家族三人としてすごせる最後の一日。

今日の夕方には手続きをする予定
手続きが完了してしまえば・・・


気持ちの整理はついているつもりだった。
名前は変わってしまうが俺の息子にかわりはない!
俺が父親なのはかわらない!

どんなに離れていても気持ちは子供の傍に
 
 これからも  いつまでも  いつだって



昼までは俺の希望で自宅ですごさせてもらった。
離婚してしまえば、お互いの自宅では会わない約束。
息子と会う時はは外で・・・


ゆっくりと部屋でくつろぎながらの生活がなくなるから
少しでも自宅で一緒に家族としてすごしたかった。


昼食とり、息子は昼寝のはずだが今日は寝なかった・・・
昼寝の時間で妻との時間をつくるつもりだったのだが。


結局、昼食後に外出になってしまった。
銀行をまわり、解約手続きなどをすませる。


離婚届けをだすにはまだ時間があるので
家族三人の写真を撮ろうと思っていた。


平日なのに予約でいっぱい。
写真撮影は時間的に無理・・・


そのおかげで!?時間があいたので三人で港へ
息子は車のなかで眠ってしまった。


車中で妻と話をする時間がとれた。
妻へ今までの感謝の気持ちなど伝える事が出来た。


二人の理由で息子を寂しい思いをさせる結果になってしまった。
だから夫婦で息子の幸せになる為にはどうすればいいか

毎晩たくさん話をした。


ずっと息子の話ばかりで妻への気持ちを話する余裕がなかった。
たとえ話をしたとしても、今の妻には信じてもらえないとも思っていた。


 何も信じてもらえないなら・・・
 息子が大切だからと思われるなら・・・


どこまで信じてもらえるか分からないが
今の気持ちを素直に妻に伝えた。





港の公園で三人で散歩。

同じように子供連れの方と話をしたり
散歩中の犬を怖がり、走りながら抱っこをせがむ息子。


はたからみれば幸せな家族に見えるのだろうな・・・
まさか今から離婚届けを出しにいくようには見えないだろう。


三人で写真を撮った♪
息子を中心に自分達にむけてシャッターを押す!


 三人の写真  妻と息子の写真


きっと一生持っている事になるだろう。






区役所に着いた。


 懐かしい。


3年前、結婚式の当日に二人で婚姻届けを出しにきていた。
あの時は、まさかこんなかたちでまた二人で訪れるとは
夢にも思わなかった・・・


手続きはあっけなかった。


離婚届けをだすまでのあいだ。


 どれだけ悔やんだ事か どれだけ悲しく辛かった事か  
 どのくらいの涙を流したのだろうか。

そんな気持ちが嘘だったかのように簡単に処理される。

息子を抱きかかえながら区役所をあとにする。



その後、三人で夕食をとった。
まだ小さい息子は食べれるものが少ない。


 いつか一緒に料理がしたかった・・・
 家族でテーブルをかこみいつまでも楽しく食事とかしたかった・・・


ここでも周りには仲の良い幸せな家族に映っているのだろうな。




自宅にもどり息子とお風呂にはいる。
あと何回一緒にお風呂に入れるのだろうか・・・


息子を寝かしつけ、妻と二人で今までの話や今後の話をした。

そして離婚した今だから信じてもらえるだろうと

妻にまだ伝えていない気持ちを伝えた。


 何年先になるかわからない・・・

 もし俺を許してくれる気持ちになったら

 また一緒に暮らしたい




 


 

 平凡な日常・・・
 あたりまえの生活・・・


 自分の人生で一番欲しかった“家族”


 自分の思いやりのない言葉の数々で
 全てを失くしてしまうなんて・・・