●出刃包丁を使う経験がない?
ども。
こう見えて職歴が一番長いのが「魚屋」という謎の人、片桐新之介です。
2003年からまるまる5年間は魚屋のスタッフ(営業、販売、数値管理、人員管理、調達、製造、、、なんでもやりました)でした。
そんなこともあり、所属している「日本の伝統食を考える会」にて、魚の捌き方講座を年間4回ほどさせていただいております。
http://blog.dentousyoku.org/article/115279686.html
さてさて、昨日もイサキとスルメイカの捌き方を見ていただき、イサキは刺身と塩焼きに、スルメイカは塩辛に(一部の方は持ち帰って別の料理に)する作業を行ったのですが、、、(参照:昨日のツイート)
以前からこの教室で思っていることなんですが、皆さん出刃包丁の使い方ができていない(ちなみに参加者24名のうち、いつも来ていただいたり事務局の人7、8人は除いて15、6人の方はもう見ていて怖いくらい。。。)ちなみに平均年齢は、、、50歳は超えているかな。(今回は1人を除く皆さん女性です)
料理教室やって5回目なのですが、3回目くらいから気がついて「包丁をいかに使うか」をなるべく重点的に伝えるようにしています。それでも、やはり慣れないと使い方が身につかないのか。
ところが付け合せの味噌汁を作るためにじゃがいもや玉ねぎを通常の包丁で作るとなると、とたんに早い。これはやはり慣れの問題なのか、、、と思ったが、ほかの人などのさばき方を見ているうちにあることに気がついた。
●さかなの身体を知らない?
みなさんは魚を捌くというと、どのように考えているのだろう?
私は思ったのが、「魚を解体する」ということではあるが、その根本は「魚の骨と身を切り離す」ということ。そのために、前段階としてウロコをはいだりすることはあるが。
みなさんまずこのことを理解していない。
どこに魚の骨が有り、そこに包丁のどの部分をどう使えばたやすく(少なくとも無駄に力を入れずに)骨を断ち切ることができるかが分かっていない。
だから、おさえている手に余計な力が入ったり、入れなくてもいい部分に包丁を入れて、力を入れて身がグズグズになるという結果になっている。
だから、今回は魚を裁くときに先立って、出刃包丁の使い方(硬い骨は先っちょで切るのではなく、なるべく包丁の根元のところの刃で切るような感覚を持つこととか)と、イサキのどこに骨が有り、そこをどう切るべきかをなるべく時間をかけて説明した。
結果、やはり高齢の方になればなるほど「今までのやり方」で捌こうとして難儀はされていたけども、以前に比べれば全体的にまあまあであった。驚くことに最年少参加者の高校生女子が見ている中では最も綺麗に魚をさばいていた。ちなみに魚を捌いたのは人生で2回目だという。
一番素直に話を聞いてくれたおかげだと思っている。
食事を取りながら、改めて魚の骨格を前の白板に描き、この部分のどこにどう包丁を入れていくべきか説明した、
魚の身体の構造はかなり似通っている(少なくともスズキ目なら)。どの部分をどう切り離すか原理原則がわかっていれば、それほど苦労はしないのだ。
その部分を知らないことで、「魚は捌くのが大変」ということだけが膨らんでいるのではないかと推察している。
※もちろんアンコウとかフグとかエイとか変化球は別ですが。ちなみにこの3つは片桐も自信がない。あんこうとエイは滑りさえ取ればなんとかなるかもですが、ふぐは根本的に免許持ってないw
●料理教室・食育で教えてほしいこと
さて、どうしたって家庭で魚を捌く姿を子供に教える、親世代から教わるということはなかなか出来ないので、魚を調理する方法は必然的に料理教室や、学校での食育ということに今は期待する他ない。
しかし、多くの料理教室や子供向け調理のところでも、「包丁の使い方」を徹底して教えているとこをはほとんどきかないし、魚があっても「種類ごとに」料理を教えている。これでは、「タイのさばき方は習ったが、イサキはさばいたことがないからできない。鯛の煮物は作ったことがあるが、カレイの煮付けはやったことがない」となりかねない(というより多くの人からこういうたぐいの言葉を魚屋の現場で耳にしていた)
料理とは、決められたレシピに従ってただ作業を行うだけでなく、そのときそのときの旬の食材を自分の感性に従って選び、いかに調理(捌き)し、味付けし、器を選び、盛り付けるか。そして食べて、後片付けするか。その全てが料理だと思う。
毎日できないことは十分に理解するが、たまには時間をかけて「料理」をやることは本当に楽しい、ということをもっと理解してほしいなと思う。
そういったことを、子供だけでなく「おとな」が理解して『実践して』いくことを仕掛けていきたいと思う。そういった料理教室や食育の仕掛けをする団体さん、もちろんいくつもいるのだが、もっと増えて欲しいと思う。(子供がいくら学校やイベントで学んでも、家庭でそれを見たり実践することがなければ結局は身に付かないのだ)
年内に一度、「家族対抗!魚屋でとりあえず美味しそうと思った魚と野菜を自由に買ってきて、個別にそれぞれの魚の捌き方野菜の味付けの工夫は指導するから頑張って作ってみよう大会!」なんてやってみてもいいかも、と思う次第です。カップル部門とシングル部門もやってもいいけど。ついでにその料理に合うワインやお酒もチョイスのポイントを指導するとかね。
どんな魚でも大概家でさばいて料理していた我が母に感謝です(この目でそんな姿を日常茶飯事で見ていた経験のおかげで魚屋になってもそんなに苦労はしなかった。実際小学校6年生の時で私は1キロくらいの鯛をさばいた経験がある)
なお、今回のお魚は大阪中央卸売市場の株式会社魚蔵、北村社長に手配いただきました。北村さん本当にありがとうございます。
※余談
北村さんとの会話。
「最近はちょっとしたレストランや料理店でもスーパーでもなんでも、魚を卸会社で捌いて骨抜きまでして納品しなければならない。現場の職人さんは、もう簡単な魚でもさばける人がいなくなっている。。。」
この現状がある中で、本当に「和食」は日本が誇る世界文化なんて宣っていいのかなあ。。。と不安になる元魚屋がここにいます。
ども。
こう見えて職歴が一番長いのが「魚屋」という謎の人、片桐新之介です。
2003年からまるまる5年間は魚屋のスタッフ(営業、販売、数値管理、人員管理、調達、製造、、、なんでもやりました)でした。
そんなこともあり、所属している「日本の伝統食を考える会」にて、魚の捌き方講座を年間4回ほどさせていただいております。
http://blog.dentousyoku.org/article/115279686.html
さてさて、昨日もイサキとスルメイカの捌き方を見ていただき、イサキは刺身と塩焼きに、スルメイカは塩辛に(一部の方は持ち帰って別の料理に)する作業を行ったのですが、、、(参照:昨日のツイート)
以前からこの教室で思っていることなんですが、皆さん出刃包丁の使い方ができていない(ちなみに参加者24名のうち、いつも来ていただいたり事務局の人7、8人は除いて15、6人の方はもう見ていて怖いくらい。。。)ちなみに平均年齢は、、、50歳は超えているかな。(今回は1人を除く皆さん女性です)
料理教室やって5回目なのですが、3回目くらいから気がついて「包丁をいかに使うか」をなるべく重点的に伝えるようにしています。それでも、やはり慣れないと使い方が身につかないのか。
ところが付け合せの味噌汁を作るためにじゃがいもや玉ねぎを通常の包丁で作るとなると、とたんに早い。これはやはり慣れの問題なのか、、、と思ったが、ほかの人などのさばき方を見ているうちにあることに気がついた。
●さかなの身体を知らない?
みなさんは魚を捌くというと、どのように考えているのだろう?
私は思ったのが、「魚を解体する」ということではあるが、その根本は「魚の骨と身を切り離す」ということ。そのために、前段階としてウロコをはいだりすることはあるが。
みなさんまずこのことを理解していない。
どこに魚の骨が有り、そこに包丁のどの部分をどう使えばたやすく(少なくとも無駄に力を入れずに)骨を断ち切ることができるかが分かっていない。
だから、おさえている手に余計な力が入ったり、入れなくてもいい部分に包丁を入れて、力を入れて身がグズグズになるという結果になっている。
だから、今回は魚を裁くときに先立って、出刃包丁の使い方(硬い骨は先っちょで切るのではなく、なるべく包丁の根元のところの刃で切るような感覚を持つこととか)と、イサキのどこに骨が有り、そこをどう切るべきかをなるべく時間をかけて説明した。
結果、やはり高齢の方になればなるほど「今までのやり方」で捌こうとして難儀はされていたけども、以前に比べれば全体的にまあまあであった。驚くことに最年少参加者の高校生女子が見ている中では最も綺麗に魚をさばいていた。ちなみに魚を捌いたのは人生で2回目だという。
一番素直に話を聞いてくれたおかげだと思っている。
食事を取りながら、改めて魚の骨格を前の白板に描き、この部分のどこにどう包丁を入れていくべきか説明した、
魚の身体の構造はかなり似通っている(少なくともスズキ目なら)。どの部分をどう切り離すか原理原則がわかっていれば、それほど苦労はしないのだ。
その部分を知らないことで、「魚は捌くのが大変」ということだけが膨らんでいるのではないかと推察している。
※もちろんアンコウとかフグとかエイとか変化球は別ですが。ちなみにこの3つは片桐も自信がない。あんこうとエイは滑りさえ取ればなんとかなるかもですが、ふぐは根本的に免許持ってないw
●料理教室・食育で教えてほしいこと
さて、どうしたって家庭で魚を捌く姿を子供に教える、親世代から教わるということはなかなか出来ないので、魚を調理する方法は必然的に料理教室や、学校での食育ということに今は期待する他ない。
しかし、多くの料理教室や子供向け調理のところでも、「包丁の使い方」を徹底して教えているとこをはほとんどきかないし、魚があっても「種類ごとに」料理を教えている。これでは、「タイのさばき方は習ったが、イサキはさばいたことがないからできない。鯛の煮物は作ったことがあるが、カレイの煮付けはやったことがない」となりかねない(というより多くの人からこういうたぐいの言葉を魚屋の現場で耳にしていた)
料理とは、決められたレシピに従ってただ作業を行うだけでなく、そのときそのときの旬の食材を自分の感性に従って選び、いかに調理(捌き)し、味付けし、器を選び、盛り付けるか。そして食べて、後片付けするか。その全てが料理だと思う。
毎日できないことは十分に理解するが、たまには時間をかけて「料理」をやることは本当に楽しい、ということをもっと理解してほしいなと思う。
そういったことを、子供だけでなく「おとな」が理解して『実践して』いくことを仕掛けていきたいと思う。そういった料理教室や食育の仕掛けをする団体さん、もちろんいくつもいるのだが、もっと増えて欲しいと思う。(子供がいくら学校やイベントで学んでも、家庭でそれを見たり実践することがなければ結局は身に付かないのだ)
年内に一度、「家族対抗!魚屋でとりあえず美味しそうと思った魚と野菜を自由に買ってきて、個別にそれぞれの魚の捌き方野菜の味付けの工夫は指導するから頑張って作ってみよう大会!」なんてやってみてもいいかも、と思う次第です。カップル部門とシングル部門もやってもいいけど。ついでにその料理に合うワインやお酒もチョイスのポイントを指導するとかね。
どんな魚でも大概家でさばいて料理していた我が母に感謝です(この目でそんな姿を日常茶飯事で見ていた経験のおかげで魚屋になってもそんなに苦労はしなかった。実際小学校6年生の時で私は1キロくらいの鯛をさばいた経験がある)
なお、今回のお魚は大阪中央卸売市場の株式会社魚蔵、北村社長に手配いただきました。北村さん本当にありがとうございます。
※余談
北村さんとの会話。
「最近はちょっとしたレストランや料理店でもスーパーでもなんでも、魚を卸会社で捌いて骨抜きまでして納品しなければならない。現場の職人さんは、もう簡単な魚でもさばける人がいなくなっている。。。」
この現状がある中で、本当に「和食」は日本が誇る世界文化なんて宣っていいのかなあ。。。と不安になる元魚屋がここにいます。