にしかできない超絶技巧に舌を巻いて口あんぐりで見ておりました。喜劇映画研究会の新野さんが脚本とイラストを担当した「アニメーションはじめて物語」では、ワタクシも一昨年の一門会でやったベン・ターピン「Yukon Jake(邦題「お山の大将」)の一部が流れていて、個人的に非常にアガりました。スタレヴィッチというと「昆虫カメラマンの復讐」の人ですね。あの可愛さと気持ち悪さが同居する映像の強度は驚きです。また、こちらは可愛らしさしかない千代紙アニメ「のろまな爺」ですが、その実ファンシーなキャラたちを使って非常にゲスい話を展開していて、そのギャップにやられました。


そして第二部の「キートンの滑稽恋愛三代記」。今度は上手側でピアノ、カスタネットの演奏も交えた活弁でした。石器時代、ローマ時代、現代(1920年代)を三つの時代それぞれで主人公の恋愛が成就する過程を描くもので、石器時代に恐竜に乗るキートンを描くシーンにパペットアニメーションが使われています。また、ノンクレジットでオリバー・ハーディが出演しているということが前説でも中説明でもしっかり触れられていました。演奏も自分で行うということ以外に、中説明での情報量の多さ(しかもそれを違和感なく出来る)という点もバニラ弁士の強みだと思います。冒頭の神(まさに!)の視点の語りからなめらかに移行して行くところなど、とても勉強になりました。