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山本矢音の駄小説庫

主に自作小説を投稿します。

小説中に登場する人物は、実在する人物とは関係ありません。

一作目:FAMIGLIA

                             Ⅰ

予選のあった翌日、エリス、関縈、張熅の3人は、決勝に進出した選手に与えられた宿泊施設で待機していた(劉鳳は、決勝に出ないうえに、予選が危険試合だったために出入りを許されなかった)。
予選の直後ということで、この日は選手全員に休養が義務付けられた。が、それは建前だけの話で、選手の中にはが宿泊施設に備え付けられたトレーニングルームで、トレーニングに励んでいる者もいた。1人に1部屋与えられているが、この3人は翌日の決勝に向けて、エリスの部屋に集まり、作戦会議をしていた。

「Cブロックからは俺と、ミネルバ=ペンデンツァ、あと、サーシャ=ロズワードってやつだ」
「ロズワード…『もう一つの』でしょうか?」
「さぁ…」
「その可能性は高いな」
「関縈、Dブロックは?」
「はい、Dブロックからは、私と、メビウス=アエロクルブ、ウィリアム=ウィードです」
「…ウィード家多くねぇか?」
「3人出てるな」
「そのうち1人は当主ですしね」
「Aブロックは……わからないな」

劉鳳が敗退しているので有力な情報を手に入れることはできなかったようだ。

「張熅の方はどうですか?」
「Bブロックは俺と、カッシュ=コリン、ザック=ウィードだ」
「組み合わせはどうなるんだ?」
「まったくのランダムらしいですよ」
「じゃぁ対戦相手については作戦の立てようがないな」
「ま、とりあえずそれぞれの選手について情報を出し合うか」

Aブロックのものと当ったら仕方がないとして、エリス達は話し合いを始めた。





劉鳳は、自分が泊まっていた宿から出た後、ソルの街を歩き回っていた。

「まったく。門前払いはねぇだろ」

選手達の宿舎の管理人に対し、文句を言う劉鳳。言ったところでどうにもならないが。

「そういえば俺1試合しかしてねぇな……ん?あれは…」

劉鳳は道の片隅で璃々と聡が話しているのを見かけた。

「あの時キサマは何をしていた?」
「ちょっとシリウスに用があってな、BEARまで行ってたんだよ」
「用だと?」
「ああ、人探しのために、時間旅行をしてきたのさ」
「…キサマがいれば死者が出なかったものを…」
「ババァが何とかすりゃあよかっただろ」
「私はその時控室にいたからな、駆け付けた時にはもう片が付いていたよ」
「…ならいいんじゃねぇの…?」

そう言って聡は去って行った。劉鳳は今夜泊まるための宿を探すために、再び移動し始めた。

「人探しか……」

そうつぶやき、璃々は選手用宿舎へと帰って行った――