昔のゲームをもう一度プレイしています。
懐かしいだけじゃなく、新たな発見もあったりして、かなり楽しんでいます。
今回は、ロマンシング・サガ1(スーパーファミコン版)です。
発売日:1992年1月28日
タイトルは「サル真似サルーインの真相」ということで、つらつらと書かせていただきます。
大陸の南、バルハラントには、凍結湖と呼ばれる、一年じゅう凍ったままの湖がありました。
この凍結湖には、凍りついた城があり、そこにはディスティニーストーンの1つであるオブシダンソードが眠っているといいます。
ディスティニーストーンというのは、1000年前、邪神サルーインを封印した際に使われた10種類の宝石のことです。
神によってつくられたその宝石の多くは、指輪やネックレスなどの形をしていましたが、ただ1つだけ、剣の形をしたものがありました。
それがオブシダンソードでした。
(ちなみにオブシダンとは黒曜石のことです。)
凍りついた城の入り口は厚い氷で閉ざされており、長い間、誰も侵入することができなくなっていたのですが、邪神サルーインの復活が迫る頃、その氷が少しずつ融け始め、城への侵入が可能となります。
サルーイン討伐のため、世界に散らばったディスティニーストーンを集めていた主人公たちは、さっそくこの城を訪れることにしました。
立ちはだかる凶悪なモンスターを倒し、オブシダンソードを手に入れた主人公たち。
すると、そこへサルーインの手下であるヘイトが現れ、
「そのオブシダンソードを渡してもらおう。悪いことは言わん。素直に渡せ。」
と要求してきました。
さて、物語の性質上、ここは普通「渡さない」を選択し、敵を倒す流れとなるわけですが、敢えて「渡す」を選択すると、面白い事が起こります。
攻略サイトでは、これを『オブシダン譲渡』と呼んでいます。
オブシダンソードを譲渡したときの変化は、以下の2つ。
①ラストバトルで、サルーインが持つ剣が、サルーインソードではなくオブシダンソードになっている。
②サルーインが、こちらのメンバーの行動を真似する。
①に関して補足をすると、サルーインソードとオブシダンソードは、ほんの少し色が違うだけで、形は全く同じ。
サルーインからすれば、愛用の剣と同じ形をしたものを、ゴミのような人間が所持しているのは、気に入らないはずです。
(ラストバトルの前、サルーインは人間を「ゴミのような」と馬鹿しています。)
ヘイトを凍結湖に向かわせた理由は、もちろん「自分を倒そうとする人間がディスティニーストーンを持たないようにするため」ですが、他にも「剣を自分の手元に置いておきたい。その美しい剣は私にこそ相応しい。」といった気持ちがあったからではないでしょうか。
②についても補足をすると、真似するのは最後にコマンドを入力したメンバー(通常は6番目)の行動になります。
この状態を『サル真似サルーイン』といいます。
攻撃だけでなく、回復や防御なども真似するので、ずっと「前へ出る」と「後ろへ下がる」を繰り返し、一切攻撃させないことも可能。
つまり、どんな弱いパーティーでも勝利できるようになるのです。
リメイク版では、この「サル真似サルーイン」は修正され、ゲームから消されてしまいました。
「サル真似サルーイン」とは、いったい何だったのでしょうか。
ただのバグだという意見もありますが、オブシダン譲渡によって剣の色が変わっていることから見ても、そんなはずはありません。
きっと、ゲーム内では描ききれなかったウラ設定があるのです。
以下、これを「真相」として考察してみようと思います。
1000年前、サルーインはミルザたち人間との戦いに敗れました。
ミルザというのは、オープニングにも登場する、神に選ばれた一人の戦士です。
神は10種類のディスティニーストーンを用意し、それらをミルザに与えました。
ディスティニーストーンは、それぞれが火や水、または即死攻撃などの特殊攻撃を防ぐ効果を持っています。
ミルザとその仲間たちは、これらディスティニーストーンを装備し、サルーインと戦ったのでした。
では、その戦いとは、いったいどのようなものだったのでしょうか。
これに関し、ゲーム内で言及しているところは、ほとんどありません。あったのは
ミルザも命を失った(オープニングより)
ミルザとの戦いは神が仕組んだ罠であった(サルーインの台詞より)
という程度で、具体的な描写は、何もありませんでした。
だから何も分からないのですが、しかしここに「オブシダン譲渡」と「サル真似サルーイン」を加え、さらに2つの剣が同じ形をしている事実も合わせると、見えてくるエピソードが1つあります。
それは以下のようなものです。
1000年前、ミルザたちは、サルーインの圧倒的な力の前に、為す術もありませんでした。
サルーインは、倒れたミルザに近づき、彼の持っていたオブシダンソードを取り上げて、こう言い放ちました。
「ゴミのような人間が、私と同じ剣を持っていることが許せんのだ。」
その瞬間、サルーインの身体に異変が起こりました。
身体が言うことを聞かなくなったのです。
「おまえ、何をした?!」
サルーインは一時的に手の感覚を失って、持っていたオブシダンソードを落としました。
それをを拾い上げ、ミルザは全てを悟りました。
目の前で、サルーインもまた、自分の剣を手に取ったからです。
その表情から、彼の手が、彼の意志とは関係なく動いていることは明らかでした。
(おお、神よ。だからあなたは、オブシダンソードをサルーインソードと同じ形にしたのか。)
そしてミルザは自分自身を刺したのです。
続いてサルーインも、自分自身を刺しました。
こうして、ミルザは命を失い、彼の仲間たちによって、サルーインは封印されたのでした。
さて、1000年の眠りから覚めたサルーインは、あのときの異変をどう思い返していたのでしょう。
「あのとき、どこかに神の罠が存在していた。私は実力で負けたわけではない。」
おそらくそう思っただけで、それがオブシダンソードに触れたことで発動する「サル真似」であったことまでは、分かっていなかったのでしょう。
だから彼は、シンプルに、もう一度人間たちと戦い、勝利することで、あの戦いが神の罠だったことを証明しようと考えました。
「今回、人間たちは10種類のディスティニーストーンを揃えることができていない。実力なら、私が負けるはずがない。」
そう思いながら、彼はヘイトが持ち帰ったオブシダンソードに触れてしまったのです。
そこに主人公たちが現れて、彼は1000年前と同じ「神の罠」に、まんまと嵌ってしまったのでした。
以上が、僕の行きついた「真相」です。いかがだったでしょうか。
リメイク版では、サル真似サルーインという設定は消え、ディスティニーストーンとサルーインの関係にも変化がありました。
ディスティニーストーンをサルーインに捧げれば捧げるほど、サルーインが強くなるという「裏ボス的な設定」ですが、これは明らかに「もっと強い敵と戦いたい」と願うユーザーの期待に応えるため変更されたものでしょう。
スーパーファミコン時代に、敢えてすべてを語らなかったことで、リメイク版で設定を変更することができたわけですが、上塗りすることで逆に真相が分からなくなる弊害が出てしまったと僕は思っています。
また、サガの公式イラストで、ミルザがサルーインを「余裕で」倒している絵がありますが、これはミルザも命を失ったこと、サルーインが1000年前の戦いを「神による罠」だと思っていること、「オブシダン譲渡」による「サル真似サルーイン」という設定がゲーム内に存在することと矛盾するので、あのイラストはあくまでイメージでしょう。
こうして、後から付け加えられたものを削ぎ落とし、発売された時点での事実のみで考えを巡らせると、ちゃんと矛盾のないエピソードが浮かび上がってきたのです。
今回、改めてプレイして、ずっと隠されていたものを見つけた感じがして、嬉しかったです。
最後に、「実力で負けるはずがない」と信じて疑わないサルーインを、以下の方法で爽快に討伐して、このゲームを終わりたいと思います。
腕力法
ステータスの腕力を上昇させることができる気の術法です。気の術法を最大までレベルアップさせてから使用すると、腕力が20以上アップします。重ね掛けも可能で、ステータスの上限は99となっていますが、実際には128まで上げることができました。
透明剣
ヴェルニーレイピアの技、透明剣は、ステータスとは別に腕力を30上昇させるものです。さきほどの腕力法と合わせると、腕力は158になります。
ダイアモンドウエポン
土の術法であるダイアモンドウエポンは、武器の威力を上昇させます。武器の威力について、ゲーム内での表示はありませんが、じつは1から20までの値が存在していて、これが上昇します。土の術法を最大までレベルアップさせてからダイアモンドウエポンを使用すると、どんな武器でも威力を20にすることができます。ここに技の威力を加え、それから腕力を掛け算することで、与えるダメージが決まってきます。
1~6ターン目はこちらの強化に専念し、7ターン目から一気に攻撃しました。
(何の表示もありませんが、サルーインは6ターン目まではターン回復で全快しています。さらに、1~6ターンの間に与えたダメージ分だけ7ターン目以降強くなる仕様になっているので、ヘタに攻撃しない方が良いのです。)
レフトハンドソード
不動剣
【10094】ダメージ
アイスソード
冷凍剣
【9862】ダメージ
ジルコンの斧
飛翔脳天撃
【9862】ダメージ
メイジスタッフ
ファイナルストライク
【10576】ダメージ
たった4発で撃破w
実力で人間に瞬殺されるサルーインでした。
完。
子どもの頃に面白かったものは、大人になっても面白いものですね。
あのときは何も考えずにプレイしていたなぁ・・・。
まだまだ昔のゲーム楽しんでいきたいと思います(^-^)☆