「子供いるんですか。いくつですか?」
金曜の夜、宴会の合間に統括店長にチィは聞いた。
年は三十半ばだろうか、細身の長身で従業員からの信頼もあつい人。
耳にはピアスの後らしき穴の跡が見える。
宴会用の仕込みがひと段落した統括はぶっきらぼうに言った。
「いるよー。今十歳と五歳。」
「あー、もうそんなに大きいんですかあ。」
「たまにしか会えないけどね」
〈そりゃそうだろう。いろんな店舗の管理しなきゃだし、ほとんど休んでないし。〉
その日、統括は店泊して翌日のランチ営業から働いていた。
「現場は大変でしょ。」
統括は苦笑いをしながらチィに向かって呟いた。
疲れてるのか、それとも今の生活が当たり前になって達観しているのか。
なかなか掴み所がない。不思議な人だった。
「でもまあ、家族は大事にしなきゃな。俺が言うのも変だけど」
「そうですね。ただ、一生で一定期間は仕事仕事にならなきゃ、突き抜けられないですし、頑張りますよ
」〈とは言いつつ、たまには家族で外にでも出かけてみるかあ〉
翌日、ランチのみのしゅっきんだったので、夕方から近所のバルで軽く白ワインとデリをつまみながら、妻と語らい、子供戯れた。
心が確かに軽くなった。
そんな気がしていた。
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