もう何年も前からかたくち屋でご紹介させて頂いている井上美樹さん。

井上さんのご実家がお近くということもあり、お会いするのはいつも名古屋。

考えたら工房に一度もお邪魔していないことに先日気づきました。

そんなとき、金沢の福光屋さんにて、同じく取り扱い作家のスエトシヒロさんと二人展をされるというお話をお聞きし、これは、いかねば・・・!

と金沢の工房と展示にお邪魔することになりました★



てっきり、街中でされているのかと思いきや、とーっても「牧歌的」な雰囲気のところにありました。しずかに制作に打ち込めそうですね。



可愛いお花もあちこちに・・・。



井上さんが制作されているのは、牧山ガラス工房という廃校になった小学校を利用した工房です。
この看板の裏には二宮金次郎像なんかも!

ガラスの工房は、設備投資や維持費、光熱費など高額なコストがかかるため、独立して工房を持つのはかなりハードルが高いとのこと。
井上さんは、質の高い設備が共同で使用出来るこちらの工房を選択されているそうです。



この日は違う方が制作されていました。

とっても広くて、整然としています。

井上美樹さんみたいに透明感が魅力の作品を制作するためには、工房をきれいにして
壷の中のガラスに不純物が入ったりしないように、注意を払うことがとても重要らしいのです。

何人かで共同で使用しているということは、みんなで助け合ったりするんですか?
っとお聞きすると、
(よく二人作業で制作するという話を聞くので)

ほとんど一人ですとのこと。

自動的にガラスの竿が回転するものなどがあるのでほとんど一人でも大丈夫なのだそうです。



でも、揺らぎ片口の口は手伝ってもらわないと作れないそう。


この口は、鉢部分にガラス種をつけてをぴゅーと引っ張って、さらに削ったりしてかたちづく等レテいるそうなのですが、途中で傷がついてしまったり、なかなか大変だそう。

さらに、美しい底や細工を作るための削りの部屋も見せて頂きました。





吹きガラスは、竿をつけてかたち作りをするため、最後に竿を外すときに、その跡がつきます。
そのままにされる作品もありますが、透明感にこだわった作品は、何段階もステップを経て
きれいな透明の底を作ります。


それには、いくつもの機械が必要とのことです。

そしてこの作業中、摩擦による熱に弱いガラスを保護するため、水を流しながら作業するそうです。

これは、今の季節は気持ちいいかもしれませんが、冬は大変です!

でも、実現したいかたちのためには必要なステップなんですよね。

一つの作品をつくるために、どれだけの工程が必要かとか、どんな苦労があるかなど
あまりお話しされない作家さんが多いので、
工房にいかないとその辺りを汲み取れなかったりするのですが、工房に伺うと、手仕事の暖かさやありがたさを感じて、そのうつわへの愛着がさらに増して、ご紹介ができそうです。

これからも、作家さんの工房には積極的にお邪魔できたらと思います。

取扱作家さん、ご協力お願いいたします。

さて・・・次は福光屋さんで行われていたスエトシヒロさんとの二人展へ!