日本経済が「失われた30年」と言われて沈滞の一途を辿って久しい。その原因をあれこれ考えてみたのだが、どう考えてもこの問題は、政財界の人間性の違いにあるとしか思えない。昭和には、政治家にせよ財界人にせよ、器の大きくて面白い人たちが沢山いた。ここで面白いというのは、人間的魅力にあふれた、という意味である。戦後、昭和、平成、令和と時代が下がるにつれ、政財界の人物の器はどんどん小さくなっていった。昭和の企業家は、松下幸之助にせよ本田宗一郎にせよ、盛田昭夫にせよ、現代の某2ちゃんねるの管理人や某ライブ◯アの元社長のように、他人や貧乏人を見下し、バカにするような言動は決して取らなかった。政治家の方に目を向けてみると、安倍首相のことを悪く言う訳ではないが、昔の政治家はもっと眼がギラギラしていた。安倍さんの目は人が良すぎるのである。良い悪いの問題ではない。昭和の政財界人は人としての器がデカかった。人間的魅力に溢れる人たちだった。平成以降の日本の凋落は政財界人の人間の器の大きさと無関係ではないように思えてならない。