衆議院議員 加藤公一の議事録(仮) -2ページ目

【60】平成19年11月6日

168-衆-法務委員会-4号 平成19年11月06日



○下村委員長


 次に、加藤公一君。



○加藤(公)委員 

  

 民主党の加藤公一でございます。


 本題の閣法二法に入る前に、先週に続いて、鳩山法務大臣の御発言の問題について幾つか伺いたいと思います。
  

  まず、情報がいろいろ錯綜しておりますので整理をいたしますと、鳩山法務大臣が五年前、バリ島のクタの爆弾テロ事件の直後バリに行かれた。その段階で、ある昆虫標本商の方、Aさんとしましょう、Aさんがテロ組織にかかわりがあるようだという情報を得られた。日本に戻られてから防衛省、当時は防衛庁あるいは警察にその情報を伝えたけれども、どうも動きが悪かった。あるいは、その二年ないしは三年後に、そのAさん、アルカイダとおぼしきAさんという方が日本に二度三度と入国をしている、こんな話も聞いた。これは入管に伝えた。こういう話でありました。


 前回の質問のときに、では、本当に当時の鳩山邦夫議員が各省庁にその情報を渡して調査依頼をしたのかどうか、ぜひ御自身でお調べをいただきたいということを申し上げました。その結果について承りたいと思いますが、いかがでしょうか。



○鳩山国務大臣


 委員会終了後に、事務所の者に当時の記録がないか確認をいたしました。すると、平成十六年二月当時に入国管理局長から、交換した名刺、もらった名刺がありまして、日付も書き入れてありましたので、このときに入管局長と会ったことは間違いありません。


 先般お話ししたように、そのときに私は、今委員がおっしゃったいきさつは大体先般私が説明したいきさつと一緒でございまして、そういうことであるから、日本国内をそういう人物が平気で歩けるというのはどういうことだということを厳しく言ったわけであります。それも複数回入ってきているのではないかということを申し上げたわけでありますが、それは入管局長だったかそのおつきの人だかわかりませんが、パスポートの変造、偽造を見破るのは大変難しいし、名前がいつも同じであるかどうかもわからないので、ある意味では手の打ちようがなくて調べるのは大変だというような返事が数日後にあったんだろうかと記憶をいたしております。私は、そんなことで、そんな入管の体制で危険、不審人物をシャットアウトすることができるのかと相当厳しく叱責をした記憶が残っております。


 実は、警察とか防衛省についてはそうした名刺等が出てきませんので、だれにいつどうしたということが今のところはっきりしておりませんが、今後も事務所の過去の書類等はいろいろと調べてみようと思っております。


 ただ、私自身が当時、この間もお話ししたと思いますが、有事立法の事態特の委員長をいたしておりましたから、それはその前ですね。最初に、つまり不審人物、その標本商が入国したのはその後ですから、その前の段階のとき、私がバリ島へ行って、きょう委員会に提出させていただいたようないきさつで、身近にこういうことがあるんだなと驚いて帰ってきたときには私は事態特の委員長でございましたので、防衛省、当時の防衛庁の方々は毎日のように出入りをいたしておりますので、しかるべき方にいろいろ話をした記憶はございます。



○加藤(公)委員


 これは前回も私は申し上げましたが、大事なことは、そのアルカイダにつながり得る人物のかなり細かな情報を当時の鳩山邦夫議員あるいは委員長だったかもわかりませんが、議員が入手をされた。場合によっては、それは日本国がするかどうかは別にして、その特定の人物の身柄を確保することもできるかもしれないような情報であります。それを当時の政府に伝えて、もしも何も動いていなかったとするならば、これは大変ゆゆしき問題であって、国家の安全保障に直結することでありますから、だから私は、事実関係をはっきりさせるべきだという趣旨で、この前、調査をしてくださいということを申し上げました。


 今のお話ですと、その第二段階の方の入管の件は、その後の対応がいいかどうかは別にして、入管の方に大臣がお伝えになったということはわかりました。その前段階、一番最初の防衛庁なり警察なりに伝えたかどうか、御本人の記憶では伝えたということでありますからそれを信じたいとは思いますが、ぜひ今後もそれは調べていただきたいと思います。


 そしてあわせて、委員長にお願いしますが、これはもうここ数日理事会でも御協議いただいていますけれども、この事実関係を明らかにするためには、各省庁の方で持っている記録、これを明らかにしていただくほかに方法はないのではないかと思いますので、引き続き理事会で協議いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。



○下村委員長


 後ほど理事会で協議させていただきます。



○加藤(公)委員


 この事実関係を明らかにした上で、私が申し上げたいのは、では、当時の政府がどれだけ緊張感を持ってこのテロ対策に当たっていたかということを検証することでありますし、同時にそれが、今の我が国が置かれている状況の中で、これからいかにしてテロを防止していくかという政策に直結するというふうに考えておりますので、これは何も、鳩山大臣がこういうことを言ったからいいんだ、悪いんだという話とは別のことでございますので、この前は大臣の御発言によって日本のイメージを悪化させたことは責任問題だとは申し上げましたが、それとは別の意味で極めて重要なことでありますから、ぜひ引き続いてお調べをいただきたいというふうに思います。


 続いて、きょうは極めて時間が限られておりますのでどんどんいきますが、前回、水戸少年刑務所の情報漏えい問題についても伺いました。これも前回の御答弁では、現在調査中だ、まだ詳細については明らかになっていない、こういうお話でありましたが、そもそも、情報が漏れたのはきのうきょうの話ではありません。発覚したのは十月の十六日でありますが、事が起きたのはもう半年以上も前のことであります。ほうっておけば、あるいは対処が遅くなれば、それだけ問題が大きくなったり、被害が拡大したりする可能性がございます。一刻の猶予もなく調査をまとめて、そして再発防止策をとる、責任ある方には処分を下すという対応が必要だと思いますが、この調査については今どこまで進んでいらっしゃるか、大臣から伺います。



○鳩山国務大臣


 この件については、現在、矯正局において調査を継続中ですが、流出した情報の対象者となる被収容者、職員等の正確な数の特定を調査中です。それから、流出した情報にかかわる文書の種類の分類についても調査中です。それから、流出した情報にかかわる個人情報の内容の特定等についても今調査中で、相当程度調査が進んでいるものと承知をいたしておりますが、まだ完了はいたしておりません。



○加藤(公)委員


 これは、実際には行政文書が漏えいをしているということだと思いますが、それは間違いないですね。



○鳩山国務大臣


 流出情報の対象者となる被収容者や職員の数の特定についてはおおむね調査は終わっているんですけれども、先ほど申し上げた、流出情報にかかわる文書の種類が何であるかということや、あるいは個人情報の内容の特定についてはさらに調査が必要だという段階で、そういう行政の情報が出て、要するに不利益をこうむる方が出てくる、つまり、不利益情報がどの程度あるかということについても鋭意調査をいたしております。



○加藤(公)委員


 これは、一々今、はしょりますから細かなことは言いませんが、もともとが、公用パソコンの中にあったデータがウィニーを通じて流出しているわけです、情報が漏えいした。ということは、その公用パソコンの中に入っていたデータは、本来、すぐにでも特定できるはずでありまして、流出してはならないような重要なデータであれば、バックアップをとっているのか、あるいは紙の書類に印字をしてあるのか、何がしかの方法でこれは確認できるはずだと私は思います。


 その意味においては、大分進んでいるとはおっしゃっていますが、調査します、調査しますで時間がかかっているのは決して望ましいことではないと私は思いますので、そろそろ、いつまでに調査をまとめて公表するのか、期限を切っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。



○鳩山国務大臣


 それはやはり、調査が終わるまであとどれくらいかかるかは、ちょっと私が今知り得ている状況ではありませんので、できるだけ急がせるということしか私は申し上げられません。



○加藤(公)委員


 大臣が知っているか知らないかではなくて、大臣が指示をすればいい話だと思います。最高責任者でいらっしゃるんですから、いつまでにやれと一言言っていただけば済む話でございまして、逆に言えば、これができるのは法務大臣しかいらっしゃらないわけであります。


 しかも、今回の件は、庶務課長が用度係長に指示をして結果的にこういう事件が発生しましたが、その庶務課長は、水戸少年刑務所のネットワーク管理者であります。つまり、システムの責任者です。その方が起こした問題でもあるということを少し頭の片隅に残していただいて、いついつまでに結果をまとめろと指示していただきたいと思いますが、いかがですか。



○鳩山国務大臣


 ですから、それは関係者と協議をして、できるだけ早く調査を終えるように言いますし、あとどれくらいかかるかということも、概算のものを聞けば、では、この辺までにやれという指示もできるかと思います。



○加藤(公)委員


 実際、法務省で三回目です、この情報漏えい事件というのは。初めてのことではありません。ほうっておけば、二度三度どころか四度五度発生する可能性があるわけです。だからこそ、私は、一刻も早く是正措置をとるなり、再発防止どころか、もうこれで三回も起きているんですから再発どころではありませんけれども、抜本的な制度の改正というものをしなきゃいけないという強い意識があります。だからこそこの点を強く申し上げているので、引き続きこれは次回以降の委員会でも私は議論をさせていただきたいと思います。余りずるずるやっていただいていると国民の皆さんからも見放されてしまうと思いますから、そろそろいいかげん期限を切っていただくようにお願いをしておきたいと思います。


 それからもう一つ、実は、前回の質疑の中で調査中だという御答弁がございました、京都地方法務局と財団法人民事法務協会の問題であります。労働者供給事業の問題でありますが、これは、元労働大臣でいらっしゃる鳩山邦夫法務大臣におかれては、いかに大きな問題かというのは容易に御理解をいただいているものと思います。職安法四十四条に違反をした状態が十二年間も続いていたという話です。


 この件については、いつ調査が仕上がって是正措置がとられるのか、期限はいつか、伺います。



○鳩山国務大臣


 前にもお話をしたかもしれませんが、短かったんですが、労働大臣というのをやったときに、要するに、昔の明治時代のいろいろな人身売買のようなことの説明を受けて、労働というものについては、労働者派遣だとか職業紹介とか非常に難しい問題があるんだ、こういうことでありました。これが、労働者派遣等も大分緩く、門戸は広がる。


 しかし、今回の問題は、あれは明らかに偽装請負と言わざるを得ないような状況が生じた、しかもそれが非常に複雑に、何カ所も経由した人に直接法務局が指示をするというような形で労働法規違反が起きているということでございますので、これは大阪労働局ですね、だから、これは是正をしろというふうに言われて、是正措置をとるように今指導している段階だと私は認識しているんですが。



○加藤(公)委員


 私が申し上げているのは、十二年間も違法状態が続いていた、だれも責任をとらなくていいという話ではございませんよねということを前回も今回も申し上げておりますし、もう一つ言えば、京都地方法務局だけではなくて、法務省所管の民事法務協会という財団法人、ここも職業安定法違反を犯していたわけです、同じ十二年間続けて。しかもここは、職員の三分の一が法務省からの天下りです。しかも、二百億円以上、毎年法務省から随意契約でお金が行っています。これは、前回も指摘をさせていただきました。その状態で、違法なことが十二年間続いていて、だれも責任とりませんというのはおかしいんじゃないですか、だから、早くこれは決着をつけて、それこそ二度と起きないようにするべきじゃないですかということを申し上げました。


 時間のようですから、最後にもう一回伺いますが、その責任の所在を明らかにして処分をするというのも大臣の重要なお仕事だと思いますが、いつ発表していただけますか。



○鳩山国務大臣


 いつとは今ここで申し上げられませんが、大阪労働局からの指導において、労働者当人の雇用の安定の措置を講ずること、まずそれが大事だと思いますが、この点については現在協議中でございまして、御本人の雇用の安定を確保した上で、関係者の処分について適切に対処したいと思います。



○加藤(公)委員


 この件も、結果がはっきりするまで引き続いて議論させていただきたいと思いますが、きょうは、時間でございますので、これで終わりたいと思います。ありがとうございました。



【59-2】平成19年10月31日

前【59-1】



続き



○加藤(公)委員


 では、先ほどの資料の御提出を期待して、次のテーマに行きたいと思います。
 先ほど大口先生もおっしゃっていましたが、冤罪の件であります。これも、もちろん過去から冤罪事件、残念なことではありますが発生をしているわけであります。この現代の世の中においても、先般、鹿児島の志布志の事件あるいは富山の事件、考えられないようなことが発生をしております。
 富山における事件の被害者の方あるいは志布志の事件の被害者の方、せんだって直接お目にかかりました。どれほどつらい思いをされてきたか。先ほど来、さっき警察庁の方もいらっしゃいましたけれども、二度とあってはならない、口で言うのは簡単でありますが、本当に二度と起こらないように国会で議論することはより重要だと私は思います。
 その前提に立って、大臣に伺いますけれども、きょうは法務委員会ですから、警察のことは少しわきに置いて、検察について伺います。
 鹿児島の志布志の事件あるいは富山の事件、いずれも明らかな冤罪事件だということがわかっておりますが、これを担当した検察官について処分をされましたでしょうか。あるいは、処分をされていないとすれば、だれがどのように責任をとるおつもりでしょうか。お答えください。



○鳩山国務大臣


 氷見の事件について申し上げれば、検察官が職務上の義務に違反したとまでは認められないので、処分をする必要はないと今現在考えております。
 最高検では、富山の事件等の問題点を調査、検討し、本年八月、報告書を取りまとめましたことは先生も御存じだろうというふうに思っておりますが、今のところ、今のところというか、職務上の義務違反とは考えておりません。



○加藤(公)委員


 実は富山の事件においては、証拠がほぼ捏造されているわけであります。実際には通話記録からアリバイがあったにもかかわらず、それは無視をされ、あるいは被害者の方がサバイバルナイフが使われたとおっしゃっていたところ、果物ナイフにすりかえられ、あるいはチェーンで拘束されたという証言に対して、被害者の方、被害者というのは冤罪の被害者の方の自宅にあった作業用のビニールに差しかえられ、まさに捏造された証拠で冤罪が生み出されたわけであります。実際、実刑判決が下って、二年以上にわたって服役をされてしまっています。
 服役をされた御本人、もちろん、精神的な苦痛、経済的な損失だけではなく、いまだ、刑務所を出てこられて、そして冤罪だということがわかった後でも、大変な御苦労をされていらっしゃいます。お仕事を探すのも大変、地域とのきずなを取り返すのも大変、御家族との信頼関係を取り戻すのも大変、並大抵のことではありません。だからこそ、書類上判断をして、いやいや、責任があるとまでは言えないんだ、この一言で済ますということに私はどうしても納得がいかない。
 これは、大臣として政治的に御決断をいただいてもよろしいんじゃないかと思いますが、もう一度伺います。



○鳩山国務大臣


 これは氷見の事件でよろしいですね、服役までしたわけですから。
 本件では、被告人とされた方のアリバイを裏づける証拠が存在しておって、この点は、確かに、結果的に見れば、検察官の捜査が不十分であることは否めないわけですね。だから、そういう点は真摯に反省する必要があるんです。
 しかしながら、特段のアリバイ主張をなされなかったということなどから、検察官が電話発信履歴の確認を十分にしなかったこと、これをもって直ちに職務上の義務違反とまでは言えないわけでございまして、こういう冤罪は二度とあってはならないのでありますが、職務義務違反で処分というところまでは私は考えておりません。



○加藤(公)委員


 私は、明らかに責任があると思いますから、どなたかが責任をとられる、処分を受けるべきだと思いますが、ここで水かけ論をしていると時間がなくなりますので、別の観点から伺います。
 大臣は今、処分を科すほどの責任はない、こういう御判断だという答弁でしたが、では、せめて被害者の方に正面から謝罪をされるということがあってしかるべきだと思いますが、それはいかがですか。



○鳩山国務大臣


 これは昨日、参議院でも聞かれた点でございまして、富山地検において検事正及び次席検事がその元被告人の方に直接謝罪をいたしたわけでございます。その言葉は、このたびは誤った起訴をし、誤った刑の執行をしてしまい、大変申しわけないことをしました、謝罪いたしますという文言であります。



○加藤(公)委員


 では、そうおっしゃるのであれば、その謝罪の場所はどこで、どういう面会の仕方をされたのか、御存じですか、大臣。



○鳩山国務大臣


 それをきのうの質問で聞きまして、富山地検に来ていただいたような話でした。




○加藤(公)委員


 大臣のお立場だから来ていただいたとおっしゃるんだと思いますが、被害者の方がどう受け取られたかというと、見ず知らずの人がいきなりやってきて、車に乗せられて連れて行かれた、何だかわからない建物の二階だか三階だか四階だかに連れていかれたら、背広を着た人が何人か立っていて、名刺ももらえないから相手がだれだかわからない、もごもご言ってそれでおしまいだったと。御本人は、謝罪をされたというふうには全く認識をしていらっしゃいません。
 謝罪というのは、相手が、ああ、誠意を込めてわびてくれたと理解をしない限り成立しないものだと思いますが、特に和をたっとぶ大臣として、そう思われませんでしょうか。



○鳩山国務大臣


 それはおっしゃるとおりだと思いますよ。謝罪というのは本来そうすべきものだと思いますし、それは私も、富山に行く機会があれば直接頭を下げたいと思います。



○加藤(公)委員


 大臣ももちろんでありますが、その富山の地方検察庁で、わざわざ呼びつけて、呼びつけるというよりはほとんど連れてきて、もごもごもごっとしゃべって、はい、これでおしまい、謝罪はしていますという報告が大臣のところに行く、この体質自体が私は問題だろうと思います。
 これを、改めて大臣が富山に行かれるのであれば、一緒にその検察の幹部の方も、私は担当検事もそうだと思いますが、被害者の方に頭を下げに行かれるべきだと思いますが、いかがでしょうか。



○鳩山国務大臣


 また反論されるかもしれませんけれども、例えば、刑事事件と思われるものが発生した、事件認知。日本は、慎重に証拠を固めてから公判請求しますね。だから、有罪率が九九・九%。ところが、諸外国では、ちょっと怪しいと、とりあえず起訴して公判請求して、ああ、無罪だったか、そういうようなシステムで裁判というのが行われている国もありますね。だから、裁判のありようというのはいろいろあると思うんですね。
 だから、冤罪という言葉も、無罪はすべて冤罪かというと、そういうわけではないと思いますね。だって、検察が公判請求して、無罪だったら全部冤罪かと言われたら、検察だって。
 そういう意味でいうと、冤罪という言葉は簡単に使いたくないんですが、富山の場合は完全な冤罪ですね。そういう意味でいえば、私が、加藤先生がおっしゃるような形で富山に行く機会があればと思います。



○加藤(公)委員


 行く機会があればではなくて、ぜひ行っていただきますように、この点はお願いを申し上げておきたいと思います。
 それともう一つ、これだけのひどい冤罪事件が発生をしたわけですから、二度と起きないようにするというのは極めて重要なことであります。国会で議論をして、仕組みをつくるなり、何か制度をつくるなりするべきだと思います。
 その中で、これは私の考え方でありますけれども、やはり今回の富山の事件あるいは鹿児島の事件もそうでありますが、自白に偏った取り調べが行われて、物的証拠が軽んじられてきた。しかも、その自白をとる段階では、うその誘導、例えば、お姉さんがもう好きにしてくれと言っているとか、考えられないようなことが実際に捜査員の方から発言をされているわけであります。これを防ぐためには、どうも聞くところ、大臣は若干お考えが違うようではありますが、私は、全面的に取り調べを録画、録音するべきだ、冤罪を防ぐにはこれしかないというふうに思います。
 改めて伺いますが、取り調べの可視化に取り組まれるおつもりはございませんでしょうか。



○鳩山国務大臣


 裁判員制度も始まりますから、わかりやすい裁判にするということもありますし、日本の捜査はやはり自白というものを非常に重視いたしておりまして、他の客観的な証拠や消極的な証拠をもっと見なければいけなかったという反省点が志布志の事件等ではあるんだろうと思っております。
 したがって、自白の任意性の確保ということは最重要の課題なのでございますが、逮捕のときから全部可視化ということになりますと、やはり、録音されている、録画されているということを意識して黙秘する、あるいはプライバシーに絡ませて質問をするということができないとか、そういう意味で供述がうまく得られない、そういう要因が生じるように思うわけでございまして、刑事手続全体における被疑者の取り調べということの持つ意味を十分考えながら、全面可視化、こう言われますと、ちょっと慎重にならざるを得ないと思います。



○加藤(公)委員


 今の大臣の御発言は、スタンスが調べる側なんですね、完全に。それは確かに、法務大臣で検察を所管していらっしゃるんですから、多少、善人的に考えればお気持ちはわからなくはありませんが、しかしそうじゃなくて、公正な取り調べが行われて、本当に罪を犯した人にはその罪を償ってもらう、そして今回のような冤罪は二度と起こさないという仕組みをつくることこそ、国会の議論として適切なんだろうと私は思います。だからこそ、私は、全面的に録音、録画をして、二度とこんな事件を起こさないという決断をするべきだと思います。
 恐らくこれは水かけ論になると思いますから、きょうはこのくらいにしておきますが、その点、強く申し上げておきます。
 それともう一つ、再発防止策として、実はこの富山の氷見の冤罪被害者の方はいまだに、社会復帰と言うのは大変失礼なんですけれども、被害に遭われた状況から回復をされていないと私には見受けられます。国賠で争っていらっしゃるからなかなか言いにくいとは思いますが、これ以上二次被害を生み出さないように、大臣には、御答弁は結構です、御配慮をいただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 それからもう一つ、志布志の事件の件に関して言えば、被害者の方の中の一部では、この事実を自分があちこちへ行って話してもいいよ、例えば警察なり検察なりへ行って、現場の方に何でこんなことが起きたのかというのをきちんと話してもいい、こう言っていただいてもおります。適切な、公正な捜査あるいは取り調べをする上では非常に貴重な証言になると私は思いますので、このこともぜひ御検討をいただきたい、要望として申し上げておきます。
 では、続きまして、水戸少年刑務所における個人情報の流出事件について伺いたいと思います。
 ことしの四月に、水戸少年刑務所の庶務課長が使用していた公用パソコンが故障をした際、直属の部下ではない用度係長にそのパソコンのデータ修復を依頼されたそうであります。その係長は、パソコンのハードディスクを抜き取って、自宅に持ち帰ってそこで修復作業をした、うまくいかなかった、しかし、その自宅の私物のパソコンに極めて重要な個人情報のデータが残っていて、それがウィニーを通じて流出をしてしまった、こういう事件であります。
 この事件を調べると、どうも法務省がこれまで情報管理のために定めてきたルールを逸脱しているのではないかというふうに私は思います。この庶務課長もそうでありますし、用度係長もそうであります。情報管理のルールが当然設定されていたと思いますが、それをこの二人は遵守していたんだと言い切れますでしょうか。大臣、いかがですか。



○鳩山国務大臣


 それは言い切れないんです。
 要するに、前にも京都でありましたよね、そういうことも絡んで情報セキュリティー対策、個人情報保護の規定というものをつくりまして、矯正局長の通達で、庁舎外への情報システムの持ち出し、庁舎外における情報処理、私物パソコンを使用しての情報処理を原則禁止、また、矯正局の総務課長通知により、保有個人情報が記録されている媒体の外部への送付または持ち出し、自宅での保有等を原則として禁止、こういうふうになっておったわけですが、反省に基づいて、今回、水戸においてこのような事案が生じた、まことに申しわけないことだと思っております。
 当初、用度係長が家に持って帰って、持ち出したのでこんなことになってしまったという報告を私は受けたわけで、でも、ちょっと待てよ、事情があるんじゃないかと聞いてみたら、庶務課長、上役から公用パソコンが故障したので何とか直してくれないかと頼まれて、家に持って帰っちゃったと。家に持って帰ったということはまさにルール違反なんでございますけれども、そう言われて得意だったんでしょうか、では家に帰ればできるかなというところに甘さがあったんですが、多少考慮してやる余地はあるような気がするんです。自分で何かの目的で勝手に持ち出したのではない。ルール違反であることは間違いありません。




○加藤(公)委員


 大変残念なことでありますが、過去にも情報流出事件が起きています、大臣御存じのとおりだと思いますが。私の知る限り、過去三回発生をしております。その都度、再発防止のためにということで何がしかの手だてを講じていらっしゃいました。法務省として再発防止策を講じてきた。しかし、それを拝見いたしますと、今回は過去三回の教訓がことごとく無視されています。全くその教訓が生かされていない。
 つまり、内部の規定、ルールも逸脱をし、過去三回の教訓も全く生かされていない。その意味でいえば、係長御本人が個人で悪用しようと思って持ち出したわけではないことはよくよくわかりますが、しかし、現実に定めていたルールから大きく逸脱をしたという意味においては、かなり罪の重い話だと思います。
 もちろん、持ち出した御本人だけの責任だとは思いません。修理を依頼した課長も、本当にそれが適切だったのか。その方個人に、パソコンのデータ修復をちょっと頼むよ、こういうことが本当に適切であったのかという問題もあります。あるいは、さらに上席の方の管理監督責任も当然問われる。しかし、だれも責任とりませんという話ではないはずでありまして、大臣、この問題、どのように処分をされるか、あるいは責任をとらせるおつもりか、明言していただけますでしょうか。



○鳩山国務大臣


 先生がおっしゃるとおりでして、過去三回、かなり大規模な流出、水戸刑務所よりも大規模な流出があったりしながらも、その教訓が生かされなかった。壊れた、ちょっと直してくれ、そこに油断があった。先生御指摘のとおり、直してくれと渡したものをどうしたか追跡しなかった上司にもいわゆる責任はあるでしょうし、さらにその上司も、その上司もあるかもしれない。
 そういう意味で、流出した情報の内容、経緯、情報管理の現在の具体的状況などについて現在も調査を継続中でございまして、調査結果を踏まえて対処したいと思っております。



○加藤(公)委員


 その調査というのは一体何を調査していらっしゃるんでしょうか、教えていただけますか。



○鳩山国務大臣


 これは確かに、法務省で用意した資料は、流出した情報がどういうものであるか、流出した情報の詳細な内容の解明あるいは被収容者、職員等を含めた対象者の数の特定、対象となる被収容者、職員等の現状の把握等について鋭意調査を進めている。
 例えば、既に仮釈放されている方の名前も入っているかもしれないし、面会に来た方の名前も入っているかもしれないし、名字だけの場合は、これは、それこそ年金ではありませんが、照合していかなくちゃならぬということで、そういうことを特に中心に調べておりますが、先ほど御答弁申し上げましたように、内容だけじゃなくて、どういう経緯で流出したかということもきちんと調査しなければ本当の調査になりません。



○加藤(公)委員


 個人情報でありますし、特に受刑者の方の情報も含まれておりますから、刑務官の方の情報ももちろんおありだということですが、受刑者の方の情報もあります。今後社会で更生をしていただく足かせにならないように、取り返しのつかないことにならないように、気をつけていただかなければならない。だから、私は強く申し上げております。
 その調査は、徹底してやっていただきたいのはそのとおりなんですが、いつ公表をしていただけるか、最後にこの点を伺いたいと思います。



○鳩山国務大臣


 これは役人答弁しかできないんですね。アズ・スーン・アズ・ポシブルということでしょうか、できるだけ急ぎます。



○加藤(公)委員


 本来納得したくないお答えではありますが、先ほど申し上げたもう一方の方の宿題を優先していただきたいものですから、きょうはこれぐらいにしておきます。
 もう一つ、残り時間で。
 では、京都地方法務局と民事法務協会、この両者における偽装請負、違法派遣問題についてお伺いをしたいと思います。
 鳩山法務大臣は、以前労働大臣もお務めでいらっしゃいましたので、細かな御説明を申し上げなくてもいかにひどい実態があったかということは容易に御理解をいただけていると思いますので、それを前提に承ってまいります。
 まず、京都地方法務局が職業安定法四十四条に違反をして十二年間にもわたって偽装請負を受け入れていた、そして、これをことし大阪労働局から是正指導を受けた、あわせて、法務省所管の財団法人民事法務協会がその京都地方法務局に十二年間も偽装請負を送り込み続けていた、さらに、その民事法務協会自身が民間企業から十二年間にもわたって、ここは偽装請負か違法派遣か微妙なところですが、いずれにしても、労働者供給を受け入れていた。
 三つの違法状態があり、これが大阪労働局から是正の指導をされました。これは事実でありますね。イエスかノーかでお答えください。



○鳩山国務大臣


 加藤先生御指摘のとおり、非常に複雑な、途中で、悪く言うとピンはねしかしないような会社が入っているのか、そういう状況の中で、結局、京都地方法務局がその労働者にほかの仕事もやらせるという、つまり、請負でなくて、実際に電話番をやらせたか何かわかりませんが、ほかの仕事をさせたという意味では、先生のおっしゃるとおりだと思います。



○加藤(公)委員


 京都地方法務局ももちろん問題でありますが、この財団法人民事法務協会というところは、みずからも、違法派遣か偽装請負か、これはちょっと微妙なところですけれども、いわゆる職安法四十四条で禁止をされている労働者供給事業の供給を受けて、さらに京都地方法務局に人を送り込んでいた、いわゆるピンはねをしていたという疑いがあります。極めて罪の重い話だと私は思っております。
 この民事法務協会は法務省の所管でございますから、当然法務大臣から指導あるいは改善命令をされたと思いますが、いかがでしょうか。



○鳩山国務大臣


 これは、大阪労働局からの指導を受けて、当然改善しなくちゃならぬわけですが、その前に、その方、当該労働者の雇用の安定を図る。つまり、その図の中に出てくる、どこかに勤めたらどうだとか、いろいろやっているようですが、まだ結論が得られていないということで、大阪労働局からの是正措置の途中でございまして、この推移を確認した上で、きちんと指導をしなければならぬと思います。



○加藤(公)委員


 では、それにあわせて伺いますが、これは、民事法務協会ももちろんですし、京都地方法務局ももちろんでありますが、十二年間も違法な労働者供給事業を行っていたというのは相当悪質な話です、実際には。私もサラリーマン時代は人材ビジネスに携わっておりましたから、この分野は多少うるさく申し上げますけれども、世の中、民間企業であればあり得ない話です。それが十二年も続いていた。
 相当責任の重い話だと思いますが、この責任は一体どなたがどうとられるおつもりか、お答えいただけますでしょうか。



○鳩山国務大臣


 全くおっしゃるとおりで、十二年間続いておったわけですから、これは非常に大きな問題でございまして、先ほど申し上げたのと同じ答えになりますが、是正措置を受ける、その方の雇用の安定を図った上で、責任のとり方は検討をして決めていきたいと思っております。



○加藤(公)委員


 本来なら締め切りを設定したいところでありますが、先ほどと同じ理由できょうのところはやめておきます。
 実は、この京都地方法務局から財団法人民事法務協会への仕事の流れ、昨年までは請負契約がなされているわけですが、これは過去ずっと随意契約です。結局、法務省が所管の財団法人に随契を出し続けて、なれ合いで職安法に触れる人のやりとりをしていた、こういう話であります。この意味でも、非常に罪が重いと私は実は思っております。
 さらに、さすがに随契はまずいということで、直近の回から入札に変えられた。では、一般競争入札になって、少しは改善されたのかなと思って見たら、実はその入札に応札をしたのが民事法務協会だけでございます。これは、全国すべてそうです。
 つまり、そこしか受けられないような入札をしているんじゃないか、こう思わざるを得ないわけでありまして、これだけの事件が明るみに出たんですから、来年以降、この業務がもっと適切に、広く公正な競争にさらされるように、入札のあり方を変えるべきだと思いますが、大臣の御意思を伺いたいと思います。



○鳩山国務大臣


 おっしゃるとおりなんですが、これは、長年、登記簿の電子化という問題での請負だったわけですね。
 それで、随契を一般競争入札に変えたんですけれども、それだけの機械とかいろいろなノウハウを持っているところがなくて、こうなってしまった。ただ、これはことしで終わってしまうものですから、来年以降、ほかのいろいろな仕事がまたあると思いますので、一般競争入札でいろいろなところが入札してくるような仕組みをつくっていかなければならないと思っております。資格を絞りますと、また一社、二社ということになりますから。(発言する者あり)



○加藤(公)委員


 私もことしで終わりとはちょっと認識しておりませんが、それよりも、実は、この民事法務協会が請負を受けて、委託を受けた後に、民間企業に再委託しているわけですよ。その民間企業から人が来て、また京都地方法務局に送っているんですから、間に民事法務協会が入らなくたってでき得る仕事なんですね。実際、その再委託している民間企業にも天下りしています。
 民事法務協会は、職員の三分の一が法務省のOBです。さらに、再委託先の民間企業にも天下りをしている。まさに、天下りの癒着構造で、いいかげんな入札だったり、あるいは随意契約によって税金が使われているという典型的な例です。税金の無駄遣いだけじゃなくて、職安法違反までしていたという極めて重大な事件だから、きょう問題提起をさせていただきました。また次の機会に議論をしたいと思います。
 終わります。

【59-1】平成19年10月31日

168-衆-法務委員会-3号 平成19年10月31日



○下村委員長


 次に、加藤公一君。



○加藤(公)委員


 民主党の加藤公一でございます。
 久しぶりに法務委員会に戻ってまいりまして、最初の質問でございます。
 大臣に冒頭お願いをしておきます。ここのところの質疑を承っておりますと、大変教養の深いところをお示しいただいておりまして、若干答弁が長いんじゃないかというふうに感じておりますので、私のレベルに合わせて、わかりやすく、端的にお答えをいただきたいとお願い申し上げておきます。
 では、まず冒頭、大臣のここのところの発言につきまして、幾つか伺いたいと思います。
 まず最初は、十月の九日火曜日の閣議後の記者会見の御発言であります。
 大臣が、政治団体陸山会所有の不動産について、今後精査し、追及していかなければならないという旨の御発言をされました。これは、法務大臣として検察にそのような指示をされるということを意味していらっしゃるのかどうか、明確にお答えいただきたいと思います。



○鳩山国務大臣


 そういう意味ではございません。
 私の問題意識は、政治資金というものは政治に必要なので、浄財を集めてこれを正しく使うということで、今、使う方については領収書等いろいろと議論が進んでいるわけですが、当然、入りの方もこれからいろいろと制度を変えていかなくちゃならないだろうと。
 不動産がここまでたまるというのは、それだけの政治資金が集まりながら使っていなくて、不動産になっている。それをしかも運用して、益が出ているということであるならば、追及というのは、政界としてみんなで、これはきちんと追及していくというのかな、検察とかという意味では全くありません、政界として、あるいは党として、そういうような意味でございます。



○加藤(公)委員


 政治資金規正法のあり方を議論するということであれば、そのように日本語を使っていただいた方がよろしいかと思いますので、その点だけ御指摘をしておきたいと思います。
 続いて、直近の話であります。十月の二十九日月曜日の外国特派員協会における大臣の御発言です。
 私の友人の友人がアルカイダなんです、こういう御発言をされました。その後、幾つかまたこれに関連してお話をされているようでありますので、若干情報がふくそうしておりますから、この場をおかりして整理したいと思います。
 まず、鳩山法務大臣のお友達のお友達はアルカイダのメンバーでいらっしゃるんですか。本当なのかうそなのか、正確にお答えいただきたいと思います。



○鳩山国務大臣


 私はアルカイダの定義はわかりませんが、少なくともアルカイダと極めて関係の深い過激派の幹部であり、アルカイダに対して資金や情報を提供しているぐらいの関係の方であります。



○加藤(公)委員


 アルカイダのメンバーかどうかはわからないけれども、少なくともテロ組織の支援をしている可能性が極めて高い人物……(鳩山国務大臣「幹部」と呼ぶ)幹部だ、こういう認識だというふうに理解いたします。
 では、もう一点伺います。
 その友人の友人という方はいろいろなパスポートで日本に入国をしてきておった、二年、三年前何度か日本に来ていた、こういうお話がありましたが、これは確かでいらっしゃいますか。



○鳩山国務大臣


 私は、彼が日本に何回も入国をしているということは、入管から聞いたのではありません。現実に彼と会った人間が、何回も来ているということを言うものですから、ああ、そういう人物がどうして入国できるんだろうかといって、当時の入管を呼びました。
 何回も何回も、そういうアルカイダのメンバーと言ってもいいぐらいの関係の深い人間がなぜ入国できるんだと言いましたら、それは、パスポートの偽造だとか、変装とかあれば、とても膨大な量の中からそれらを選別して見つけるというのは難しいと言うから、そんないいかげんな入管でいいのかと厳しくしかった記憶がございます。



○加藤(公)委員


 今の大臣のお話でありますと、そのお友達のお友達という方は、かなりの確率で我が国の出入国管理法違反を犯している、法に触れた状態で日本に入ってきているということが推察されます。それは、大臣もおわかりのことと思います。だからこそ、入管当局をお呼びになったんだと思います。
 刑事訴訟法では、国家公務員は法に触れるという事実を認めたときにはそれを告発しなければならない。これは、一般人とは違います、国家公務員は告発の義務を負っています。私の知る限り、この法律では、大臣であっても国会議員であってもこの義務はかかると考えております。告発されましたでしょうか。



○鳩山国務大臣


 してはおりません。
 実は、友人の立場というのもあるかと思いますが、したがって、大っぴらに発言できることではないと思いましたが、衝撃的な話を聞いたものでありますから、今から五年近く前です、前に申し上げたようなことですが。私は、警察にも入管にも防衛庁にも、公安調査庁に言ったかどうかはよく覚えておりませんが、かなり厳しく言いました。言っていろいろと、こういう手がかりできちんと調査できないのか、危ないじゃないかと。
 ただ、友人の立場とか友人の身の安全というものは少々気になりましたが、私はテロに関係することでございますから真剣に訴えましたが、各政府機関すべて動きが極めて鈍かったと記憶しております。



○加藤(公)委員


 今のお話ですと、重大な事実は認識をしたが、告発はしなかったと。この段階で、刑事訴訟法の二百三十九条には触れていらっしゃると私は思います。
 それに加えて、政府の各当局に調査を依頼したけれども全く動かなかった、こういうお話を今おっしゃいました。(鳩山国務大臣「返答がなかった」と呼ぶ)返答がなかったというのは、実際動いていないということだと思います。
 本当に、それだけアルカイダに近いと考えられる人物が日本に何度も入国をしているという情報をお持ちでありながら、政府各部局当局が本当に調査をしなかったというのであれば、これは大変ゆゆしき事態であります。
 もう一度伺います。どこに調査を依頼して、どういう返事があったのかなかったのか、もう一回明確にお答えください。



○鳩山国務大臣


 二段階に分かれるんです。
 つまり、バリ島中心部、クタでしょうか、ディスコでしょうか、爆発が何カ所か起きて大変多くの犠牲者が出た忌まわしい事件がありました。その数カ月後に私がバリ島に参りましたときに、私は友人から、実は事前に、時期は示されていないが、バリ島の中心部で事件が起きる可能性が強いから中心部に近づかないようにという話があったんだと。
 彼は、彼はというのはその過激派の人は、かつては一緒に事業をやっておったが、アンボン島というところはクリスチャンとイスラム教徒の殺し合いが非常に激しくて、身内あるいは仲間が命を落とすようなことがあって、いわゆるイスラムの過激派の方に走っていって、パキスタン等にいるのか、連絡がつかなくなっていると。その連絡がつかなくなっている人間から久しぶりに連絡があって、バリ島のクタの中心部に近づかない方がいいという話を受けて、本当にそういうことがあるのかなと思っておったら実際事件が起きた、こういうふうに話を聞いたわけであります。
 その段階で私も、古いことですから、また友人の身の安全も考えたものですから、日本に帰っていろいろな方面に話をしたと思います。マスコミにも随分話をしました。どういうふうにやったらいいのだろうねとマスコミの方にも相談をしました。ですが、なかなか取り合ってくれないというのが実態だったと思います。
 まだ整理していないのですが、それから二年とかそういう月日がたって、その過激派の男が日本に二回も三回も来ているということを聞いたわけでありまして、その段階でまた各方面にお話ししましたし、特にそのときは入管に、どうしてそういうのが入ってきてしまうんだということを厳しく言った記憶がございます。



○加藤(公)委員


 入管のどなたにどんなお話をされましたですか。



○鳩山国務大臣


 それは、私の記憶にはありません。事務所で調べて、当時の名刺等が残っておれば明らかになると思います。



○加藤(公)委員


 今の大臣の御答弁ですと、今まで御発言になっていた以上に、時間軸も含めて、すべて事実だとすれば、事実関係が明らかになってまいりました。聞けば聞くほど、極めて重大な情報だと思います。場合によっては、アルカイダにつながるテロ組織あるいはテロ支援者、しかも、その組織の幹部たる人物を特定して、身柄を拘束することもできるかもしれないほどの極めて大きな情報であります。それを本当に当時法務省の入管当局が当時の鳩山議員から聞き及んで何も動かなかったとしたら、これは、当時の政府は大変な責任問題だと思います。だからこそ、私は正確に教えていただきたいということを申し上げております。
 だれにどういう話をされたのか、もう一度伺います。



○鳩山国務大臣


 それは、事務所へ行って、その記録が残っているかどうかわかりませんが、基本的な意識は同じなんです。私は、外国人特派員協会でも、指紋の件は不要なのではないかという質問に対して答えて、やはりテロとの闘いが現実の脅威としてある以上は、これは徹底してやる、アメリカや各国際機関で情報を持っているところと連携をして防がなければならない、日本の国を守らなくちゃいけない、世界を守らなければならないと。
 私は、正直言って、当時、それは、本当に申しわけないけれども、申しにくいけれども、友人との関係があるでしょう、日本人なんですが、その彼の身の安全とかそういうことを正直言って考えました。どこまで言っていいのかわからない、しかし、事柄は重大だと思いました。まさに、テロとの闘いというのは最も重要ですから。だから、私はいろいろなところに真剣に話しているんですよ、何とか調査する方法はないか。しかし、わからない、わからないというのがほとんどの答えでした。



○加藤(公)委員


 今のわからない、わからないという答えがあったということでありますが、それはどなたがおっしゃったことでありますか。



○鳩山国務大臣


 少なくとも、私が記憶を頼りに申し上げれば、防衛省には話しました。それは、私は事態特の委員長を、そのときにやっていたか、その後やったかわかりませんが、やはり武力攻撃事態とテロというのは非常に密接不可分ですから、話しました。それから、警察にも話しました。ただ、いつ、何月何日にだれに話したかという記録は、今ここでお示しすることはできないし、記録が残っているかどうかわかりません。いろいろな方に話しました。それで、返事がないか、わからないか。
 実は、はっきり申し上げますが、アルカイダの周辺居住者なのか本体なのかわかりませんが、過激派に走った人は、我々、昆虫の世界では極めて有名な方であります。私は見たことも会ったこともありませんが、少なくとも十五年ぐらい前から名前は聞いていました、すごい標本商がいるんだということを。その彼が身内を殺されたか何かして過激派に走っていくというプロセスがあったわけですね。
 だから、そういう状況の中で、その人間がわかりますかと言って、調べても、そういう人間が出てこないという返事があったような気もします。つまり、テロリスト一覧みたいなものに入っていないという返事があったような記憶があります。



○加藤(公)委員


 いいですか、整理をしますが、大臣のお友達である日本人の方、そのさらにお友達の方が、今焦点になっているアルカイダもしくはその極めて近いところにいらっしゃる、しかも幹部とおぼしき方だ、こういう話です。その方が昆虫に詳しいかどうか私は存じ上げませんが、間一人、お友達の方は、相当な情報を鳩山大臣以上にお持ちのはずであります。その方の身の安全を守ることはもっともですし、極めて重要なことでありますが、その身の安全を確保しつつも、その先にあるテロ組織の情報をその方から聴取する、その情報を得るということは、これは国家として極めて重要な仕事のはずであります。それが当時なされていなかったというのは、政府が怠慢だったのか、それとも鳩山さんがそれをきちんと当局に伝えなかったのか、どちらかしかないわけであります、今。
 仮に、今、事務所に帰ればわかるかもしれないとおっしゃったのであれば、いつ、だれに、どんな話をしたのか、御自身でその情報を整理していただくのと同時に、お話をされたのであれば、各省庁必ずその情報は残っている話でありますから、その記録をすべて提出していただきたいと思います。いかがですか。



○鳩山国務大臣


 私が議員会館ですべて来ていただいて話をしたことばかりだったと思います。それは、友人の関係がありますから、むやみやたらとありとあらゆるところに声をかけたというわけではございませんが、先ほど申し上げたようなところには、わからないか、こういうような話で、友人に迷惑をかけてはならないが、危険人物の存在がわからないかということを問いただしたのは事実でございます。
 ただ、しつこいようですが、五年前にクタで事件が起きて、そしてその何カ月後かに私がその話を聞いて、えらいショックを受けて、こういう人物、有名な人間ですから、名前は有名なんですけれども、こういう人物は危険人物に入っていますかというようなことはいろいろなところに言いましたが、入っていないとかわからぬということであった。
 それと、その二年後ぐらいに、その人物が日本国内を歩いておる、三回は入国しているんじゃないかという話を聞いたものですから、今度は入管に徹底して調べるように言ったわけですが、どうして何回も入れるんだということを問いただしたら、毎回いろいろなパスポートで入ってくるとしたら、手の打ちようがなくて調べるのはなかなか大変なんですよという返事であって、そんな無責任なことで国を守れるかというふうに言ったのを覚えております。
 なお、お言葉を返すわけではありませんが、刑事訴訟法上の問題でございますが、職務の過程で知ってそれをやらないといかぬということなんじゃないでしょうか。私が、国会議員という仕事ではありますが、職務上で当時、五年前知ったという……(発言する者あり)五年前の話です、知ったということではないかと思います。



○加藤(公)委員


 二つ問題があります。
 まず、委員長にお願いします。
 鳩山大臣がきちんと政府当局に極めて重大な情報を伝え、調査を依頼したのかどうか。今のお話ですと、鳩山先生の議員会館の部屋に各役所が来て話をされたということのようでありますから、事実であれば、確実に各省庁に記録があるはずであります。これをこの委員会、当委員会に提出していただくようにお取り計らいをいただきたいと思います。いかがですか、委員長。



○下村委員長


 後ほど理事会で協議させていただきます。



○加藤(公)委員


 これは極めて重要な話であります。
 鳩山大臣が、今、刑事訴訟法二百三十九条のお話をされました。確かに、職務に関してという解釈もあります。しかし一方で、何人も告発することができるというのも二百三十九条の第一項では書かれている、皆さん御存じのとおりであります。
 これだけ重大な事実を知ったら、たとえ国会議員であろうがなかろうが、良識と正義感があれば、このままほうっておけないと考えるのが当然ではないかと思います。
 私は、その状況の中で、それほど重い情報だということを認識した上で、長年我々の大先輩として国会で御活動の先生ですから、当然、国会議員として告発をされたのではないか、だからこれを伺ったわけであります。(発言する者あり)
 ちょっと静かにさせてもらえませんか。



○下村委員長


 どうぞ、続けてください。



○加藤(公)委員


 では、大臣、もう一回伺います。
 事務所に帰れば記録がわかるかもしれない、こうおっしゃいました。きちんと調べていただいて、いつ、だれに調査の依頼をしたのか、明らかにしていただけますか。



○鳩山国務大臣


 できるだけ努力しますが、少なくとも、五年前のこと、それから入国しているということを人から聞いたのが、二年前か三年前か、これも調べればある程度わかると思いますから、できる限りのことは調べてみます。



○加藤(公)委員


 では、委員会にきちんとその御報告をいただきますようにお願い申し上げておきたいと思います。
 それと、冒頭申し上げましたが、大臣、今までのその事実関係云々の話とは別に、少なくとも外国特派員協会において、一度は友人の友人がアルカイダなんだということを明言されて、それが世界各国に配信をされております。私も、決して外国語が得意な方ではありませんけれども、海外メディアでも大きく報じられました。テロとの闘いを進めていると政府が宣伝をしている我が国において、これは明らかに国益を損なったことであります。
 この件について、実際にアルカイダのメンバーかどうか、その事実関係とは別の意味で、日本国の法務大臣はアルカイダの友人の友人だったという報道が世界じゅうに流れたということは、これは一つ大きな責任があると思います。どうお考えになりますか。



○鳩山国務大臣


 私の申し上げたことがすべて正しく報道されていればいいわけですが、報道というものには、それはなかなか我々の言うことを聞かない部分もありますから、私は、友人の友人という言い方が、友人が一緒に会社を経営していた男というふうに言えばよかったのかなとか、今はそういうふうにも思いますが、表現とかタイミング、報道の仕方によって、そういうことがあれば大変残念でありますが、私としては、ありのままの事実を申し上げた。そして、それがテロとの闘いに非常に重要で、身近にもこういうことがあるんだから、とにかく指紋、顔写真等はきちんとやらなければならぬ、そういう例で、テロとの闘いへの決意を示す意味でそう言いました。



○加藤(公)委員


 テロとの闘いが重要なのはそのとおりであります。治安の維持は法務大臣の極めて重要な職務でありますから、それはおっしゃるとおりです。
 しかし、私が言ったのは、大臣が軽々しく発言をしたことにおいて、国際社会で日本の信用を失墜させたんじゃないですか、そのことについて責任を感じませんかということを伺いました。これは、極めて重い話でありますので、ぜひ、みずからの責任について明確に御発言をいただきたいと思います。
 もう一度伺います。いかがですか。



○鳩山国務大臣


 私は、みずからの知り得ている事実を物事の説明の中で使わせていただいたわけでございますから、正しく聞いていただければ、本来は問題がないと思います。




○加藤(公)委員


 当時、外国特派員協会でお話しになった内容と今ここで御説明のあった内容とは、かなり違います。一般的に聞けば、随分状況が違うように受け取れるわけでありまして、私はそのことを申し上げています。
 どっちが本当、どっちが事実ということではなく、少なくとも、日本国の法務大臣はアルカイダの友達の友達だ、それを知っていたのに今まで黙っていた、これを世界じゅうに報じられてしまったという事実があるんです。そのことが国益を損なっている、こう指摘をさせていただいています。だから、この責任についていかがお考えかと伺っているんです。
 もう一回だけ伺います。いかがですか。



○鳩山国務大臣


 私が非常に悔しく思うのは、私は、そういうショッキングな情報を得た、ありとあらゆるマスコミ関係者にも言った、こういうのは記事にならないのかとさえ何度も言った、ある雑誌には、一つのきっかけ、手がかりを与えるから調査したらどうだと、それはどこの雑誌だったかは覚えておりませんが、雑誌のジャーナリストに言った記憶もある。先ほど申し上げたように、幾つかの省庁の方に来ていただいて、その時点で、重大な問題だから精力的に調査をしてほしい、調べてほしいと頼んだ、結果が出てこなかった。
 私、非常に悔しい思いをしているんです、この問題では。だから、それは、当時の政府への批判のような形になるから言いにくいことではありますが……(発言する者あり)



○下村委員長


 発言中ですから、静粛にお願いします。



○鳩山国務大臣


 私が、友人の立場を守ろうとする余り、やや奥歯に物が挟まったような言い方をしたかもしれませんが、その外国人の名前をはっきり言い、出身地も言い、こういう実態があるということを随分説明したんですが、政府は余り反応が活発ではなかった。これは、私、非常に悔しい思いをしています。



○加藤(公)委員


 そこまで大臣がおっしゃるわけですから、当時の政府が一体、どういう反応をしたのか、どういう行動に出たのか、どういう判断をしたのか、これを検証するのは物すごく大事なことだと思います。
 私が申し上げるのは大変僣越でありますけれども、国会というところは、立法府として法律をつくると同時に、行政の監視をするというのが極めて重大な使命、責務でございます。その意味において、この問題は決して看過できません。先ほど申し上げた情報をきっちり出していただきたいと思いますし、委員長には、後ほど理事会で御協議をいただくときにも、今の私のこの質疑を踏まえて、ぜひ、各省庁から情報を出していただくように、その方向で御協議をまずお願いしておきたいと思います。
 では、この問題、大臣にきょうの御答弁の中から私が疑問に思ったことを二つだけ伺います。
 先ほどのバリ島での爆破事件、大変凄惨な事件でございましたが、これは、大臣は事前に御存じだったのかどうか、そしてもう一点、お友達のお友達という方がなぜアルカイダのメンバーだとわかったのか、この二点を教えてください。



○鳩山国務大臣


 私は、もちろん、事件の数カ月後にそれをバリ島の友人から聞かされて初めて知るわけで、大変ショッキングであった、こういうことでございます。彼が一緒にその外国人と会社を共同経営しておったようでありまして、それが、いわゆる過激派に走って行方知れずになっていった、そういう話を聞いただけで、それ以上のことはわかりません。
 つまり、彼からも連絡がとれない状況になっておった中で、突然連絡があって、クタの方には近づかないようにという連絡があったと。



○加藤(公)委員


 今のお話ですと、そのお友達のお友達という方が、アルカイダのメンバーもしくはそれに極めて近い方だということは認識できないことになってしまいますが、なぜそれを理解されたのか。そのお友達の方から聞かれたのか、あるいは別の情報でそう御判断をされたのか、その点を教えてください。



○鳩山国務大臣


 私の知り得ている情報はそれほど多くありませんが、要するに、アルカイダの周辺居住者か本体かわからないけれども、そういう方向に走っていってしまったんだというふうに私は聞きました。



○加藤(公)委員


 その聞いたというのは、では、間に立っていらっしゃるお友達の方から聞いたということですね。一応、そこだけ確認させてください。



○鳩山国務大臣


 もちろん、それ以外情報源はありません。



○加藤(公)委員


 では、先ほどの資料の御提出を期待して、次のテーマに行きたいと思います。
 先ほど大口先生もおっしゃっていましたが、冤罪の件であります。これも、もちろん過去から冤罪事件、残念なことではありますが発生をしているわけであります。この現代の世の中においても、先般、鹿児島の志布志の事件あるいは富山の事件、考えられないようなことが発生をしております。
 富山における事件の被害者の方あるいは志布志の事件の被害者の方、せんだって直接お目にかかりました。どれほどつらい思いをされてきたか。先ほど来、さっき警察庁の方もいらっしゃいましたけれども、二度とあってはならない、口で言うのは簡単でありますが、本当に二度と起こらないように国会で議論することはより重要だと私は思います。
 その前提に立って、大臣に伺いますけれども、きょうは法務委員会ですから、警察のことは少しわきに置いて、検察について伺います。
 鹿児島の志布志の事件あるいは富山の事件、いずれも明らかな冤罪事件だということがわかっておりますが、これを担当した検察官について処分をされましたでしょうか。あるいは、処分をされていないとすれば、だれがどのように責任をとるおつもりでしょうか。お答えください。


続き【59-2】